webstation plus

skydiving_01

 企業の人員整理がとまらない。今でも多くの企業が社員を「リストラ部屋」に追い込んでいる。「リストラ部屋」とは、リストラ対象者を集め、社内失業状態にし、退職に追い込むことを目的とした部署だ。あのソニーですら「リストラ部屋」があるという。人件費を減らさなければ利益を確保できないというのが、その理由のようだ。

 とはいえ、リストラ部屋に追い込まれた社員はたまったものではない。午前9時に出社し、割り当てられた席についても、何も仕事がない。自らのコネで社内の受け入れ先を探すか、早期退職して転職先をみつけるか、あるいは何をいわれても居座り続けるしかない。

 本来、ここで力を発揮するのが「自らの武器」となる専門知識や経験であるが、他人でも十分代替がきく汎用的な人員、すなわちコモディティであれば、それさえも難しい。

 では、どうすればいいのか。結論からいえば、リストラ部屋に追い込まれる前に力をつけておくしかない。追いやられても「自らの力」で次の仕事を生み出せる専門知識や経験を手に入れておくしかない。

 それには、まず「断る力」が必要だ。現在の私たちの能力は、これまでの時間配分によって決まっているところが大きいからだ。

 たとえば、マルコム・グラドウェルは、「ある分野に1万時間費やせば、その分野にずば抜けて強くなれる」という法則、「1万時間の法則」を提唱している。ビル・ゲイツも、イチローも、ビートルズも、若い頃に1万時間を超えて「得意分野」に励んでいたから結果が出せたというのだ。

 だから、私たちにも「時間」が必要になる。自分の「得意分野」のために使う時間だ。そして、その時間を確保するには、他人のいうことに従ってばかりいてはいけない。たとえば、次のような行動をとっているようなら気をつけたほうがいいだろう。

  • 上司が思いつきで仕事を命じてくるので、本当に大事な仕事が後回しになる。
  • 仕事の能率をアップさせても、まわりの目が気になるので仕事が断れず、だらだらと職場に残らざるを得ない。
  • 食事やお酒、カラオケなどのお付き合いが断れずに困っている。

 たしかに、他人からの誘いやお願いを「断る」にはリスクがつきまとう。相手から嫌われるかもしれないし、断った責任をとる必要に迫られるかもしれない。しかし、だからといって、何も考えずに「他人のいうこと」に従っていては、いつまでたっても自分のための時間を確保することなどできないだろう。

 それだけではない。他人の言うことに従ってばかりいては、自分で考える力を失ってしまう。思考停止になってしまう。さらに、その状態で成果が出てしまえば、「他人からの指示に従うこと」に満足することになるだろう。すなわち、コモディティな人員から抜け出せなくなってしまう。

 だから、自分のアタマで考え、行動する必要があるのだ。もちろん、すべての誘いやお願いを「断る」必要などない。しかし、何も考えずに全てを受け入れてはいけない。断るかどうかを判断してから、回答するようにすべきである。そうして、少しでも自分の得意分野に時間を使えるようにしていけば、きっとコモディティから抜けだせるだろう。

 さて、こんな話がある。商品開発でマーケティングをするときのポイントは、具体的なターゲットを絞り込むことが大前提であるという。すべての人に好かれる商品やサービスなど存在しないからだ。

 これは私たち人間に置き換えても同じことが言える。すなわち、すべての人から好かれることなどないのである。だから、嫉妬されたり、嫌われたりするのが嫌だからといって、断らずにムダな時間を過ごすのはやめよう。むしろ、断っても相手から信頼されるくらいの「気合」と「誠実さ」をもって結果で示していくべきだ。そうすれば、たとえ、リストラ部屋に追い込まれても、すぐに次のチャンスが見つかるはずだ。

 関連記事

リストラされやすい「無難な人」の特徴とその対策法

 自分の頭で考え、自分なりのスタイルで仕事をする姿勢。それが決定的に欠けている人が多い。私を含めた多くの人は、世間の変化に合わせて、社内の空気を読み、自分より「できる人」のマネをしているだけ――。  しかし、世間の変化や …

部下が育たないのは上司の責任!?リーダーに必要な3つの要件

 部下が思うように育たないことを悩んでいませんか。  私はよく悩んでいます。一緒に仕事をしている人が同じような失敗をしたり、無駄な仕事を繰り返しているからです。しかし、その原因が上司である私にあるのだとしたら…。  そこ …

自己否定の毎日にさようなら/ワクワクと成功を生み出す目標設定法

 目標に向かって仕事やプライベートを楽しんでいますか。  私はこの3年間。仕事の目標が達成できずに苦しんできました。リソースが足りない、時間が足りない、知識が足りない…と、ないない尽くしで目標を立てることさえ嫌になってい …

「仕事がつまらない」ときの対処法は3つしかない

 仕事がつまらない。そんな状況に陥ったとき、私たちが取れる対処法は3つしかありません。 転職する 仕事以外の何かにのめりこむ 目の前にある仕事で実績をつくる  まず、一つ目の「転職する」という選択ですが、「仕事がつまらな …

好きなことしかやるな/『38歳までに決めておきたいこと』

 40歳になる前に決めておきたいことがある。それは、残りわずか半分しかない人生。「好きなこと以外はやらないようにしよう」ということだ。  では、「好きなことしかやらない生き方」とは、具体的にどんな生き方なのだろう。単なる …

サラリーマンを極めることが独立・起業の成功につながる

 誰もが一度は夢見る独立・起業。「誰にも束縛されずに自由に生きていきたい」と思うのは自然な欲求だが、フリーランスとして働いても自由になれるとは限らない。むしろ、会社員として働いていたときよりも自由になれないケースさえある …

グーグルの働き方から読み解く「自律していないエンジニアに未来がない理由」

 最近、早期退職やリストラの話題が盛り上がっていますよね。NECや富士通などの大企業が早期退職者を募集しているからでしょうが、40代後半になると会社からお荷物扱いされ、「給料を下げる」か「リストラする」のか望ましいと見な …

なぜ、仕事に行きたくないの?お金のための仕事、楽しむための仕事

(※『仕事。』表紙より)  「バスケがしたいです」  『スラムダンク』に登場する三井寿がグレて仲間に迷惑をかけていた理由を安西先生に告白する言葉です。心からバスケがしたいって思いが伝わってきますよね。  では、この言葉と …

AIに仕事を奪われないようにするために必要なたったひとつの能力

(※『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』表紙より)  人間にしかできない仕事をしていますか?  オックスフォード大学のある研究チームの予測によると、AI化によって10年から20年後に全雇用者の約47%が職を失うそ …

仕事優先の生き方に限界を感じている人へ

 家族を養うには仕事をする必要があります。「家族を大切にするために働いている」という人も多いのではないでしょうか。  しかし、あまりの忙しさに、家族よりも仕事を優先してしまいがちに。家族と一緒に過ごす時間が取れなくなるこ …