webstation plus

independence_01

 誰もが一度は夢見る独立・起業。「誰にも束縛されずに自由に生きていきたい」と思うのは自然な欲求だが、フリーランスとして働いても自由になれるとは限らない。むしろ、会社員として働いていたときよりも自由になれないケースさえある。

 たとえば、大企業の孫請けや孫孫請けの仕事をしている場合。この場合、納期は厳しく、もらえる給料も安い。面白い仕事がまわってくることは稀で、誰にでもできるようなつまらない仕事がほとんどだ。これでは、フリーランスとして働く意味などないだろう。

 では、どうすれば思い描いているようなフリーランスとして働くことができるのだろうか。長年、フリーランスとして活躍されている中山マコトさんによると、サラリーマン時代に次の3つを意識して働くことが大切だという。

  1. ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す
  2. サラリーマン時代の3倍稼げるように時間単価を上げる
  3. 問題解決力を身に付ける

 それぞれ簡単に説明していこう。

 フリーランスを目指すサラリーマンが意識すべき3つのこと

1. ジェネラリストではなくスペシャリストを目指す

 たとえば、お金を払って結婚式用の似顔絵を描いてもらう場合、「どんな絵でもそこそこ上手くかける画家」と「新郎・新婦の似顔絵を描き続けてきた画家」がいたとしたら、どちらの画家に仕事を依頼するだろうか。もちろん、多くの人は後者に依頼するだろう。

 つまり、フリーランスとして生きていくためには、何でも器用にこなすジェネラリストではなく、誰にも負けない専門性を持ったスペシャリストにならなければいけない。

 では、どうすればサラリーマンとして働きながらスペシャリストになれるのだろうか。それは、会社から与えられた仕事に徹底的に取り組み、特定の分野でいちばんになることだ。

 とはいえ、雑用しか与えられない場合もあるだろう。その場合でさえ、徹底的に雑用に取り組んでみる。そうすれば、片付けのスペシャリストであるコンマリさん(近藤麻理恵さん)のように、雑用と思われていた何かで世界的に活躍できる日がやってくるかもしれないからだ。

 とにかく、サラリーマンを辞めてから何をしようかとか、とりあえずこんな感じでなどと安直に考えているようでは成功できない。それでは、武器を持たずに戦うのと同じだ。だからこそ、サラリーマン時代にスペシャリストとしての武器を持つ。そうすることができれば、フリーランスとしても活躍できるだろう。

2. サラリーマン時代の3倍稼げるように時間単価を上げる

 フリーランスとして生きて行くことはサラリーマン時代よりも過酷である。なぜなら、会社の後ろだてがなくなるので、サラリーマン時代と同じ収入では足りなくなるからだ。

 たとえば、保険料や年金、パソコンのリース代から電気代に至るまで、これまで会社が出してくれていた経費やコストを自分で支払わなければならなくなる。そのため、年収1000万円程度の売り上げでは会社を辞めないほうがいいくらいかもしれない。

 そこで、少なくともサラリーマン時代の3倍稼ぐことを目標とする。そうしなければ、余裕をもって暮らすことなどできないし、未来への投資もできなくなってしまうからだ。

 では、どうすればサラリーマン時代の3倍の給料を稼ぐことができるのか。結論からいえば、時間単価を上げるしかない。私たちには24時間という限られた時間しかないからだ。

 時間単価を上げるには、得意な仕事に特化し、スピードを上げる必要がある。仕事は多くの要素からできているので、それらすべてを自分でやるのではなく、特化することでスピードを上げるのだ。つまり、自分の能力だけで対応でき、しかもクオリティが保証できる分野に絞り込むのである。

 そうすれば、仕事のクオリティが上がるだけでなく、自分の能力も磨かれていく。ますますスペシャリストとして活躍できるようになるだろう。ぜひ、サラリーマン時代からスピードを意識して働いておきたい。

3. 問題解決力を身に付ける

 サラリーマンを辞めてフリーランスとして生きていくことを決意したとき、大きな間違いを犯してしまうことがある。それは、やりたいことばかり考えてしまうことだ。

 クライアントが仕事を頼むのにはそれなりの理由がある。自分ではできない仕事、できるけどやりたくない仕事、できるけど時間がかかってしまう仕事。このどれかをお願いしたいと考えている。すなわち、クライアントは問題解決を望んでいるのだ。

 それなのに、自分がやりたいことばかり考えていては仕事にならない。むしろ、つまらない仕事しかまわってこないだろう。だからこそ、やりたい仕事をするためにも問題解決力を身に付ける必要がある。問題解決力を身に付ければ、主導権を握ることができるからだ。

 つまり、「やりたいこと」よりも、自分が持つスペシャリティがどんな悩みを抱えている人に対して最も有効に生きるのかを考える。ただし、ありきたりなスペシャリティではライバルが多すぎるので、他人とは圧倒的に違う何かを身に付けるように努力していこう。

 ◆◆◆

 フリーランスとして生きて行くためには、サラリーマン時代の経験がものをいう。そのため、在職中にできるだけいろいろな仕事を手がけ、いろいろなやり方を試し、成功しても失敗しても結果を受け入れ、失敗したのなら再度挑戦していく必要がある。その結果、高い評価を得た手法や発想を未来への武器として鍛えていくのだ。

 つまり、フリーランスとして成功するためには、名物サラリーマンと呼ばれるほどの専門性が必要だということ。クライアントは何らかのスペシャリストでなければ、安心して仕事を任せられないからだ。

 だからこそ、会社から与えられた仕事には手を抜かず、少なくともその分野においては社内一のスペシャリストを目指していこう。圧倒的なスピードと問題解決力を徹底的に身に付けていこう。そうすれば、組織を後にしてからも、そこで培った経験は強力な武器となって私たちを支えてくれるはずだ。

 関連記事

アイデアが浮かばないのは「ぼんやり」不足が原因!?

 「仕事でミスをした」「集中力が続かない」「アイデアが浮かばない」…。  このような悲しい状況に陥ったとき、どうしていますか?「もっと頑張らないと!」と自分を追い込んでいませんか?  もし、そうだとしたら、少しだけ立ち止 …

なぜ、優秀な社員が「追い出し部屋」に追い込まれるのか

 『切り捨てSONY』を読み終えるまでは、「リストラ部屋(追い出し部屋)に追いやられた人=仕事ができない人」だと思っていました。  しかし、そうではない人たちも大勢いるんですよね。すなわち、優秀な人たちも「リストラ部屋」 …

10年後に仕事がある人、ない人

 本:『10年後、君に仕事はあるのか?』の著者・藤原和博さんによると、2020年代には求人が半減するそうです。  その理由は次の2点。 ロボットとAIの活躍によって仕事が激減する 東京オリンピックの後は景気が大幅に落ち込 …

セルフ・イノベーションを起こそう/『僕は、だれの真似もしない』

 シャープや東芝をはじめとする、いわゆる日本の大企業が軒並みダメになっている。なぜだろう。  2004年にApple日本法人代表取締役をスティーブ・ジョブズ氏から託された前刀禎明氏は、「日本人一人ひとりがセルフ・イノベー …

「グーグルの働き方」が当たり前の時代がやってくる

 グーグルの社員は、実力がある人たちばかりだと言われていますよね。たとえば、35歳でグーグルに転職し、グーグルマップに写真を組み込むプロジェクトを牽引した徳生健太郎さんは、  「グーグルに入社したときは、本当に衝撃を受け …

仕事ができる人とできない人の違いは「頭の使い方」にある

 私たちが働く環境は日々厳しくなっています。下図は、失業率(青色)と非正規雇用労働者の割合(赤色)の推移を示したものですが、2010年以降、失業率は減少傾向にあるものの、非正規雇用労働者の割合が増加していることがわかりま …

生き残るために必要なのは「変化」/『これからの世界で働く君たちへ』

 日本の大企業が苦しんでいる。たとえば、東芝。昨年の9月に不正会計問題が表面化し、2248億円の水増しをしていたと発表した東芝だったが、つい先日、他にも7件の水増しをしていたことが判明した。その額なんと58億円。少しでも …

エンジニアとして生き残るには/『How Google Works』

 「グーグルが成功した最大の理由の一つは、事業計画が実はまったく計画らしくなかったことにある」と、グーグルの会長であるエリック・シュミット氏は言う。  実際に、グーグルでは、財務予想や収入源に関する議論などしない。ユーザ …

「時間がないからできない」という言い訳で損する理由

 自分で決めたことを確実に実行していますか。私はできていません。「毎日ブログを書こう」と決めても、3日以内には諦めてしまい、言い訳をしています。  「仕事が忙しくて」「子育てもしないといけないし」「突然の予定が入ったから …

35歳から始まる「第二の人生」を楽しむためのチェックリスト5つ

 35歳という年齢は、第二の人生のスタート地点だといわれています。  たとえば、仕事。「転職35歳限界説」が巷でささやかれているように、35歳を過ぎると転職のハードルが高くなり、よほどスゴイ専門性があるか、あるいはマネジ …