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 本城雅人さんの小説『崩壊の森』を読んでからロシアについてもっと知りたくなったので読んだ本。それが『異端の人間学』です。

 五木寛之さんと佐藤優さんというロシア通の作家が語っているだけあって、ロシアについてもっと詳しく知りたくなりました。

 今回は本書からほんの少しだけ気になった内容を紹介していきます。

 ロシア人はとにかく酒好き

 佐藤さんがロシアである飲み屋に通っていたときのこと。知り合いのロシア人から「あの店に行くのは絶対にやめろ」と言われたそうです。それはビールに洗剤を混ぜて泡立ちを良くしていたからでした。

 もちろん、今ではそんなことはないでしょうが、とにかくロシア人はお酒を好んで飲むそうです。悩みがあればウォッカを一杯飲んで、その悩みが不安になってもう一杯飲んで…と気絶者が出るまで飲み続けます。

 そんなロシアでウォッカ不足が起きたことがありました。ゴルバチョフが出した節酒令が禁酒令のようになってしまい、ウォッカが街中で不足したんですよね。

 すると、アルコール成分が入っているものが、どんどん売り切れになっていったそうです。砂糖とイースト菌がなくなり、続いてジャムやジュース、トマトケチャップがなくなり、最後には歯磨き粉やオーデコロン、靴クリームまでなくなりました。

 ちなみに、靴クリームをどう使うかといえば、黒パンの上に靴クリームを山盛りのせて一晩寝かせます。そうすれはアルコール分だけがパンに吸い取られるので、クリームのところは切って捨てて、残りのパンを食べてアルコールを摂取するのです。

 ロシア人はそれほどまでにアルコールが好きなんですね。

 特高警察よりも怖ろしいスメルシュ

 日本が敗戦したとき、ソ連兵たちは多くの日本人女性を犯しました。五木さんの母もソ連兵に暴行を受け、朝方にボロボロになって帰ってきたそうです。

 そんな怖ろしいソ連兵ですが、スメルシュというスターリン直属の防衛部隊が来ると何もしなくなったそうです。なぜなら簡単に殺されるから。

 スメルシュは裏切りや軍規違反のある連中を片っ端から処分していきました。兵士たちの言い分など聞かずに、その場で射殺します。街頭で殺しっぱなしで死体も片付けなかったそうです。特高警察よりも数百倍怖ろしいですよね。

 それだけではありません。ソ連崩壊後は3億円もらえるなら友人でも殺したそうです。一般人がです。殺しても警察に100万くらい渡せば捕まらなかったからです。プーチンが権力を握るまではそんな国だったと言います。

 つまり、殺しに対してそれほど抵抗がない国なんですよね。だからこそ、イギリスは今でもロシアを脅威に思い、コンスタントに専門家を育て、人気ドラマ『M1-5 英国機密諜報部』などでもロシアの脅威を伝えています。

 一方の日本は…通訳もまともに出来ないレベルだそうです。

 コーラスと文学、詩を愛する人たち

 とはいえ、怖ろしいだけではありません。ソ連が崩壊するまでは読書大国だったそうです。ポルノも含めて消費的な文化産業が入ってこなかったので、10万部単位で小説を刷るのが当たり前だったと言います。

 また一般人でも詩を敬愛しているので詩人になることは一国の首相になるよりすごいことなんだそうです。だからこそ、プーシキン記念祭はただ事じゃない。それほどまでに詩を愛しているんですよね。

 ちなみにコーラスもとても上手いそうです。教会とか日常生活で合唱するのが習慣になっているからだとか。

 最後に

 今回は紹介しきれませんでしたが、本書には他にも気になる内容が盛りだくさんです。たとえば、ロシアでは賄賂が当たり前になっているけれど、日本のように独り占めせずに全員で分配するので、賄賂について寛容的だとか、共産主義のおかげで資本主義の暴走が止められていた部分があったとか。

 ほんとロシアについて詳しく知りたくなることばかりです。気になった方はぜひ読んでみてください。

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