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 「スマートマシン」という言葉をご存知でしょうか。スマートマシンとは、自己学習機能を備え、自立的に行動する電子機械のことを指しています。人口知能を実装したロボットやドローン、自動走行車などがそうです。

 このスマートマシンが、今、私たちの想像をはるかに超える勢いで成長し、私たちの未来を大きく変えるといわれています。

 ここでスマートマシンについて、もう少し詳しく説明しておきましょう。IT分野の調査・助言を行う企業「ガートナー」では、スマートマシンを大きく次の3つに分類しています。

  • 「Movers(移動する)」:車の運転を人間に代わって操作する「自動走行車」や、無人で空中を自立飛行することが可能な小型無人航空機「ドローン」など。
  • 「Sages(賢者)」:iPhoneなどのiOS向けの音声パーソナルアシスタント機能を持つ「Siri(シリ)」や、IBMが開発した質問応答システム「ワトソン」に代表される医療診断やユーザーからの問い合わせの対応を支援するアドバイザーなど。
  • 「Dores(行動する)」:人間に代わって、工場での組み立て作業や、警備、介護支援など、人の行動を支援するロボットなど。

 これらが現在、広範囲で実用化が進んでいます。そして、スマートマシンによる機械化が進むと、将来的に私たちの雇用に大きな影響を及ぼすことが予想されます。

 これまでも、18世紀におきた第一次産業革命による農民の失業、20世紀初頭の工場の電力普及とベルトコンベアによる大量生産、および20世紀後半のコンピュータ導入による工場労働者の失業が大きな社会問題となってきました。

 そして近年では、スマートマシンがもたらす産業の自動化によって、知的労働者などが失業する「第4の失業」が専門家の間で懸念されています。たとえば:

 2020年までに、知的労働者の3人に1人が、彼ら自身によって訓練されたスマートマシンに職を奪われる。

Garnet Predicts 2014

 2030年には、世界中の全雇用の50%、20億人分の仕事が機械化でなくなる。

調査会社 ダビンチ・インスティテュート

 では、スマートマシンは具体的にどのような進化を遂げていくのでしょうか。

 スマートマシンの現在と未来

スマートマシンの現在

 2017年までに、コンピュータの10%は情報を処理するだけでなく、学習するマシンになる――と多くの専門家は考えています。

 これまでのマシンは、人間から渡されたパターンを認識し、それらを早く処理することを目的としていました。しかし、近い将来、マシンが自ら考えるようになるといわれているのです。たとえば、人間が見逃していたような領域――医療分野なら医師が見逃していた疾患の可能性などを、膨大なデータを基にマシンが診断できるようになるといわれています。

 現時点でも、「学習するマシン」のテクノロジーが進展したことにより、人間がコンピュータに負けるという状況も出てきています。2014年3月に、ドワンゴ主催によるプロ棋士5人と5つのコンピュータ将棋ソフトが対決する団体戦「第3回将棋電脳戦」が開催されましたが、その結果はプロ棋士側の1勝4敗と人間が大きく負け越しました。

 他にも、「学習するマシン」による東大合格を目指す取り組みも始まっています。国立情報学研究所や富士通研究所などが中心となり、2016年までに大学入試センター試験で高得点を取ることを目指したAI搭載のロボット「東ロボットくん」の研究活動が進められています。

 2013年11月に実施したセンター試験の結果では、900満点中387点、偏差値45と平均点以下となっていますが、代々木ゼミナールの模試「東大プレテスト」では、文系数学で偏差値60と高い結果を残しています。2016年度中には、本当に東大に合格できる「賢い」ロボットが完成するかもしれません。

スマートマシンがつくりだす未来

 では、「学習するマシン」は、どのような未来をつくりだすのでしょうか。アメリカの発明家であるカーツワイル氏は、2045年には人間の脳内に血液細胞と同じくらいのコンピュータチップを埋め込み、クラウドとつなぐことで人間の思考が拡張できると予想しています。さらには、脳内のコンピュータチップを経由して、クラウドに人間の記憶や思考をバックアップできるようになるといいます。

 これは、遠い未来の話ではありません。すでにグーグルが特許を登録して準備を進めています。グーグルは、2012年4月に「ロボットのパーソナリティを登録する方法とシステム」の特許を出願し、2015年3月に登録しています。この特許によれば、人間のさまざまな特徴に基づいた性格データを構築するデータベースや、データを配信するクラウドをベースとしたシステムを構築し、インターネットなどを介してロボットやモバイルデバイスに性格データをダウンロードすれば、誰の性格でも再現できるようになるといいます。

 つまり、性格データをクラウドからダウンロードし、そのデータをロボットに取り入れれば、たとえば芸能人や親族の性格や話し方、表情を似せたロボットができることになるのです。また、自分のデータをクラウドに格納するマインド・アップローディングを行えば、死ねば肉体を失いますが、クラウドの中で意識だけを持つ存在になる可能性があるとカールワイツ氏は考えています。

 これは非常に恐ろしいことです。実際、人工知能脅威論を唱える経営者や科学者が多くいます。テスラモーターズのCEO、イーロン・マスク氏もそのひとり。彼は「人工知能は核兵器よりも危険である」とTwitterでコメントするとともに、人類にとって安全で役立つAIの研究をする組織には1000万ドルの寄付をしています。

 このように、マシンが学習するようになれば、私たちの「存在」そのものが危うくなるかもしれません。ドローンや車の自動走行、ペッパーのようなロボットの発達によって、私たちの仕事が奪われるだけでなく、場合によってはマシンが人間を管理する未来にたどり着くかもしれないからです。まるでマトリクスの世界のように…。実際、2045年には、AIが全人類の知能を超える「シンギュラリティ(技術特異点)」に達するという予測さえあります。

 では、私たちはどうすればいいのでしょうか。

 人間とマシンが共存できる未来を描こう

 人間とマシンが共存できる未来を描いていくしかありません。マシンにできることはマシンに任せ、私たち人間は人間にできることをやっていくしかないのです。

 では、「私たち人間にできること」とは何でしょうか。それは「楽しむこと」だと思います。

 先ほども説明したように、2045年には、AIが全人類の知能を超える「シンギュラリティ」に達するという予測があります。つまり、何をやってもマシンに勝てない時代がやってくるのです。そんなとき、「人(マシン)と比べてどうか」を考えれば生きるのがつらくなるだけです。

 そこで考え方をシフトしていく必要があります。「自分が心から楽しめる何か」に打ち込んで生きていく。そんな生き方を選んでいくのです。

 とにかく、「お金のため」とか「地位や名誉のため」に働く意味は、今後ますますなくなっていくでしょう。だから、今すぐ「心からやりたいと思える何か」に打ち込んでいきましょう。そうすれば、スマートマシンに仕事を奪われても、楽しい人生が過ごせるかもしれませんよ。

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