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 誰もが一度は夢見る独立・起業。「誰にも束縛されずに自由に生きていきたい」と思うのは自然な欲求だが、フリーランスとして働いても自由になれるとは限らない。むしろ、会社員として働いていたときよりも自由になれないケースさえある。

 たとえば、大企業の孫請けや孫孫請けの仕事をしている場合。この場合、納期は厳しく、もらえる給料も安い。面白い仕事がまわってくることは稀で、誰にでもできるようなつまらない仕事がほとんどだ。これでは、フリーランスとして働く意味などないだろう。

 では、どうすれば思い描いているようなフリーランスとして働くことができるのだろうか。長年、フリーランスとして活躍されている中山マコトさんによると、サラリーマン時代に次の3つを意識して働くことが大切だという。

  1. ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す
  2. サラリーマン時代の3倍稼げるように時間単価を上げる
  3. 問題解決力を身に付ける

 それぞれ簡単に説明していこう。

 フリーランスを目指すサラリーマンが意識すべき3つのこと

1. ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す

 たとえば、お金を払って結婚式用の似顔絵を描いてもらう場合、「どんな絵でもそこそこ上手くかける画家」と「新郎・新婦の似顔絵を描き続けてきた画家」がいたとしたら、どちらの画家に仕事を依頼するだろうか。もちろん、多くの人は後者に依頼するだろう。

 つまり、フリーランスとして生きていくためには、何でも器用にこなすジェネラリストではなく、誰にも負けない専門性を持ったスペシャリストにならなければいけない。

 では、どうすればサラリーマンとして働きながらスペシャリストになれるのだろうか。それは、会社から与えられた仕事に徹底的に取り組み、特定の分野でいちばんになることだ。

 とはいえ、雑用しか与えられない場合もあるだろう。その場合でさえ、徹底的に雑用に取り組んでみる。そうすれば、片付けのスペシャリストであるコンマリさん(近藤麻理恵さん)のように、雑用と思われていた何かで世界的に活躍できる日がやってくるかもしれないからだ。

 とにかく、サラリーマンを辞めてから何をしようかとか、とりあえずこんな感じでなどと安直に考えているようでは成功できない。それでは、武器を持たずに戦うのと同じだ。だからこそ、サラリーマン時代にスペシャリストとしての武器を持つ。そうすることができれば、フリーランスとしても活躍できるだろう。

2. サラリーマン時代の3倍稼げるように時間単価を上げる

 フリーランスとして生きて行くことはサラリーマン時代よりも過酷である。なぜなら、会社の後ろだてがなくなるので、サラリーマン時代と同じ収入では足りなくなるからだ。

 たとえば、保険料や年金、パソコンのリース代から電気代に至るまで、これまで会社が出してくれていた経費やコストを自分で支払わなければならなくなる。そのため、年収1000万円程度の売り上げでは会社を辞めないほうがいいくらいかもしれない。

 そこで、少なくともサラリーマン時代の3倍稼ぐことを目標とする。そうしなければ、余裕をもって暮らすことなどできないし、未来への投資もできなくなってしまうからだ。

 では、どうすればサラリーマン時代の3倍の給料を稼ぐことができるのか。結論からいえば、時間単価を上げるしかない。私たちには24時間という限られた時間しかないからだ。

 時間単価を上げるには、得意な仕事に特化し、スピードを上げる必要がある。仕事は多くの要素からできているので、それらすべてを自分でやるのではなく、特化することでスピードを上げるのだ。つまり、自分の能力だけで対応でき、しかもクオリティが保証できる分野に絞り込むのである。

 そうすれば、仕事のクオリティが上がるだけでなく、自分の能力も磨かれていく。ますますスペシャリストとして活躍できるようになるだろう。ぜひ、サラリーマン時代からスピードを意識して働いておきたい。

3. 問題解決力を身に付ける

 サラリーマンを辞めてフリーランスとして生きていくことを決意したとき、大きな間違いを犯してしまうことがある。それは、やりたいことばかり考えてしまうことだ。

 クライアントが仕事を頼むのにはそれなりの理由がある。自分ではできない仕事、できるけどやりたくない仕事、できるけど時間がかかってしまう仕事。このどれかをお願いしたいと考えている。すなわち、クライアントは問題解決を望んでいるのだ。

 それなのに、自分がやりたいことばかり考えていては仕事にならない。むしろ、つまらない仕事しかまわってこないだろう。だからこそ、やりたい仕事をするためにも問題解決力を身に付ける必要がある。問題解決力を身に付ければ、主導権を握ることができるからだ。

 つまり、「やりたいこと」よりも、自分が持つスペシャリティがどんな悩みを抱えている人に対して最も有効に生きるのかを考える。ただし、ありきたりなスペシャリティではライバルが多すぎるので、他人とは圧倒的に違う何かを身に付けるように努力していこう。

 ◆◆◆

 フリーランスとして生きて行くためには、サラリーマン時代の経験がものをいう。そのため、在職中にできるだけいろいろな仕事を手がけ、いろいろなやり方を試し、成功しても失敗しても結果を受け入れ、失敗したのなら再度挑戦していく必要がある。その結果、高い評価を得た手法や発想を未来への武器として鍛えていくのだ。

 つまり、フリーランスとして成功するためには、名物サラリーマンと呼ばれるほどの専門性が必要だということ。クライアントは何らかのスペシャリストでなければ、安心して仕事を任せられないからだ。

 だからこそ、会社から与えられた仕事には手を抜かず、少なくともその分野においては社内一のスペシャリストを目指していこう。圧倒的なスピードと問題解決力を徹底的に身に付けていこう。そうすれば、組織を後にしてからも、そこで培った経験は強力な武器となって私たちを支えてくれるはずだ。

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