webstation plus

survive_01

 「努力すれば幸せになれるのか」――これが本書のテーマである。そして、その答えは「No!」。なぜか。

 結論からいえば、私たちの能力の大半は遺伝によって決まっているからだ。走るのが得意じゃない人が、どれだけ走る練習をしたところでオリンピックには出られない。そういうことだ。

 ドラえもんの登場人物で考えてもわかるだろう。彼らにはそれぞれ特技がある。できすぎ君は頭がいい。ジャイアンは野球が得意。しずかちゃんはピアノが上手で、のび太はやさしい。それなのに、のび太が「ジャイアンのように野球がうまくなりたい」と、努力したところで――おそらくその努力は報われないだろう。

 では、どうすればいいのか。自分の特技を生かして、生きていくしかない。言い換えれば「好きなことをして生きていくしかない」のである。

 しかし、ここで大きな問題にぶち当たる。それは、「ほとんどの人は、好きなことをしてもお金を稼げない」ということだ。ドラえもんの登場人物でいえば、できすぎ君はエリート社員としてお金を稼ぐことができるだろうが、ほかの人たちはそうはいかない。ジャイアンはプロ野球選手になれないだろうし、しずかちゃんもプロのピアニストにはなれないだろう。のび太にいたっては――職業ですらない。すなわち、「好きなこと」「得意なこと」の種類によって、金持ちになれるかどうかが決まるということだ。

 もし、これが事実だとすると、私たちは「とても残酷な世界」で生きていることになる。生まれた瞬間に金持ちになれるかどうかが決まっているからだ。そして、好きなことでお金を稼げないジャイアンのような私たちは、できすぎ君の下で働くしかない――。これが、数年前までの世界だった。

 しかし、今は違う。インターネットの発達によって「世界中の人たち」とつながることができるようになった。たとえ日本では商売にならないレベルでも、世界に目を向ければ通用する場所がある。日本ではまったく人気がなかったお寿司屋さんが、海外で大ヒットするようなものだ。

 さらに、これまで職業になるとは思わなかったことが職業になり始めている。アイスクリームが好きな人が、毎日食べたアイスクリームをブログにアップすることで、それが職業として成立していたりする。すなわち、ニッチなところに目を向ければ、好きなことをしても生きていける環境が整ったということだ。

 もちろん、どれだけ好きなことをしても儲からない人もいるだろう。しかし、お金があるからといって幸せになれるとは限らない。宝くじに当選した人たちの多くが悲惨な末路をたどっているように、「お金のために働く」と決めた瞬間に仕事に対するモチベーションが下がってしまうように、私たちはお金が関わると幸福を感じにくくなるからだ。

 では、どうするのか。まわりから「必要とされる人」になっていこう。そうすれば、たとえお金が稼げなくても、幸せを感じられるだろうし、助けてくれる人もあらわれるはず。実際、FacebookやTwitter、メルカリなどをみていると、より多くの人とつながり、評判がいい人たちは、結果として誰かに助けられたり、お金を稼いでいたりする。

 このように、私たちは「個人のつながりや評判」が最も大切になる世界で生きていくことになる。それなのに会社でイヤイヤ仕事をしていては、誰もあなたに魅力を感じないだろう。それよりも、できるだけ「好きなこと」「得意なこと」をしたほうが、まわりからの評判も上がり、つながりも増えていく――すなわち、「好きなことをして楽しんだもの勝ち」の時代がやってきたということだ。

 関連記事

「仕事がつまらない」ときの対処法は3つしかない

 仕事がつまらない。そんな状況に陥ったとき、私たちが取れる対処法は3つしかありません。 転職する 仕事以外の何かにのめりこむ 目の前にある仕事で実績をつくる  まず、一つ目の「転職する」という選択ですが、「仕事がつまらな …

「時間がないからできない」という言い訳で損する理由

 自分で決めたことを確実に実行していますか。私はできていません。「毎日ブログを書こう」と決めても、3日以内には諦めてしまい、言い訳をしています。  「仕事が忙しくて」「子育てもしないといけないし」「突然の予定が入ったから …

夢の実現に必要なのは「目標/計画」よりも「ストーリー思考」!?

(※『ストーリー思考で奇跡が起きる』表紙より)  「どうしても実現したい夢」が見つかったとき、どうしていますか?  「事前準備をしてから」「もう少し社会経験を積んでから」「十分なお金を確保してから」…なんて、行動すること …

「必要とされる人」になろう/『ローマ法王に米を食べさせた男』

 この世界には3種類の人間が存在する。それは、「いてはいけない人」、「いてもいなくてもいい人」、そして「いなくてはならない人」だ。  できることなら、「いなくてはならない人」「必要とされる人」になりたい――と、誰もがそう …

大人になってから遊んでますか?

 ここでいう遊びとは、仕事につながるとか、コストパフォーマンスがいいからとか、そんなものではなくて、メリットを度外視した単純に好きで楽しいことです。  たとえば、自動車メーカーに勤めている人が「休日もクルマに乗ることが趣 …

成功は「安定した仕事」や「つまらない仕事」からは生まれない

 世の中には、私たち凡人には想像もつかないような生き方をしている人たちがいる。『自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい』の著者である河合江理子さんもそのひとり。彼女の経歴をみれば、そのチャレンジ精神に驚くことになるだろ …

好きなことしかやるな/『38歳までに決めておきたいこと』

 40歳になる前に決めておきたいことがある。それは、残りわずか半分しかない人生。「好きなこと以外はやらないようにしよう」ということだ。  では、「好きなことしかやらない生き方」とは、具体的にどんな生き方なのだろう。単なる …

なぜ、優秀な社員が「追い出し部屋」に追い込まれるのか

 『切り捨てSONY』を読み終えるまでは、「リストラ部屋(追い出し部屋)に追いやられた人=仕事ができない人」だと思っていました。  しかし、そうではない人たちも大勢いるんですよね。すなわち、優秀な人たちも「リストラ部屋」 …

仕事ができる人とできない人の違いは「頭の使い方」にある

 私たちが働く環境は日々厳しくなっています。下図は、失業率(青色)と非正規雇用労働者の割合(赤色)の推移を示したものですが、2010年以降、失業率は減少傾向にあるものの、非正規雇用労働者の割合が増加していることがわかりま …

生き残るために必要なのは「変化」/『これからの世界で働く君たちへ』

 日本の大企業が苦しんでいる。たとえば、東芝。昨年の9月に不正会計問題が表面化し、2248億円の水増しをしていたと発表した東芝だったが、つい先日、他にも7件の水増しをしていたことが判明した。その額なんと58億円。少しでも …