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 「努力すれば幸せになれるのか」――これが本書のテーマである。そして、その答えは「No!」。なぜか。

 結論からいえば、私たちの能力の大半は遺伝によって決まっているからだ。走るのが得意じゃない人が、どれだけ走る練習をしたところでオリンピックには出られない。そういうことだ。

 ドラえもんの登場人物で考えてもわかるだろう。彼らにはそれぞれ特技がある。できすぎ君は頭がいい。ジャイアンは野球が得意。しずかちゃんはピアノが上手で、のび太はやさしい。それなのに、のび太が「ジャイアンのように野球がうまくなりたい」と、努力したところで――おそらくその努力は報われないだろう。

 では、どうすればいいのか。自分の特技を生かして、生きていくしかない。言い換えれば「好きなことをして生きていくしかない」のである。

 しかし、ここで大きな問題にぶち当たる。それは、「ほとんどの人は、好きなことをしてもお金を稼げない」ということだ。ドラえもんの登場人物でいえば、できすぎ君はエリート社員としてお金を稼ぐことができるだろうが、ほかの人たちはそうはいかない。ジャイアンはプロ野球選手になれないだろうし、しずかちゃんもプロのピアニストにはなれないだろう。のび太にいたっては――職業ですらない。すなわち、「好きなこと」「得意なこと」の種類によって、金持ちになれるかどうかが決まるということだ。

 もし、これが事実だとすると、私たちは「とても残酷な世界」で生きていることになる。生まれた瞬間に金持ちになれるかどうかが決まっているからだ。そして、好きなことでお金を稼げないジャイアンのような私たちは、できすぎ君の下で働くしかない――。これが、数年前までの世界だった。

 しかし、今は違う。インターネットの発達によって「世界中の人たち」とつながることができるようになった。たとえ日本では商売にならないレベルでも、世界に目を向ければ通用する場所がある。日本ではまったく人気がなかったお寿司屋さんが、海外で大ヒットするようなものだ。

 さらに、これまで職業になるとは思わなかったことが職業になり始めている。アイスクリームが好きな人が、毎日食べたアイスクリームをブログにアップすることで、それが職業として成立していたりする。すなわち、ニッチなところに目を向ければ、好きなことをしても生きていける環境が整ったということだ。

 もちろん、どれだけ好きなことをしても儲からない人もいるだろう。しかし、お金があるからといって幸せになれるとは限らない。宝くじに当選した人たちの多くが悲惨な末路をたどっているように、「お金のために働く」と決めた瞬間に仕事に対するモチベーションが下がってしまうように、私たちはお金が関わると幸福を感じにくくなるからだ。

 では、どうするのか。まわりから「必要とされる人」になっていこう。そうすれば、たとえお金が稼げなくても、幸せを感じられるだろうし、助けてくれる人もあらわれるはず。実際、FacebookやTwitter、メルカリなどをみていると、より多くの人とつながり、評判がいい人たちは、結果として誰かに助けられたり、お金を稼いでいたりする。

 このように、私たちは「個人のつながりや評判」が最も大切になる世界で生きていくことになる。それなのに会社でイヤイヤ仕事をしていては、誰もあなたに魅力を感じないだろう。それよりも、できるだけ「好きなこと」「得意なこと」をしたほうが、まわりからの評判も上がり、つながりも増えていく――すなわち、「好きなことをして楽しんだもの勝ち」の時代がやってきたということだ。

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