凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』は当たり前の日常に感謝したくなる物語

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当たり前の日常に感謝していますか?

私はどうしてもおざなりにしてしまいがちですが、凪良ゆうさんの小説『滅びの前のシャングリラ』を読んで、当たり前の日常に感謝したくなりました。

それだけでなく、自分と向き合って生きていこうと思える物語だったんですよね。

おすすめ度:4.5

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こんな人におすすめ

  • 地球滅亡を前にした4人の主人公の物語に興味がある人
  • 自分と向き合わないと幸せにはなれないことがわかる物語を読んでみたい人
  • 他の誰かを犠牲にして生きていることがわかる物語に興味がある人
  • 凪良ゆうさんの小説が好きな人
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あらすじ:いじめられている高校生が主人公の物語

物語の主人公は、高校生の江那友樹。

彼は、井上という同級生にいじめられていました。

ぽっちゃり体型で、勉強と運動は中の下と、ひとつひとつは致命的ではありませんでしたが、「江那友樹」になった途端にいじめの対象になりました。

掃除を押し付けられたり、パシリにされたり、カラオケで無理やり踊らされたりと、毎日嫌な思いをしていました。

だからこそ、友樹は地球なんて滅びればいいのにと思っていたのですが、突如、1ヶ月後に小惑星が地球に衝突して滅亡することがわかります。

そんなとき、小学生の頃から恋心を抱いていた藤森さんが東京に行くと言い出しました。

この話を聞きつけた友樹は、彼女を守るために一緒に着いて行こうとしますが、そこに井上が現れて…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:地球滅亡を前にした4人の物語が楽しめる短編集

この小説では、先ほどあらすじで紹介した江那友樹の物語を含めて4つの短編が楽しめます。

それぞれ簡単に紹介していくと、

  • 親から虐待されて育った目力信士が半端者になり、大物ヤクザを殺す物語
  • 一人で息子を育てあげた江那静香が大好きだった男と息子、そして息子が好きな同級生と家族のように暮らす物語
  • 歌姫として活躍していたLocoが恋人を殺して自分を取り戻していく物語

これら4つの物語は主人公は違いますが、登場人物が重複しており、また前の物語の続きが次の物語で描かれているので長編として楽しめるんですよね。

東野圭吾さんの小説『恋のゴンドラ』では、7つの物語が1つに繋がっていく短編集が楽しめましたが、

東野圭吾『恋のゴンドラ』は男性の欲望が丸裸にされる恋愛ミステリー小説
男性の欲望とは何かわかりますか? もちろん、複数の女性と関係を持つことです。 江戸城に大奥があったのも、一夫多妻制を認めている国があるのも、星の数ほど風俗店があるのも、多くの男性が複数の女性と関係を持ちたいという願望を抱いている...

この小説では、徐々に地球滅亡へと近づいていく短編集が楽しめました。

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感想②:自分と向き合わないと幸せにはなれない

先ほど地球滅亡へとつながっていく短編集が楽しめると書きましたが、

地球が滅亡するとわかってから多くの人たちは自分が生きる理由を探し始めました。

誰かの役に立ちたいと願う人もいれば、暴れることに命の煌めきを見出す人もいました。

いじめられていた友樹は、どれだけ殴られても羊の皮を被った獣だと妄想してやり過ごしていましたが、

「殺されるくらいなら殺して生き延びろ」と母に言われて、刃物を隠しもって歩くようになります。

また、強くなろうとケンカの練習をするなど、本当の獣になろうと奮闘しました。

目力信士は、親から虐待されてきたので、頭に血が昇るとすぐに手を出していましたが、

ある人物に「自分が殴られたぶん、誰かを殴っても、私たちが味わった痛みは相殺されない」と言われて、一歩引いて自分を眺められるようになります。

江那静香も、親から虐待されてきたので、子供に暴力を振るわれるのは嫌だと暴力を振るう男から逃げ出しましたが、

本当に恐れていたのは、暴力を振われることではなく、自分の中にこびりついている拭えない恐ろしい家庭のイメージだと気づきました。

Locoもそうです。歌姫というイメージを守るために、自分らしくない振る舞いをして、どんどん自分がなくなっていったことに気づいたんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『終末のフール』では、地球滅亡を前にして自分の生き方を見直す人たちの物語が楽しめましたが、

伊坂幸太郎『終末のフール』感想/今の生き方でどれくらい生きるつもり?
今の生き方でどれくらい生きるつもりですか? 私は今の生き方を死ぬまでするつもりはありませんが、 伊坂幸太郎さんの小説『終末のフール』を読んで、今すぐ後悔しないように行動を変えていこうと思うようになりました。 数年後に死ぬこ...

この小説では、死を前にして自分と向き合ってはじめて幸せに生きられる人たちの姿が描かれていたので、今すぐ自分と向き合おうと思いました。

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感想③:他の誰かを犠牲にして生きている

さて、この物語では、誰もが他の誰かを犠牲にして生きている姿が描かれています。

食糧不足になれば、誰かを殴って食料を奪い、危険が及ぶと相手を殺して生き延びている姿が描かれています。

とはいえ、地球が滅亡しなくても、普段の仕事でも地位や名誉を奪い合って生きていますよね。

普段のありふれた日常も、実は誰かの犠牲の上に成り立っていることが多いのです。

だからこそ、先ほども書いたように、誰かに従って生きるのではなく、自分と向き合って生きた方が幸せになる確率が高まり、

また、誰かの犠牲に思いを馳せて、日々を感謝して生きたほうが人生が豊かになりやすいことがわかります。

漫画『進撃の巨人』では、この世界はとても残酷だとわかる物語が描かれていましたが、

漫画『進撃の巨人 1-5巻』感想/この世界はとても残酷だ!?
この世界はとても残酷ですよね。 とはいえ、私たちは、残酷な世界から目を背けて、幸せな面ばかりをみてしまいがちですが、 漫画『進撃の巨人』を読んで、この世界が残酷だという事実に改めて向き合うことができました。 この世界は残酷...

この小説では、だからこそ、当たり前の日常を大切にしていきたいと思える物語が描かれていました。

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まとめ

今回は、凪良ゆうさんの小説『滅びの前のシャングリラ』のあらすじと感想を紹介してきました。

当たり前の日常に感謝したくなる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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