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 愛とは相手に変わることを要求せず、相手をありのままに受け入れることだ。

(ディエゴ・ファブリ)

 とはいえ、私たちはパートナーに変わることを求めてしまう。「なぜ、そんなキツイことを言うの?」「なぜ、こんなことをするの?」「なぜ、わかってくれないの?」と、相手に責任をなすりつけてしまう。だから、大勢の人たちが離婚しているのだろう。

 では、どうすれば、ありのままの相手を受け入れられるのだろうか。『小説 星守る犬』は、私たちにその答えを教えてくれる。

 物語の主人公である「おとうさん」は、娘が拾ってきた子犬(ハッピー)を飼うことにした。娘が「絶対に面倒をみるから」と約束したからだ。しかし、娘はすぐにハッピーの面倒をみなくなってしまう。友達と遊んだり、テレビをみたり、ゲームをしたりするほうが楽しいからだ。そうして、おとうさんがハッピーの面倒をみることになった。

 しかし、おとうさんがハッピーの面倒をみるようになってしばらく経った頃――。おとうさんは妻から突然離婚を言い渡される。「キライになった」というのがその理由ではない。持病を抱えて職を失ったおとうさんを支えていくほどの強い想いがもてない、というのがその理由である。

 妻と娘が出て行ったので、おとうさんの家族はハッピーだけになった。そこで、おとうさんはある決断を下す。家を捨て、ハッピーと二人で旅に出かけることにしたのだ。人生最後の旅である。

 おとうさんとハッピーは二人で各地を回った。そうして、最後に辿り着いた場所がキャンプ場。キャンプ場なら、ハッピーが残飯を食べることができるので、一匹でも生きていくことができるからだ。実はその頃、おとうさんの持病が悪化していた。ご飯をまともに食べていないのがその原因のようだ。そして、おとうさんはついに人生の終わりを迎えることになる。

 しかし――。ハッピーはその後もおとうさんの側を離れようとはしなかった。ハッピー自身が最後を迎えるその日までおとうさんの側で過ごしたのである。なぜか。それは、ハッピーがおとうさんとの約束を守っていたからだ。「ずっと一緒にいる」という約束を。

 さて、この物語からわかるように、愛とは「相手との約束を守り続けること」だといえる。しかし、私たち人間はハッピーのように約束を守りとおすことができない。なぜなら、約束よりも自分の利益を優先してしまうからだ。娘がハッピーの面倒をみなくなったのも、妻が結婚式の誓いを破って離婚を言い渡したのも、約束を守らないほうが得をするからである。

 では、どうすればいいのか。

 愛する――それはお互いに見つめ合うことではなく、 いっしょに同じ方向を見つめることである。

(サン・テグジュペリ)

 ハッピーはおとうさんが向かう方向に無条件でついていった。いつも、おとうさんと同じ方向を向いていたのである。だから、彼らは最後までパートナーとして支えあえたのだろう。

 とはいえ、私たちは、ハッピーのように無条件でパートナーに従うことなどできない。自分の意思を持った人間だからだ。

 そこで、必要になるのが「目標をもつ」ということ。夫婦共に目指せる目標をもつことである。その目標とは、子どもの自立かもしれないし、それぞれの目標を支えあいながら達成することかもしれない。あるいは、ハッピーとおとうさんのようにお互いが存在するだけでいいと思える関係を築くことかもしれない。

 とにかく、互いの存在が目標達成につながる関係を築くこと――これこそが夫婦円満の秘訣だ。そうして、一緒に同じ方向を見つめることができれば、相手に変わって欲しいと強く思わずにいられるだろう。

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