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 勇気を持って生きていますか?

 ここで言う勇気とは、勉強や仕事、家事・育児など、目の前のやるべきことに挑戦する勇気のことです。

 もし、そんな勇気を持っていないなら、百田尚樹さんの小説『夏の騎士』を読んでみてはどうでしょうか。

 きっと今すぐ勇気を出して挑戦してみようって思えますよ。

 勉強も運動もできない三バカトリオの物語

 物語の主人公は小学生の三バカトリオ。彼らは勉強も運動もできない落ちこぼれでした。

 肥満体の木島陽介は、女の子に口喧嘩で泣かされるほど気が弱く、勉強もまったく出来ません。家は貧しく、母子家庭で生活保護を受けていました。

 高遠健太は吃音症でした。彼には二人の賢い兄がいましたが、同じ塾に通っても勉強ができるようにならず、そればかりか吃音症になり、家でも話さなくなりました。話すのは陽介と僕だけです。

 僕こと遠藤宏志も、二人と同じように運動も勉強もできない落ちこぼれでした。だから、勇敢な人間になりたいと思って…。

 三人で騎士団を結成します。

 騎士団の目的は大きく二つありました。一つは、レディに忠誠を誓うというもので、学年一の美少女・有村由布子に愛と忠誠を誓います。

 もう一つは彼らが住む天羽市で一年前に起こった殺人事件を解決するというものでした。

 そこで彼らは有村由布子に忠誠を誓うと言いにいきますが…。

 まわりからバカにされても行動する勇気が持てない

 クラス中からバカにされました。男女とバカにしていた壬生紀子からも「騎士団って」とからかわれるようになります。

 それだけでなく、有村由布子本人から騎士として模擬試験を受けてみないかと言われます。

 昔の騎士が馬上槍試合に出てレディに勝利をささげたように、模擬試験で100位以内に入って勝利を捧げて欲しいというのです。

 三バカトリオは、有村に好かれるためにも挑戦することにしますが、男女である壬生紀子からは「からかわれているだけだ」と指摘されました。

 それでも挑戦すると言い張った三バカトリオでしたが、実際にはまったく勉強しませんでした。「やればできる!」と信じて、それが妄想だと気付いても何も行動を起こしません。

 しかし、このままでは流石にヤバイと感じた彼らは…。

 友達となら勇気を出して難題に立ち向かえるかも!?

 三人で問題を出し合って勉強することにします。お菓子をかけて問題に取り組むなど、彼らなりに楽しんで勉強するようになりました。

 このことを通して彼らはあることに気付きます。それは一人では無理でも仲間がいれば難題に立ち向かえるということです。

 また、人生はベストを尽くすことが大切で、その結果に関してはなんら恥じることはないことを知ります。

 恥じなければいけないのはベストを尽くさずに逃げることで、自分に言い訳をせずに全力で挑戦することが大切だと気づくんですよね。

 そんな彼らのテストの結果は…。

 実際に本書を読んでもらうとして、百田尚樹さんの小説『夏の騎士』は一人では無理でも友達となら勇気が出せるかもと思える物語でした。

 残念ながら序盤で殺人事件の犯人も、恋愛の結末もすべてわかってしまう構成でしたが…。それでも楽しめる物語でした。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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