寺地はるな『彼女が天使でなくなる日』は子供を天使だと思う親は毒親だとわかる物語

おすすめ小説

子供を天使だと思っていませんか?

私は自分とはまったく違う考えをする子供たちのことを天使だとは思えませんが、

寺地はるなさんの小説『彼女が天使でなくなる日』を読んで、子供を天使だと思っている親は毒親だと気づきました。

毒親は、子供を自分の思い通りになるようにコントロールしているので、天使だと思えるんですよね。

おすすめ度:4.0

スポンサーリンク

こんな人におすすめ

  • 育った島に帰ってきて民宿を経営する主人公の物語に興味がある人
  • 心に傷を負った女性たちの悩みに心が痛む物語を読んでみたい人
  • 子供に天使になることを強要する親は毒親だという理由を知りたい人
  • 寺地はるなさんの小説が好きな人
スポンサーリンク

あらすじ:育った島に帰ってきて民宿を経営する主人公の物語

物語の主人公は、15歳まで星母島(ほしもじま)で暮らしていた千尋。

彼女は島を出て大阪でベビーシッターの仕事をしていましたが、去年、イケメンの恋人・麦生を連れて島に戻ってきました。

育ての親で、遠い親戚でもある政子から「民宿 えとう」をたたむかもしれないと電話で聞かされたからです。

このとき、恋人だった麦生に冗談半分で「ついてくる?」と聞いたところ、彼は仕事を辞めて本当についてきました。

そんな千尋は、ベビーシッターの経験を生かして民宿に託児所を併設することにしますが、訪れた人たちから聞かされた悩みは…。

という物語が楽しめる小説です。

スポンサーリンク

感想①:心に傷を負った女性たちの悩みに心が痛む

この小説では、あらすじで紹介した千尋のもとに、悩みを抱えた人たちが訪れる5つの短編が描かれています。

それぞれ簡単に紹介していくと、

  • 1歳にならない息子の子育てと、大好きな雑貨チェーン店での仕事との両立に苦しむ理津子の物語
  • 結婚した娘を今でもコントロールしようとする伊岡幸恵と、母の言いなりになる愛花の物語
  • 友達に恋人を奪われた麻奈が、その友達と一緒に星母島にやってくる物語
  • ところ構わず大声で泣く幼い娘を冷たい目で見る人たちのせいで、ノイローゼになった妻をもつ孝貴の物語
  • ライターの三崎塔子が千尋の身辺を探る物語

どの物語も、悩みを抱えた人たちが、千尋と接することで悩みを解決していく姿が描かれているんですよね。

林真理子さんの小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』でも、さまざまな悩みを抱える女性たちの姿が描かれていましたが、

林真理子『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』は様々な悩みを面白おかしく吹き飛ばしてくれる物語
何かに悩んでいませんか? 私はいつも何らかの悩みを抱えていますが、林真理子さんの小説『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』を読んで、いくつかの悩みが吹き飛びました。 主人公のオバサンの圧倒的なパワーに元気づけられたんですよね...

この小説では、千尋のもとに訪れる女性たちが抱える悩みに心が痛みました。

スポンサーリンク

感想②:型に嵌めようとする人たちの意見は聞かなくていい

この小説では、2つのテーマがあるように思います。

まずひとつ目は、「型に嵌めようとする人たちの意見は聞かなくていい」です。

子育てと仕事との両立に苦しむ理津子は、育児について戦力外の夫と、図々しい義母に嫌気がさしていました。

特に義母は、自分たちが騒ぎたいため、さまざまな理由をつけて理津子や孫たちを巻き込むタチの悪い人間でした。

しかし、理津子はそんな義母の「2人目はまだ?」という言葉にとらわれていたんですよね。

友達に恋人を奪われた麻奈は、「あの人友達いなさそう」と言われるのが嫌で、恋人を奪った最低の友達と今でも付き合っており、

ところ構わず大声で泣く幼い娘をもつ孝貴は、「躾のなってない子」「愛情いっぱい大事に育てられている子は一目でわかるね」といった嫌味のせいで、妻だけでなく自分までノイローゼ気味になっていました。

そんな悩みを抱える人たちに、千尋は自分の考えを押し付けようとする人たちの言葉に耳を傾ける必要はないと言うんですよね。

ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』では、信じる相手を間違えると行動できなくなることがわかる物語が描かれていましたが、

ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』は毒親の支配から抜け出そうとするお姫様の物語
毒親に支配されていませんか? 私は身近に毒親に支配されていた人がいますが、その洗脳っぷりに恐ろしさを感じていました。 自分の意見を持ったり、考えを大切にすることができず、親の意見や考えを何よりも優先してしまうんですよね。 ...

この小説では、型に嵌めようとする人たちの意見は聞かなくていいと思える物語が楽しめました。

スポンサーリンク

感想③:子供に天使になることを強要する親は毒親

この小説のもう一つのテーマは、「子供に天使になることを強要する親は毒親」だと思います。

母からコントロールされてきた愛花は、結婚式の披露宴の打ち合わせに母が同行しただけでなく、

料理の意見が食い違ったことを根に持たれ、その後に自分が倒れたのはあなたのせいだと言わたことを気にしていました。

そんな母は、星母島に来てからも、他人の文句ばかり言い、一方で娘のことは天使のようだと言います。

それは、愛花を完全にコントロールできていたからで、「何々させてあげたい」「してあげた」と、まるでペットのように扱っていました。

とはいえ、愛花もそんな親に嫌気がさしていましたが、「親にならなければ、ほんとうの親の気持ちはわからない」という言葉に、何も言い返せずにいたんですよね。

しかし千尋は、

「なにかの経験がない人が、その経験がない人に、あなたにはわたしの気持ちがわからないと言う行為、わたしは嫌いです」

と言います。

なぜなら、同じ経験をしても、人によって見えるものや感じるものは違うはずだからです。

どんな経験があろうとなかろうと、そもそも自分以外の人の気持ちなんてわかりませんと続けます。

つまり、毒親が子供のことを天使だと思うのは、子供が完全に親の考えに従っているからで、子供の意見を蔑ろにして親の思い通りにコントロールしているからなんですよね。

山口恵以子さんの小説『毒母ですが、なにか』では、毒親は子供と向き合わないことがわかる物語が描かれていましたが、

山口恵以子『毒母ですが、なにか』は毒親とは人生をかけて闘う価値があることを教えてくれる物語
毒親という言葉が広まりましたよね。このブログでも以前紹介しました。 このエントリにも書いたように、毒親に育てられた子どもは確実に不幸になります。 そんな毒親と、その毒親に育てられた子供たちの姿が描かれた物語が山口恵以子さ...

この小説では、子供を天使だと思う親は毒親だとわかる物語が描かれていました。

スポンサーリンク

まとめ

今回は、寺地はるなさんの小説『彼女が天使でなくなる日』のあらすじと感想を紹介してきました。

子供を天使だと思う親は毒親だとわかる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました