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(※『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』表紙より)


 三角関数をご存知ですか?

 最近、橋下徹さんが学校で教えなくてもいいと言ったサイン、コサイン、タンジェントのことです。

 実はこの三角関数。AIやロボティクスなど様々な場面で使われています。三角関数という名前から三角形に限定した関数と思われがちですが、実は円の回転をあらわす関数としても利用されているのです。

 そこで今回は『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』を参考に、三角関数の基礎を紹介したいと思います。

 『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』ってどんな本?

 このブログでも何度か取り上げた『数学ガールの秘密ノート』シリーズ。その三角関数版です。

 他のシリーズと同様に簡単な問題から少し難しい問題まで幅広く取り上げられているので、楽しみながら数学を学ぶことができます。

 たとえば、

第1章 丸い三角形
第2章 行ったり来たりの迷い道

 で、三角関数の基礎が学べ、

第3章 世界を回す
第4章 円周率を考えよう
第5章 まっすぐ進むまわり道

 で、円周率や回転行列の求め方といった三角関数の応用が学べます。

 三角関数と言いながらも、円周率の求め方なども学べるので、他の数学書も読んでみたくなるんですよね。

 三角関数を知らない方にもおすすめの本です。

 三角関数って何?

 たとえば、次のような直角三角形を考えた場合、

 角θの値を変えないで辺cの長さを2倍にすると(c’)、辺bの長さも2倍になります(b’)。言い換えると、角θの大きさが一定であれば、辺bと辺cの比(=b/c=b’/c’)は一定になるのです。

 これを式で表したのがsin(サイン)。

\begin{equation} \sin θ=\frac{b}{c} \end{equation}

 同様に角θの大きさを変えないで辺cの長さを2倍にすると(c’)、辺aも2倍になります(a’)。先ほどと同じように角θの大きさが一定であれば、辺aと辺cの比(=a/c=a’/c’)は一定になります。

 これを式で表したのがcos(コサイン)。

\begin{equation} \cos θ=\frac{a}{c} \end{equation}

 以上で三角関数の基本は終わりです。ただし、直角三角形で考えると、θは0<θ<90に制限されてしまいますよね。そこで、以下のような半径が1の円を考えます。

 角θを変化させていくと、点Pは円を描きます。それぞれの点で直角三角形を考えれば、三角関数が計算できますよね。つまり、θの制限なく三角関数を求めることができるのです。

 これが三角関数が円関数と言われる理由です。

 回転行列って何?

 では、三角関数を使って回転の計算をしてみたいと思います。たとえば、xy平面にある点(a,b)をθだけ回転させた場合、回転後の点(a’,b’)はどうやって求めればいいのでしょうか。

 直接この問題を解くのは難しいので、まずは点(a,0)――x軸からθだけ回転した場合を考えてみます。

 こうすると、先ほどの三角関数を使えば次のように式が書けますよね。

\begin{eqnarray} \cos θ &=& \frac{a1}{a} \\ \sin θ &=& \frac{b1}{a} \end{eqnarray}

 この式を変形すると以下のようになります。

\begin{eqnarray} a1 &=& a \cos θ \\ b1 &=& a \sin θ \end{eqnarray}

 同じように点(0,b)――y軸からθだけ回転した場合を考えると、

\begin{eqnarray} a2 &=&-b \sin θ \\ b2 &=& b \cos θ \end{eqnarray}

 となります。あとは、この2つの式を組み合わせれば点(a,b)からθだけ回転した点(a’,b’)を求める式がわかります。

\begin{eqnarray} a’&=&a1+a2=a \cos θ – b \sin θ \\ b’&=&b1+b2=a \sin θ + b \cos θ \end{eqnarray}

 とはいえ、この式はa,b(ベクトル)と三角関数がごちゃまぜになっていてわかりにくいですよね。そこで行列を使って、回転をあらわす式とそれ以外(ベクトル)に分けます。

\begin{equation} \begin{pmatrix} a’ \\ b’ \\ \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos θ & -\sin θ \\ \sin θ & \cos θ \\ \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a \\ b \\ \end{pmatrix} \end{equation}

 このsinとcosで構成された行列が回転行列です。回転行列は「ロボットの向きがどのように変わったか?」などを計算するときに役立つ行列です。

 最後に

 今回は『数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数』を参考に、三角関数の基礎を紹介してきました。

 将来、三角関数は学校では習わなくなるかもしれませんが、AIやロボティクスなど幅広い分野で活用されているので、絶対に理解しておきたい内容です。

 気になった方は、ぜひ本書を読んでみてください。

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