webstation plus

(※『双亡亭壊すべし 1』表紙より)


 子供の頃、夏休みになると夏の風物詩である怪談話を夢中になって聞いていました。怖くて逃げ出したくなるのに――。そんな懐かしい記憶が蘇る漫画が『双亡亭壊すべし』。

 『うしおととら』や『からくりサーカス』の著者が描いた最新の漫画です。

 『双亡亭壊すべし』のあらすじ

(※『双亡亭壊すべし 1』より)


 物語の舞台は、双亡亭という名の怖ろしい建物。これまで多くの人がこの幽霊屋敷に足を踏み入れ、悲惨な出来事に遭遇してきました。怪奇現象を見たり、人格が崩壊したり、殺し合いを始めたり、屋敷から出られなくなったり…。

 斯波総理も怖ろしい経験をした一人。そこで総理は双亡亭を壊すために自衛隊の出動を決定します。しかし、どれだけミサイルを撃ち込んでも双亡亭は壊れませんでした。

 総理が次に打った手は、双亡亭を破壊したものに248億円を支払うというもの。お金目当てに集まった対超常現象のプロたちが双亡亭に乗り込む!?

 何をやっても壊れない無敵の幽霊屋敷「双亡亭」

(※『双亡亭壊すべし 1』より)


 ミサイルを撃ち込んでも、クレーンで鉄球をぶつけても、びくともしない双亡亭。

 屋敷の中に乗り込んでも、怪奇現象を見たり、人格が崩壊したり、殺し合いを始めたりと、双亡亭に立ち向かうことができません。

 なぜ、双亡亭は壊れないのか?屋敷に入ると人格が崩壊するのか?そもそも誰が何の目的で建てた屋敷なのか?など多くの謎が隠されています。

 その謎が少しずつ解き明かされていく過程が面白く、怖いシーンが多いのに続きが読みたくなるんですよね。

 子どもの頃に怖いのを我慢して聞き続けた怪談話とよく似た感覚が味わえます。

 双亡亭に立ち向かう人物も謎だらけ

(※『双亡亭壊すべし 1』より)


 斯波総理が自衛隊出動を決定したその日、45年前に姿を消した1台の飛行機が滑走路に着陸しました。

 その中にはタコハセイイチという名の少年の姿が。彼は45年前に飛行機と共に行方不明になっていた人物でした。

 なぜ、彼は生きていたのか?歳を取らなかったのか?今戻ってきたのか?…など謎だらけ。

 さらに彼は手足をドリル化して悪霊と闘うことができます。彼は一体何者なの!?――続きが気になって、読むのを止められません。

 特殊能力がない主人公2人がキーマン

(※『双亡亭壊すべし 1』より)


 とはいえ、タコハセイイチが双亡亭を破壊するという単純なストーリーなら、あまり面白い物語とは言えないでしょう。この漫画をより面白くしているのは、何の特技もない2人の主人公。

 一人はタコハセイイチの親戚・凧葉務(たこは つとむ)。双亡亭の隣のアパートに住んでいたというだけで巻き込まれた可哀想な人物ですが、何の特技もない彼が双亡亭に乗り込む事で対超常現象のプロ達を精神的に助けます。

 もう一人は、双亡亭に引越してきた小学生で、その日の夜に父を失った立木緑朗(たちき ろくろう)。彼は父の仇をうつためにタコハセイイチと協力して双亡亭を目指します。

 今後、彼らがどのような活躍をするのか気になります。

 最後に

 『双亡亭壊すべし』は、怖い物語が苦手な方でも、謎が気になり、続きが読みたくなるホラー漫画です。

 現在は6巻まで出版されていて、少しずつ謎が解き明かされています。読めば読むほどページをめくる手が止められなくなる漫画。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。あわせてこちらもどうぞ。

 関連記事

『3月のライオン』は悩みに立ち向かう主人公たちに心動かされる漫画

(※『3月のライオン 1』表紙より)  ヤングアニマルで連載中の漫画『3月のライオン』。将棋を舞台に、自分の課題に真正面から取り組む登場人物たちに心動かされること間違いなしの漫画です。  今回は『3月のライオン』のあらす …

『ばくばく!バクチごはん』はギャンブル場の激旨グルメ紹介漫画

(※『ばくばく!バクチごはん(1)』表紙より)  つい先日までイブニングで連載されていた漫画『ばくばく!バクチごはん』。  競馬・競輪・競艇・オートレースなどの実在するギャンブル場を舞台に、新人アイドルが激旨グルメを食べ …

子供にも読ませたい!東大生&京大生が選んだ『スゴイ本』ベスト30

 2017年10月9日放送の「Qさま!!」で発表された「東大生&京大生が選んだ『スゴイ本』ベスト30」。  私は国語の教科書でしか読んだことがない本ばかりでしたが、「この機会に改めて読んでみよう!」&「子どもたちにも読ん …

未来に必要なのは「効率」よりも「ムダ」/浅田次郎『闇の花道』

 「嫌われる上司の特徴ランキング」に必ずランクインしているのが、「昔の話ばかりする」ですが、「昔はすごかったんだぞ!」と言わんばかりに昔話を語って聞かせる小説があります。それが、『天切り松 闇がたり』シリーズ。  大正時 …

モテる女性に共通している特徴とは?/池井戸潤『不祥事』

 小説やドラマを観ていると、「本当に素敵な人だなぁ…」と心から惚れてしまう人に出会うことがあります。  たとえば、ドラマ『トリック』に出演されていた仲間由紀恵さん。本当にキレイな方なのに面白い。もちろん、ドラマの設定上「 …

リーダーシップとは大人の甘さ/和田竜『のぼうの城』

 「リーダーシップ」と一言でいっても、いろいろなタイプがある。たとえば、織田信長。彼は自分に反抗する勢力を徹底的に打ち壊して、自分が理想とする社会を実現しようとした。いわゆる「破壊者」「革命児」タイプのリーダーシップを発 …

『ワールドトリガー』はバトルだけでなく思想戦も楽しめるSF漫画

(※『ワールドトリガー 1巻』より)  週刊少年ジャンプに連載中の漫画『ワールドトリガー』。現在は休載されていますが、バトルだけでなく思想戦も楽しめるので、読めばハマること間違いなしのSF漫画です。  今回は『ワールドト …

今の日本人には「武士道」が足りない/浅田次郎『黒書院の六兵衛』

 私たち日本人は「武士道」を失ってしまったのかもしれない。武士道とは、簡単にいえば「臆病者」「卑怯者」ではない生き方を貫くことだ。しかし、今の私たちは、たとえ「臆病者」「卑怯者」と罵られても、お金を生み出し、有名になりさ …

『氷菓』は甘くてほろ苦い青春ミステリー小説

(※『氷菓』表紙より)  米澤穂信さんの小説『氷菓』。デビュー作とは思えないほど、魅力ある青春ミステリー小説です。読み進めていくうちに学生時代の甘くてほろ苦い記憶を思い出すこと間違いなし!?  今回は『氷菓』のあらすじと …

私たちは「いつかは必ず死ぬ」/伊坂幸太郎『死神の精度』

 私たち人間には、不快に感じる出来事があっても、最後に楽しい出来事があれば、その楽しさを優先的に思いだす性質がある。同様に、どれだけ楽しい出来事があっても、最後に悲しい出来事で終われば悲しさを思いだす。これが、心理学でい …