2021年に読んだ小説【全59作品】のおすすめランキングをご紹介

エンタメまとめ

読書していますか?

私は読書が大好きで、暇さえあれば小説を読んでいます。

そこで今回は、2021年に読んだ小説をすべて紹介していきます。

ミステリーや恋愛、日常系など異なるジャンルの小説をごちゃ混ぜにして紹介していきますが、

本屋さんや図書館で、思ってもいなかった小説と出会う「あの感覚」を味わってもらえればと思います。

本選びの参考になれば嬉しいです。

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  1. 2021年に読んだ小説をランキング形式でご紹介
    1. 第59位 山本文緒『自転しながら公転する』
    2. 第58位 恩田陸『きのうの世界』
    3. 第57位 宇佐美りん『推し、燃ゆ』
    4. 第56位 木崎みつ子『コンジュジ』
    5. 第55位 海堂尊『螺鈿迷宮』
    6. 第54位 宮木あや子『CAボーイ』
    7. 第53位 オインカン・ブレスウェイト『マイ・シスター、シリアルキラー』
    8. 第52位 加藤シゲアキ『オルタネート』
    9. 第51位 海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』
    10. 第50位 今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』
    11. 第49位 辻堂ゆめ『あなたのいない記憶』
    12. 第48位 中村文則『掏摸』
    13. 第47位 東野圭吾『怪笑小説』
    14. 第46位 芦沢央『悪いものが、来ませんように』
    15. 第45位 東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇跡』
    16. 第44位 東野圭吾『素敵な日本人』
    17. 第43位 藤岡陽子『メイド・イン京都』
    18. 第42位 一色さゆり『飛石を渡れば』
    19. 第41位 青山美智子『木曜日にはココアを』
    20. 第40位 垣谷美雨『老後の資金がありません』
    21. 第39位 芦沢央『バック・ステージ』
    22. 第38位 青山美智子『鎌倉うずまき案内所』
    23. 第37位 西條奈加『心淋し川』
    24. 第36位 伊吹有喜『BAR追分』
    25. 第35位 西崎憲『ヘディングはおもに頭で』
    26. 第34位 崔実『pray human』
    27. 第33位 森見登美彦『四畳半神話体系』
    28. 第32位 山田宗樹『SIGNAL シグナル』
    29. 第31位 ギヨーム・ミュッソ『ブルックリンの少女』
    30. 第30位 櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』
    31. 第29位 寺地はるな『わたしの良い子』
    32. 第28位 小野寺史宜『タクジョ!』
    33. 第27位 青山美智子『猫のお告げは樹の下で』
    34. 第26位 今村夏子『あひる』
    35. 第25位 寺地はるな『水を縫う』
    36. 第24位 池井戸潤『民王』
    37. 第23位 町田その子『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』
    38. 第22位 坂木司『ワーキング・ホリデー』
    39. 第21位 瀧羽麻子『あなたのご希望の条件は』
    40. 第20位 東野圭吾『夢幻花』
    41. 第19位 千早茜『透明な夜の香り』
    42. 第18位 櫻田智也『蝉かえる』
    43. 第17位 伊吹有喜『彼方の友へ』
    44. 第16位 辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』
    45. 第15位 劉慈欣『三体』
    46. 第14位 凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』
    47. 第13位 町田その子『うつくしが丘の不幸の家』
    48. 第12位 相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
    49. 第11位 坂木司『アンと青春』
    50. 第10位 海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』
    51. 第9位 カズオ・イシグロ『クララとお日さま』
    52. 第8位 夏川草介『始まりの木』
    53. 第7位 青山美智子『ただいま神様当番』
    54. 第6位 伊吹有喜『雲を紡ぐ』
    55. 第5位 百田尚樹『野良犬の値段』
    56. 第4位 宇佐美まこと『羊は安らかに草を食み』
    57. 第3位 青山美智子『お探し物は図書室まで』
    58. 第2位 藤岡陽子『きのうのオレンジ』
    59. 第1位 東野圭吾『白鳥とコウモリ』
  2. まとめ

2021年に読んだ小説をランキング形式でご紹介

では早速、2021年に読んだ小説をランキング形式で紹介していきます。それぞれのあらすじと感想はリンク先を参照してください。

第59位 山本文緒『自転しながら公転する』

おすすめ度:2.5

物語の主人公は、アウトレットのお店で働く33歳の与野都(よのみやこ)。

彼女は、台風の日に仕事がうまくいかず、車のエンジンもかからず、最終バスも行ってしまって困って泣いていたときに、

声をかけてきた回転寿司屋の店員・羽島貫一と付き合うようになりました。

都は貫一と出会ってすぐに彼の家に行き、体も心も許す関係になりましたが、彼が中卒で、将来のことを真剣に考えていなかったので不安になります。

それだけでなく、仕事もうまくいかず、家でも問題を抱えていたので、すべてが嫌になっていたところ、ベトナム人のニャンくんが現れたことで…。

幸せのカタチはひとつではないことがわかる物語が楽しめます。
山本文緒『自転しながら公転する』は幸せのカタチはひとつではないことがわかる物語
世間一般で言われている幸せを追い求めていませんか? 私は、自分にあった幸せを追い求めているつもりですが、 山本文緒さんの小説『自転しながら公転する』を読んで、改めて幸せのカタチはひとつではないことがわかりました。 恋愛と結...

第58位 恩田陸『きのうの世界』

おすすめ度:3.0

物語は、「塔と水路」がアピールポイントの田舎町で、ある人物が殺人事件の聞き込みをするところから始まります。

その殺人事件とは、水無月橋という水が流れていない木の橋の上で、市川吾郎という中年男性が亡くなっていたというものでした。

犯人は未だ捕まっておらず、凶器も見つかっていません。第一発見者である田中健三も、事件発生から2週間後に亡くなっていました。

とはいえ、事件の謎はこれだけではありませんでした。

吾郎は東京にある大手電機メーカーで営業をしていましたが、ある晩上司の送別会の席から忽然と姿を消し、その1年後に遠く離れたこの町で、死体となって発見されたのです。なぜなら…。

ラストは失速しますが、次々と気になる謎が提示される物語です。
恩田陸『きのうの世界』は気になる謎が次々と提示される物語
気になる謎が次々と提示される物語はお好きですか? 私はそういった物語が大好きなので、恩田陸さんの小説『きのうの世界』は一気に惹きつけられました。 残念ながらラストに向かうに連れて失速していきましたが、それでも楽しめる物語なんです...

第57位 宇佐美りん『推し、燃ゆ』

おすすめ度:3.0

物語の主人公は女子高生のあかり。彼女は上野真幸というアイドルを推しており、人生のすべてを彼に捧げようとしていました。

授業中も推しのことばかり考え、推しのライブに行ったり、握手会に行くためにアルバイトにも励んでいました。

とはいえ、推しと付き合いたいとは思っていませんでした。

遠くから眺めているような有象無象のファンでありたいと思っていたのです。

ところが、推しがファンの女性を殴ったことで炎上します。それでも、あかりは推しを応援し続けますが…。

推しを通して現実逃避する主人公の苦しみが伝わってくる物語です。
宇佐美りん『推し、燃ゆ』は現実逃避し続ける主人公の苦しみが伝わってくる物語
現実逃避していませんか? 私は現実逃避するのが得意ではないので、すぐに悩みを解決したがりますが、 宇佐美りんさんの小説『推し、燃ゆ』を読んで、現実逃避する主人公の苦しみが伝わってきました。 それだけでなく、推しを応援したく...

第56位 木崎みつ子『コンジュジ』

おすすめ度:3.0

物語の主人公は31歳の正木せれな。せれなの母は、彼女が小学生のときに、「ごめんね」の書き置きもなく、通帳とキャッシュカードをしっかり持って家を出て行きました。

父が長年勤めたホテルを解雇されたので、ケンちゃんという浮気相手と出ていったのだと思われましたが、そのことを知った父は手首を切りました。

死ぬほどの怪我ではありませんでしたが、伯母さんはそんな父に何時間も説教をして追い詰めます。すると、父は再就職先を必死に探し、せれなとの新しい生活をスタートさせました。

ところが、新しい生活を始めて半年も経たないうちに、父は21時を過ぎても帰って来ないことが多くなり、さらに突然、ブラジル人のベラさんを新しいお母さんだと言って連れてきます。

しかし、そのベラさんも家を出ていったので、父が目をつけたのは…。

暴力を振るった加害者ではなく、振るわれた被害者が苦しみ続ける現実がわかる物語です。
木崎みつ子『コンジュジ』は虐待を受けた人が苦しみ続ける理不尽な社会が描かれる物語
この世界は理不尽で溢れていると思いませんか? 私は子供がいるので、子供社会の理不尽さに嫌気がさしていますが、 木崎みつ子さんの小説『コンジュジ』を読んで、改めて日本は虐待を受けた人が苦しみ続ける理不尽な社会だと気づきました。 ...

第55位 海堂尊『螺鈿迷宮』

おすすめ度:3.5

物語の主人公は、落第を繰り返すへなちょこ医学生の天馬大吉。彼は、交通事故で両親を亡くし、その遺産を頼りにして学業に励まず、麻雀三昧の生活をしていました。

そんな天馬に、小学校からの同級生で、時風新報という弱小新聞社で働く別宮葉子から、碧水院桜宮病院に潜入取材をしてほしいという依頼がきます。

厚生労働省からの依頼で、地雷企画だと聞かされた天馬は断りましたが、雀荘で怪しげな男を相手に賭け麻雀をして、百万円の借金をしたので、仕方なく潜入取材をすることにしました。

こうして碧水院桜宮病院に潜入することになった天馬でしたが、そこは死を司る病院だけあって、怪しげな雰囲気が漂っていました。

それだけでなく、結城の義理の息子である立花善二が桜宮病院に入ったきり、消息が途絶えていたんですよね。そこで天馬は立花を探し始めますが…。

終末医療の現状がわかるだけでなく、ミステリーとしても楽しめる小説です。
海堂尊『螺鈿迷宮』は行政に切り捨てられた終末医療の実態がわかる物語
終末医療に興味を持っていますか? 私はまだまだ先のことだと思い、あまり興味を持っていませんでしたが、 海堂尊さんの小説『螺鈿迷宮』を読んで、終末医療の現状を知り、衝撃を受けました。 終末期の生き方を真面目に考えたくなったん...

第54位 宮木あや子『CAボーイ』

おすすめ度:3.5

物語の主人公は、新卒で外資系ホテルに就職した高橋治真(はるま)。

彼は、フロントスタッフとして5年間働いていましたが、ある出来事が原因で諦めた「パイロットになる」という夢を今でも諦めきれずにいました。

そんな治真にチャンスが訪れます。日本の大手航空会社であるNALが中途採用で客室乗務員を募集したのです。

しかも、適性があれば希望部署への異動も可能という採用方法が窺える内容でした。

このチャンスを逃すまいと採用試験を受けることにした治真でしたが、仕事でラスベガスに向かう途中の飛行機内でトラブルに巻き込まれて…。

キャビンアテンダントという職業に興味が持てるだけでなく、ミステリー要素も恋愛要素も楽しめる小説です。
宮木あや子『CAボーイ』は恋愛要素とミステリー要素が楽しめる物語
恋愛要素とミステリー要素が楽しめる物語はお好きですか? 私は少し前まで恋愛小説が苦手でしたが、今では楽しめるようになったので、宮木あや子さんの小説『CAボーイ』は最後まで楽しめました。 それだけでなく、キャビンアテンダントとして...

第53位 オインカン・ブレスウェイト『マイ・シスター、シリアルキラー』

おすすめ度:3.5

物語の主人公は看護師のコレデ。彼女は、またしても妹のアヨオラから「殺しちゃった」という呼び出しの電話がかかってきました。

アヨオラが殺した相手は、付き合って1ヶ月になる彼氏のフェミで、彼が激昂して怒鳴ってきたのでナイフで刺したと言います。

この話を聞いたコレデは、すぐにアヨオラの元に駆けつけ、証拠を隠滅し、死体を橋の上から放り捨てました。

こうしてまたしても彼氏を殺したアヨオラでしたが、その後、彼女の学費を支払ってくれていた男性が食中毒で死にます。

これもアヨオラの仕業かと心配したコレデでしたが、コレデが愛していた男性にもアヨオラが手を出したので…。

互いに依存しながら深みにハマっていく姉妹の姿に衝撃を受ける物語が楽しめます。
オインカン・ブレスウェイト『マイ・シスター、シリアルキラー』は依存しながら深みにハマっていく姉妹に衝撃を受ける物語
何かに依存していませんか? 私はあまり何かに依存せずに生きてきましたが、 オインカン・ブレスウェイトさんの小説『マイ・シスター、シリアルキラー』を読んで、依存の恐ろしさに衝撃を受けました。 互いに依存しながら深みにハマって...

第52位 加藤シゲアキ『オルタネート』

おすすめ度:3.5

物語の主人公は、高校三年生の新見蓉(いるる)。

彼女は調理部の部長で、昨年度はワンポーションという高校生が競う料理コンテストのネット番組で優勝まであと一歩のところまでいきましたが、

審査員からは、「まるでガイドブック通りの旅行みたいだ」という厳しい評価を受けました。

しかも、決勝戦まではペアを組んだ先輩の活躍で勝ち進んできましたが、決勝で体調を崩したので、この評価は蓉に下されたものでした。

そこで、今年こそはと息巻いていた蓉でしたが、新しく入ってきた新入部員はやる気が感じられなかったので…。

オルタネートという架空のSNSが実際に存在していそうに思えるだけでなく、自分がなければ、世の中が便利になるほど他人に振り回されてしまうことがわかる物語です。
加藤シゲアキ『オルタネート』は自分がなければ振り回されてしまうことがわかる物語
自分を持っていますか? 私は他人の影響を受けやすい性格なので、自分を持つように心がけていますが、 加藤シゲアキさんの小説『オルタネート』を読んで、世の中が便利になるほど他人に振り回されやすくなることに気づきました。 それだ...

第51位 海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』

おすすめ度:3.5

物語の主人公は、東城大学医学部附属病院で患者の愚痴を聞き続ける田口公平。彼は、水落冴子という女性歌手が救急で運ばれてきたことで、次々と難題に巻き込まれることになりました。

彼女は今話題の歌姫でしたが、アルコール依存症で、残された時間はそれほどありませんでした。そんな歌姫を運んできたのは、小児科病棟の看護師・浜田小夜と同期の看護師・如月翔子です。

彼女たちは、忘年会終わりの飲みに向かう途中で、冴子のマネージャーからライブに来ないかと誘われ、彼女が血を吐いて倒れる瞬間を目撃したので、救急車を呼んだのです。

こうして冴子は東城大学医学部附属病院の「ドア・トゥ・ヘブン」と呼ばれるVIP室に入院することになりましたが、その直後、小夜が担当していた子供の父親が何者かによって殺害されます。

田口先生は、水落冴子の主治医となり、子供相手に不定愁訴外来を行い、さらには警察庁も加わって犯人探しをするハメになりましたが…。

小児医療の大変さと歌に秘められた力がわかる物語です。
海堂尊『ナイチンゲールの沈黙』は小児医療の大変さがわかるミステリー小説
子育てしていますか? 私には二人の子供がいますが、突然、高熱が出たり、吐いたりすることがあるので、病気になると慌ててしまいがちです。 しかし、海堂尊さんの小説『ナイチンゲールの沈黙』を読んで、もう少しどっしりと構える必要があるか...

第50位 今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、フィアンセである伸樹さんから去年のクリスマスプレゼントに貰った白いセーターを大切にしているゆみ子。

彼女は、クリスマスイブの晩ご飯は外食にしようと思い立ちましたが、ホテルに行ったことがなく、着ていく服も持っていなかったので、いつも通り「お好み焼き屋」に行くことにしました。

ところが、クリスマスイブの三日前に伸樹さんの姉であるともかから、子供たちを預かってくれという電話がかかってきます。そこで仕方なく子供たちを教会に連れていくことにしましたが、

子供のひとりが神父さんが話している途中に突然大声で叫び出します。慌てたゆみ子は、その子の口を押さえましたが、叫ぶのをやめるどころか、何度もゆみ子の胸をパンチしてきました。

さらに、母であるともかに「この人に殺されそうになった」と言うんですよね。その結果…。

思い込みの激しい人たちの恐ろしさと滑稽さが描かれている物語です。
今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』は思い込みの激しい人たちの恐ろしさと滑稽さがわかる物語
思い込みが激しい…なんてことありませんか? 私は思い込みが激しくならないように、普段から賛成意見と反対意見の両方に目を通すようにしていますが、 今村夏子さんの小説『父と私の桜尾通り商店街』を読んで、今後も出来るだけ思い込みに囚わ...

第49位 辻堂ゆめ『あなたのいない記憶』

おすすめ度:4.0

物語は、東京にある東慶大学に入学した新見優希が、岡本淳之介と偶然再会するところから始まります。

彼らは同じ高知県出身で、小学生のときに「アトリエ・ラ・メール」というお絵かき教室で寿美子先生のもとで一緒に絵を描いていました。

ところが、優希には、お絵かき教室が火事で燃えて閉めることになったという記憶がありませんでした。また、寿美子先生の息子であるタケシについても、まったく覚えていませんでした。

一方の淳之介は、尊敬するタケシを追いかけてバレーボールの道を邁進していましたが、彼が追いかけていた小田健志は、寿美子先生の息子であるタケシとは別人であることがわかります。

なぜ彼らはタケシの記憶がなくなったり、ねじ曲がったりしたのか…。

結末はある程度予測できる構成でしたが、記憶のあいまいさに衝撃を受ける物語です。
辻堂ゆめ『あなたのいない記憶』は記憶の曖昧さに衝撃を受ける物語
自分の記憶に自信を持っていますか? 私は記憶力が良い方だと思っているので自信がありましたが、 辻堂ゆめさんの小説『あなたのいない記憶』を読んで、少し自信がなくなりました。 記憶がどれだけ曖昧なものかが描かれていたからです。...

第48位 中村文則『掏摸』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、掏摸で生計を立てる西村。彼は、新幹線に乗ろうとしている裕福そうな初老の男性や、電車に乗っているホストたちの財布を盗んで日々を過ごしていました。

西村は服に興味はありませんでしたが、目立ってはいけないので、三越のブランドショップでマネキンが着ているコーディネートをしていました。

マネキンと違っていたのは靴だけでした。逃げることを考えて、スニーカーを履いていたのです。疑われないように、ある程度裕福な身なりをして、嘘をまとい、周囲に溶け込んでいました。

そんな西村は、以前は石川という男と組んで掏摸をしていましたが、ある男に目をつけられて、東京から離れざるを得なくなっていました。

しかし、久しぶりに東京に戻ってきた西村に、またしてもその男が近寄ってきて…。

掏摸を生きがいにする主人公の緊張感あふれる物語が楽しめます。
中村文則『掏摸』は圧倒的な理不尽と対峙する主人公に胸が締め付けられる物語
圧倒的な理不尽と対峙したことはありますか? 私は数年前に理不尽な上司に振り回されたことがありますが、 中村文則さんの小説『掏摸(スリ)』を読んで、改めて理不尽に立ち向かう難しさがわかりました。 金や権力を振りかざす人たちと...

第47位 東野圭吾『怪笑小説』

おすすめ度:4.0

物語は河原宏が、夜の8時を過ぎた頃に、都心から郊外に向かう電車に乗るところから始まります。

彼の目的地は郊外にある某研究所で、鞄の中には連日徹夜して仕上げたサンプル品が入っていました。だからこそ、彼は疲れ果てていたのですが、運良く席に座ることができました。

そんな河原の姿を見た岡本義雄は、彼に席を取られたことに腹を立て、若い奴は立っとけと心の中で罵っていました。

一方で、和田弘美は、岡本の息が臭くて我慢できず、常識がないのかと心の中で罵り、ブレーキがかかったときにわざとハイヒールで彼の足を踏みつけました。

そんな不満を抱えた人たちが乗り合わせた電車にお婆さんや妊婦さん、図々しいオバサンたちが乗り込んできて…。

皮肉の効いた驚きが味わえる物語が楽しめます。
東野圭吾『怪笑小説』は皮肉の効いた驚きが楽しめる短編集
皮肉の効いた物語はお好きですか? 私はストレートに物事を話す性格なので、あまり皮肉は好きではありませんが、 東野圭吾さんの小説『怪笑小説』の皮肉は驚きもあって楽しめました。 それだけでなく、東野圭吾さんの考えがよくわかる物...

第46位 芦沢央『悪いものが、来ませんように』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、柏木奈津子と庵原紗英。彼女たちは、「紗英」「なっちゃん」と呼び合うほど仲良しでしたが、それぞれ悩みを抱えていました。

奈津子には娘がおり、おっぱいとオムツ替えと抱っことお風呂と寝かせつけの毎日に嫌気がさしていました。

「6ヶ月を過ぎると楽になる」という母の言葉が信じられないほど疲れ切っていました。仕事を見つけ、専業主婦から抜け出したいと願っていたのです。

一方の紗英は、食事の支度、買い物、掃除、洗濯、洗い物、育児をすれば、仕事をしなくてもいい毎日を羨ましく思っていました。

子供が欲しくて仕方がなく、はやく専業主婦になりたいと願っていたのです。それだけでなく、夫の浮気で悩んでいたんですよね。そこで、浮気の悩みを奈津子に相談したところ…。

毒親の恐ろしさが客観的に眺められるだけでなく、驚きと感動が味わえる物語です。
芦沢央『悪いものが、来ませんように』は毒親の恐ろしさが味わえる驚きと感動のミステリー
毒親の恐ろしさをご存知ですか? 私は身近に毒親がいるので、その恐ろしさを知っていますが、 芦沢央さんの小説『悪いものが、来ませんように』を読んで客観的に毒親の恐ろしさを眺めることができました。 それだけでなく、ラストに驚き...

第45位 東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇跡』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、空き巣をして逃走中の翔太と敦也、そして幸平。

彼らは手頃なあばら家に身を潜めることにしましたが、夜中にも関わらず、郵便受けに謎の封筒が放り込まれました。中には、悩み相談が書かれた手紙が入っていました。

このあばら家に40年ほど前に住んでいた浪矢雄治という72歳の雑貨店の店主に相談に乗ってほしいというものでしたが、

彼らは、なぜ今頃その手紙が放り込まれたのか気になりながらも、今はいない店主の代わりに悩み相談にのることにします。

こうして、バカ3人組が好き勝手に書いた手紙を相談者に返したところ…。

良い出会いがあれば、人生は好転することがわかる物語が楽しめます。
東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇跡』は良い出会いがあれば人生は好転していくことがわかる物語
出会いに恵まれていますか? 私はこれまで周りの人たちに何度も助けられてきましたが、 東野圭吾さんの小説『ナミヤ雑貨店の奇跡』を読んで、改めて良い出会いがあれば人生はプラスに変わっていくことがわかりました。 どのような状況で...

第44位 東野圭吾『素敵な日本人』

おすすめ度:4.0

子供たちが独立し、夫婦二人きりになった前島達之と康代夫婦は、お正月の朝に近所の神社に初詣に行きました。

そこで、お賽銭箱の前で倒れている男性を見つけます。はじめは酔っ払いかと思っていた前島夫婦でしたが、倒れていたのは町長でした。

前島夫婦はすぐに警察に通報しましたが、やって来た警察官は「新年会があるのに」「正月なのに」と面倒くさがるばかりです。

神社の宮司もお賽銭が少ないとぼやいてばかりいます。そんな彼らの姿を見ていると、前島夫婦の決意は揺らぎました。

彼らがお正月に立てた決意とは…。

意外性と機知に富んだ短編が楽しめる小説です。
東野圭吾『素敵な日本人』は意外性と機知に富んだ短編が楽しめるミステリー小説
意外性と機知に富んだ物語はお好きですか? 私はそういった物語が大好きなので、東野圭吾さんの小説『素敵な日本人』は一気読みしてしまいました。 「読書は、もっと優雅なものでもあるのです」と帯に書かれていましたが、一気読みしてしまった...

第43位 藤岡陽子『メイド・イン京都』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、32歳の十川美咲。彼女は、これまで暮らしていた東京から離れて、京都にある古川和範の実家で、しばらく暮らすことになりました。

彼の父親が亡くなり、勤めていた銀行を退職して家業を継ぐので、結婚して欲しいとプロポーズされたからです。

こうして美咲は、彼の実家でしばらく暮らすことになったわけですが、彼の実家は想像していた以上に裕福でした。

飲食店を営んでいると聞いてはいましたが、実際は和食レストランを五店舗、それ以外にも土産物屋や老舗旅館など手広く経営していたのです。

それもあって、和範は実家に帰った途端、美咲に偉そうに振る舞うようになり…。

望ましい人生を歩むには、自分の思いを伝えることが大切だとわかる物語が楽しめます。
藤岡陽子『メイド・イン京都』は望ましい人生を歩むには自分の思いを伝えることが大切だとわかる物語
自分の思いを伝える努力をしていますか? 私は出来るだけ自分の思いを伝えるようにしていますが、 藤岡陽子さんの小説『メイド・イン京都』を読んで、改めて望ましい人生を歩むには、自分の思いを伝えることが大切だとわかりました。 そ...

第42位 一色さゆり『飛石を渡れば』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、京都市内の不動産を扱う仲介会社で働く中川星那。彼女は今の会社に勤めて7年が経ちましたが、突然働き方改革を進めようとする会社に戸惑っていました。

今まで一生懸命働いてきたのに、いきなり「残業をゼロにしろ」「休日出勤をするな」と言われて困っていたのです。

それは、プライベートの満たされなさを、仕事の忙しさで埋めていたからですが、そんな思いを尊敬する課長に漠然と伝えたところ、

仕事は生きていくための義務なんだから、人に迷惑がかからない程度に必要な収入を稼げば、あとは好きなことをしていればいいのよと言われるんですよね。

そこで星那は、亡くなった祖母が先生をしていた茶道を習いはじめたところ…。

忙しい毎日に追われても、自分を取り戻せる場所があれば、人生は豊かにできると思える物語が楽しめます。
一色さゆり『飛石を渡れば』は自分を取り戻せる場所があれば人生は豊かにできると思える物語
自分を見失っていませんか? 私は少し忙しくなると、すぐに自分を見失ってしまいがちですが、 一色さゆりさんの小説『飛石を渡れば』を読んで、自分を取り戻せる場所を持ちたくなりました。 忙しい毎日に追われても、自分を取り戻せる場...

第41位 青山美智子『木曜日にはココアを』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、マーブル・カフェに勤めているワタル。彼は毎週木曜日の午後3時頃にやってきて、窓際、隅の席に座ってホットココアを頼む女性に恋をしていました。

英文のエアメールを読んだり、英語のペーパーブックを読んだり、窓の外を眺めたりしている少し年上の女性に惹かれていたのです。

とはいえ、こちらから話しかけるようなことはせずに、自分のできる限りを尽くそうとしていました。彼女は決してワタルを見ようとしなかったからです。

そのため、木曜日には、とびきりおいしいココアを彼女に捧げる。それがすべてでした。

ところが、7月半ばになったある日。マーブル・カフェにやってきた彼女の頬に涙が伝うのを見たワタルは…。

人とのつながりが人生を切り開くきっかけになることがわかる物語です。
青山美智子『木曜日にはココアを』は人とのつながりが人生を切り開くきっかけになることがわかる物語
人とのつながりを大切にしていますか? 私は結婚して子供もいるので、どうしても家族優先になってしまいがちですが、 青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』を読んで、今まで以上に人とのつながりを大切にしたくなりました。 人と...

第40位 垣谷美雨『老後の資金がありません』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、見栄っ張りな夫と二人の子供と暮らす後藤篤子。彼女は娘が結婚することになったので、その費用である600万円の半分を出すという夫に嫌気がさしていました。

そもそも老後の資金は1200万円しかなく、さらに夫の両親に月9万円も仕送りしています。

夫婦共働きなので、今の生活が維持できていましたが、将来を考えると不安で仕方ありませんでした。

そんな篤子にさらなる悲劇が押し寄せます。舅が亡くなったので、葬式代とお寺代あわせて400万円を支払うことになったのです。

それだけでなく、篤子がパートをクビになり、夫の章も会社をクビになったので…。

老後に対する不安は増えていく一方ですが、悩みが共有できて、励まし合える仲間がいれば乗り越えていけるかもと思える物語です。
垣谷美雨『老後の資金がありません』は老後の不安を乗り越える方法を教えてくれる物語
老後に対して不安を抱えていませんか? 私は老後がとても不安でしたが、垣谷美雨さんの小説『老後の資金がありません』を読んで、どれだけ心配しても仕方がないことがわかりました。 むしろ、悩みを共有できて励まし合える人さえいれば、老後の...

第39位 芦沢央『バック・ステージ』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は営業の仕事をしている松尾。彼は居残り組の中でも最後に会社を出ましたが、

仕事用の携帯を忘れたことに気づき戻ったところ、先輩の康子さんが澤口次長の机を四つん這いになって漁っている現場に遭遇しました。

松尾は声をかけられ、一緒に証拠を探せと言われます。その証拠とは、澤口がルーブ企画に水増し請求をしてキャッシュバックをもらっているというものでした。

康子さんは、たまたま休みの日に変装して入った喫茶店に澤口がいて、何か妙にこそこそしているからと近くの席に座って盗み聞きしていたときに、そんな話が出てきたと言います。

松尾は、同期の玉ノ井に無茶を言い続けて泣かせた澤口に仕返しをするために康子さんが証拠を探しているのでは?と推測しましたが…。

魅力ある登場人物が織りなす驚きのある物語が楽しめます。
芦沢央『バック・ステージ』は魅力ある登場人物が織りなす驚きのある物語
驚きのある物語はお好きですか? 私は大好きなのでミステリーをよく読んでいますが、芦沢央さんの小説『バック・ステージ』は驚きが5回も味わえました。 それだけでなく、魅力的な登場人物に惹きつけられる物語でもあったんですよね。 ...

第38位 青山美智子『鎌倉うずまき案内所』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、都内の出版社に勤める早瀬瞬。彼は、平成と令和の二つの時代を退職届と一緒にまたいでしまいました。

主婦向けの雑誌『ミモザ』の編集部に配属されて6年目の彼は、最初は雑誌作りの工程がわかったり、好きな芸能人にちょっとだけ会えたりして面白みを感じていましたが、

寝不足や締め切りや、なかなか通らない企画書提出や、アクの強い上司・折江さんからの圧力に潰され気味な毎日に嫌気がさしていました。

それだけでなく、取材に行っても彼だけが出版社名で呼ばれる一方で、他の人たちは自分の名前で仕事をしていました。

だからこそ、今すぐ出版社を辞めてフリーになろうとしていたのですが、「鎌倉うずまき案内所」に訪れたことで…。

自分が変われば世界は大きく変わることがわかる物語です。
青山美智子『鎌倉うずまき案内所』は自分が変われば世界は大きく変わることがわかる物語
現状に不満を抱いていませんか? 私はときどき不満が爆発しそうになることがありますが、 青山美智子さんの小説『鎌倉うずまき案内所』を読んで、自分が変われば不満は解消できることがわかりました。 自分が変われば世界は大きく変わる...

第37位 西條奈加『心淋し川』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、江戸の片隅にある心町に住む19歳のちほ。彼女は流れない心川を見て自分のようだと思い、今の生活から一刻も早く抜け出したいと願っていました。

父の荻蔵は酒ばかり飲んでおり、母のきんは姉が結婚して家から出ていったことを愚痴ってばかりいたからです。

そのため、ちほは針仕事の仕立て物を納めている志野屋で出会った上絵師の元吉と結婚して家を出ていこうと思っていましたが、

なぜか元吉は今年の6月で晴々と上絵師として一人立ち出来ると言いながら、先のことを話すと歯切れが悪くなりました。

そこで、ちほは思い切って元吉がどう思っているのか尋ねたところ…。

どん詰まりでも懸命に生きる人たちが、希望を見出していく物語に感動します。
西條奈加『心淋し川』はどん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動する物語
どん詰まりでも懸命に生きていますか? 私は諦めが悪い性格なので、どん詰まりでも粘り強く行動して乗り越えてきましたが、 西條奈加さんの小説『心淋し川』を読んで、どん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動しました。 どれだけど...

第36位 伊吹有喜『BAR追分』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、四国に本社を構える電子機器の部品会社に勤める相沢武雄。

彼は、今の会社に勤めて22年、東京に単身赴任をして6年目に突入したので、そろそろ地元に帰りたいと思っていました。

ところが、上司から呼び出されて言い渡されたのは、中国の奥地にある工場勤務の話でした。日本に残ることは難しく、拒否すれば淘汰されると言われます。

この話を聞いてすべてがどうでもよくなった相沢は、お酒を飲み、さらにお酒を飲みたいと思ってたどり着いたお店が、BAR追分でした。

そこでお酒を飲んでいると、宇藤という青年が自分と同じように、二つの選択で悩んでいることを知り…。

つらいことがあっても、美味しいものを食べて、また明日から頑張ろうと思える物語が楽しめます。
伊吹有喜『BAR追分』はつらいことがあったときは美味しいものを食べようと思える物語
つらいことがあったとき、どうしていますか? 私は大好きなB‘zの音楽を聴いてストレスを発散していますが、 伊吹有喜さんの小説『BAR追分』を読んで、美味しいものを食べるのもありかもと思えました。 美味しいものを食べて、また...

第35位 西崎憲『ヘディングはおもに頭で』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、浪人生の松永おん。彼は志望する大学に2回落ちており、3回目を受験すべきか悩んでいました。

とはいえ、大学に行くべき理由は明らかでした。安定した会社に就職して、安定した日常を送るためです。

しかし、彼はそれほど勉強していませんでした。多くの時間を弁当屋のアルバイトとして過ごしていました。

そんな彼が新しくフットサルを始めます。高校時代の友人である智樹から誘われたのがきっかけでしたが、実際にプレーをすると楽しくなってきたからです。

さらに、すごく上手い人のプレーを見て、「おまえも、やってみろよ」と言われた気がしたからです。こうしてフットサルを始めたおんでしたが…。

今の環境がイマイチでも、勇気を出して一歩踏み出せば、少しずつ周りが見えるようになり、恐怖を克服してけることがわかる物語です。
西崎憲『ヘディングはおもに頭で』は恐怖に打ち勝つ方法を教えてくれる青春小説
恐怖でやりたいことに挑戦できない…なんてことはありませんか? 私は昔よりはだいぶマシになりましたが、今でも失敗したらどうしよう…と不安になることがあります。 しかし、西崎憲さんの小説『ヘディングはおもに頭で』を読んで、失敗を恐れ...

第34位 崔実『pray human』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、芥川賞の候補になった作家のわたし。

わたしは、17歳のときに精神科病棟に入院していましたが、同じ病棟に入院していた安城さんから「面会に来い」と連絡がきます。

出版元に連絡をしてコンタクトをとってきたのですが、安城さんはわたしをボコボコに殴って歯を一本腐らせた人物でもありました。

わたしは、今でもその原因になったことを安城さんが恨んでいると思っていましたが、8年ぶりに病室で再会した彼女は、白血病にかかっていると言い、全身が衰弱していました。

そんな安藤さんは、わたしに何か話をしろと言い出します。そこでわたしが語ったのは…。

口には出せない苦しみを抱えている人たちの声に耳を傾けられる人でありたいと思える物語です。
崔実『pray human』は口には出せない苦しみを抱えている人たちの話に耳を傾けようと思える物語
口には出せない苦しみを抱えていませんか? 私も昔は抱えていましたが、今の家族と巡り会えて、口に出せるようになりました。 崔実さんの小説『pray human』は、今でも口に出せない悩みを抱えている人たちの話に耳を傾けようと思える...

第33位 森見登美彦『四畳半神話体系』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、大学三年生になった私。私は大学に入学してからの二年間、何ひとつ有意義なことをしてきませんでした。

なぜなら、小津というひどく縁起の悪そうな顔をした不気味な同級生と出会い、悪ふざけばかりしていたからです。

とはいえ、大学に入学したばかりの頃は、バラ色の未来を夢見ていました。

映画サークル「みそぎ」へ足を踏み入れたのも期待に胸を膨らませていたからですが、和気あいあいとした雰囲気が馴染めず、暗がりに追いやられます。

そこで小津と出会った私は、彼と二人で人の恋の邪魔をしたり、飲み会の最中にロケット花火を放ったりしていたわけですが、たまたま木屋町通りで出会った老婆に占ってもらったところ…。

パラレルワールドが楽しめるだけでなく、学生時代の懐かしい記憶がよみがえってくる物語です。
森見登美彦『四畳半神話体系』は学生時代のバカ騒ぎをしていた記憶がよみがえってくる物語
学生時代は真面目に過ごしていましたか? 私は勉強にも励んでいましたが、多くの友人たちとバカ騒ぎもしていました。 そのため、森見登美彦さんの小説『四畳半神話体系』を読んで、懐かしい気持ちになれたんですよね。 それだけでなく、...

第32位 山田宗樹『SIGNAL シグナル』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は中学2年生の芦川翔。彼は高校2年生の朱鷲丘(ときおか)先輩と語り合いたいことがありました。

それは、「さんかく座」領域にある渦巻銀河M33から奇妙な人工電波が発せられているというもので、人類史上初めて地球外知的生命(ETI)が確認された興奮を共有したいと思っていたのです。

ところが、朱鷲丘先輩はとても変わった人物でした。たとえば、彼と同級生の滝沢先輩からは、彼が本を読んでいる間は話しかけてはいけないと言われます。

そこで自習室が閉まるまで待っていた芦川でしたが、閉まる時間になっても一向に動く気配がないので、思い切って話しかけたところ、無視して帰られてしまうんですよね。

それだけでなく、次の日は声をかけられないようにトイレで自習しはじめました。それでも芦川は、朱鷲丘先輩に声をかけ続けたところ…。

宇宙に、そして地球外知的生命に興味が持てる物語です。
山田宗樹『SIGNAL シグナル』は宇宙と地球外知的生命に興味が持てる物語
宇宙人は存在すると思いますか? 私は存在するのではないかと思っていますが、 山田宗樹さんの小説『SIGNAL シグナル』を読んで幼い頃に想いを馳せていた宇宙と地球外知的生命に再び興味が持てました。 宇宙は私たちが考えている...

第31位 ギヨーム・ミュッソ『ブルックリンの少女』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、人気小説家のラファエル・バルテレミ。

彼はアンナ・ベッケルという小児科医の女性と婚約していましたが、彼女の過去が気になり、問い詰めたことで、思わぬ事態に発展しました。

彼女が「これがわたしがやったこと…」と言って三人の焼死体が写った写真を見せてきたからです。

ラファエルは動揺して、アンナを置いたまま別荘を後にしましたが、落ち着いて話をしようと戻ったところ、すでに彼女の姿はありませんでした。

携帯で電話をしても、全くつながりません。そこで、友人であり、国家警察組織犯罪取締班の元警部であるマルク・カデラックと共に彼女の行方を探したところ…。

次々と気になる謎が提示されるだけでなく、洋画を観ているかのようなスピーディーな展開に惹き込まれる物語です。
ギヨーム・ミュッソ『ブルックリンの少女』は洋画を観ているかのようなスピーディーな展開に惹きつけられる物語
洋画はお好きですか? 私は洋画が大好きなので、よく観ていますが、 ギヨーム・ミュッソさんの小説『ブルックリンの少女』は、まるで洋画を観ているかのようなスピーディーな展開に一気に惹きつけられました。 次々と気になる謎が提示さ...

第30位 櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、昆虫が大好きなエリ沢泉。彼は夜の公園でカブトムシを捕まえるためにテントのような道具を張っていたところ、ボランティアで見回りをしていた吉森に咎められました。

公園を綺麗な状態に保つために先ほどベンチに座ってイチャつくカップルに注意をした吉森が、エリ沢をホームレスと勘違いしたのです。

こうして公園の外に追いやられることになったエリ沢でしたが、その途中で公園のベンチで酒を飲んで寝転がっている男性を見つけます。

その男性は泊(とまり)という私立探偵で、今も公園にはホームレスがいることを示唆しましたが、翌朝、彼は遺体となって発見されました。

彼が所持していたカメラのメモリーカードも抜き取られていたのです。犯人は誰で、何の目的があって泊を殺害したのか…。

少し重たいテーマを扱ったユーモアあふれるミステリーが楽しめます。
櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』は少し重たいテーマを扱ったユーモア溢れるミステリー小説
重たいテーマを扱った物語はお好きですか? 私は、軽快なタッチで描かれた物語も重たいテーマを扱った物語も両方好きですが、 櫻田智也さんの小説『サーチライトと誘蛾灯』は、少し重たいテーマを扱っているのに気軽に楽しめました。 主...

第29位 寺地はるな『わたしの良い子』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、文房具メーカーで経理の仕事をしている小山椿。彼女は妹である鈴菜の息子・朔と二人で暮らしていました。

母が亡くなり、鈴菜が整形手術で得たパッチリと大きな二重の目で椿と父を見つめながら「子供を産む」と宣言したことがはじまりです。

このとき、母を亡くして虚無と孤独を感じていた父は、鈴菜が家に戻ってきたことで「孫のために働かないと」と張り切りましたが、

やがて鈴菜が沖縄料理店で働くようになり、ひとりで孫の面倒を見るようになったので、疲労で倒れてしまいます。

そこで、椿が手伝うようになったわけですが、鈴菜は男と一緒に沖縄で暮らすといって朔を置いて家を出て行きました。こうして椿は朔と二人で暮らすことになったわけですが…。

生き方に正解なんてないことがわかる物語です。
寺地はるな『わたしの良い子』は生き方に正解なんてないことがわかる物語
生き方に正解があると思っていませんか? 私は正解なんてないと思っているので、まわりを気にせずに自分らしく生きているつもりですが、 寺地はるなさんの小説『わたしの良い子』を読んで、改めて生き方に正解なんてないことがわかりました。 ...

第28位 小野寺史宜『タクジョ!』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、大学を卒業してタクシードライバーになった高間夏子。

彼女がタクシードライバーになったのは、運転が好きだったこともありますが、大学二年生のときにストーカーに襲われた女性のニュースを見たことがキッカケでした。

ストーカーに狙われたその女性は、夜遅くなったときに駅からタクシーに乗りましたが、男性ドライバーに自分が住むアパートを知られるのも嫌だったので、手前の大手通りで降りました。

ところが、そこから家に帰る途中でストーカーに襲われたんですよね。このニュースを見た夏子は、女性ドライバーが増えればいいなと思い、だったら私がなろうと考えたのです。

こうしてタクシードライバーになった夏子でしたが、さまざまなアクシデントに巻き込まれて…。

タクシードライバーという職業に興味が持てるだけでなく、恋物語も楽しめる小説です。
小野寺史宜『タクジョ!』はタクシードライバーという職業に興味が持てる物語
タクシードライバーという職業についてどれだけ知っていますか? もちろん、身近な職業なので、ある程度は知っていましたが、 小野寺史宜さんの小説『タクジョ!』を読んで、実はあまり知らなかったことに気づき、興味が持てました。 そ...

第27位 青山美智子『猫のお告げは樹の下で』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、美容学校を卒業してサロンに勤める21歳のミハル。

彼女は同じサロンで働く副店長の佐久間さんのことが好きになり、「飲みに行きませんか?」と誘ったところ、みんなで行こうと返されました。

その飲み会の席で、佐久間さんは年明けに結婚することを発表します。

こうして佐久間さんに振られたミハルは、中学・高校と陸上部だったこともあり、走って忘れようとしますが、どれだけ走っても忘れられません。

それでも忘れたくて遠くまで走ったミハルは、年季の入ったアパートとビルの間にあった神社に立ち寄ったところ…。

多くの悩みは少し視点を変えるだけで解決していくことがわかる物語です。
青山美智子『猫のお告げは樹の下で』は多くの悩みは少し視点を変えるだけで解決していくことがわかる物語
悩みを抱えていませんか? 私はそれなりに悩みを抱えていますが、 青山美智子さんの小説『猫のお告げは樹の下で』を読んで、多くの悩みは少し視点を変えるだけで解決していくことがわかりました。 悩みが解決しないのは、強い思い込みに...

第26位 今村夏子『あひる』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、医療系の資格を取るために終日実家で勉強している私。

私のほかに家には両親がいましたが、弟の将太は10年前に結婚して家を出て行ったので、娘である私と3人で暮らしていました。

そんな私の家に、「のりたま」というあひるがきます。前の飼い主は父が働いていた頃の同僚でしたが、隣の県で暮らす息子一家と同居することになったので、手放すことになったのです。

こうして私の家にのりたまがやって来たわけですが、のりたまが来てすぐに高学年の小学生たちが家に来るようになります。両親は孫ができたみたいだと喜びました。

ところが、しばらくすると、のりたまはストレスで食欲が落ち、どんどん衰弱していきます。そこで、父がのりたまを病院連れて行ったところ…。

現実から目を背ける人たちの滑稽な姿が描かれている物語です。
今村夏子『あひる』は現実から目を背ける人たちの滑稽な姿が描かれている物語
現実から目を背けていませんか? もちろん、誰もが現実から目を背けたくなることもあると思いますが、 今村夏子さんの小説『あひる』を読んで、現実から目を背けると滑稽な人生を歩むことになると気づきました。 現実から目を背けずに、...

第25位 寺地はるな『水を縫う』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、高校に入学したばかりの松岡清澄。彼は縫い物が好きでしたが、そのせいで中学生の時に、「男が好きなん?」と同級生に聞かれて嫌気がさしていました。

そんな質問をしてくる同級生をバカじゃないかと思っていたのです。調理や裁縫のスキルを性的嗜好と結びつけるなんて突拍子がなく、仮にそうだとしても、だからなんだと思っていたからです。

こうして清澄は、いじめられることはありませんでしたが、なんとなく浮くようになりました。家族からも「友達がいない子」として認識されていました。

そんな清澄が高校に入学して、宮多という同級生とラインを交換します。

しかし、宮多を中心とする5人グループは「にゃんこなんとか」という清澄が知らないスマホゲームの話で盛り上がっていたので、一人で刺繍の本を読もうとしたところ…。

自分の好きを抑えて我慢している人に、一歩踏み出す勇気をくれる物語です。
寺地はるな『水を縫う』は自分の好きを大切にしたくなる物語
自分の好きを大切にしていますか? 私も以前は自分の好きよりも他人の目を優先していましたが、 寺地はるなさんの小説『水を縫う』を読んで、改めて自分の好きを大切にするようになって良かったと思えました。 今すぐ勇気を出して自分の...

第24位 池井戸潤『民王』

おすすめ度:4.0

物語の主人公は、内閣総理大臣になったばかりの武藤泰山。彼は総理大臣になってすぐに解散するように言われましたが、解散時期については慎重になっていました。

彼が所属する民政党が、この前の参議院選挙で大敗して、ねじれ国会になっていたからです。

ところが、内閣が発足してすぐに、国土交通大臣に任命した江見が問題発言をします。さらに、その問題発言を野党から追求されていたときに、息子と人格が入れ替わってしまったのです。

泰山の息子・翔は、京成大学に通う大学生でしたが、夜な夜なクラブで遊び歩き、親のツケで高級ワインを呑んで騒ぐようなバカ息子でした。

そのせいで、2回も留年していましたが、反省していませんでした。そんな翔が、父の代わりに国会で答弁することになり…。

日本人が子供化していることがわかるだけでなく、エンタメ小説としても楽しめる物語です。
池井戸潤『民王』は日本人が子供化していることがわかる物語
大人になれていますか? 私は大人になれているつもりでしたが、池井戸潤さんの小説『民王』を読んで、子供化していたかも…と反省しました。 コロナになった今でも要求ばかりする人たちがいるように、多くの日本人が子供化していることがわかる...

第23位 町田その子『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、啓太と二人で大きなみたらし団子を食べにきた幸喜子。

彼女は高校生のときに幼馴染のりゅうちゃんが喧嘩相手を殺しそうになったので、止めに入ったところ、殴られて前歯を二本失いました。

そんな歯で大きなみたらし団子にかぶりついたせいで、差し歯が二本とも取れたので、その姿を啓太に見せて笑いに変えました。

とはいえ、幸喜子は今でもりゅうちゃんのことを想っていましたが、彼は前歯を折ってからは彼女を遠ざけ、しばらく経つと遠く離れた場所で暮らすようになります。

だからこそ、幸喜子は啓太と二人で暮らしていたわけですが、そこにりゅうちゃんが現れて…。

つらい現実とあたたかな恋愛が描かれた物語が楽しめる小説です。
町田その子『夜空に浮かぶチョコレートグラミー』はつらい現実とあたたかな恋愛が楽しめる物語
つらい毎日を過ごしていませんか? 私は最近は安定した毎日を送っていますが、 町田その子さんの小説『チョコレートグラミー』を読んで、どれだけ現実がつらくても、温かな恋愛ができれば乗り越えていけるかもと思えました。 それだけで...

第22位 坂木司『ワーキング・ホリデー』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、ホストクラブで働く沖田大和。

彼はちょっと見てくれがよい元ヤンだったので、ホストとしてはあまり人気がありませんでしたが、そんな彼に「初めまして、お父さん」と言って小学五年生の男の子が押しかけてきます。

大和は全く身に覚えがなかったので驚きましたが、なんとか母親の名前を聞き出したところ、神保由希子というよく知っている名が出てきました。

さらに、息子である進は、母と喧嘩して家出をしてきたと言うんですよね。

そこで大和は「とりあえずうちに住め」と言って進を家に連れて帰りますが…。

はじめて会った息子とコミュニケーションを取ろうと奮闘する主人公の物語が楽しめます。
坂木司『ワーキング・ホリデー』は優しさとは言葉やモノではなく行動で示すものだとわかる物語
家族や友人、知人に優しく接していますか? 私は優しく接しているつもりでしたが、坂木司さんの小説『ワーキング・ホリデー』を読んで、少し反省しました。 優しさとは言葉やモノではなく、ちょっとした行動で示すものだとわかったからです。 ...

第21位 瀧羽麻子『あなたのご希望の条件は』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、ピタキャリアという転職エージェント会社で働く千葉香澄。

彼女は、もともとは会員制の結婚相談所であるピタマリーという系列会社で働いていましたが、ある出来事がキッカケで夫と離婚することになり、今の会社に転職しました。

今回、香澄が担当することになったのは、一ノ瀬慎という今年で8年目を迎えるシステムエンジニアです。

しかし、一ノ瀬に転職の動機を尋ねたところ、去年の秋に会社を辞めた先輩に勧められたからだと言うんですよね。

それ以外に特に明確な理由はありませんでした。それでも転職の話を進めたところ…。

キャリアエージェントという職業について興味がもてるだけでなく、自分の将来について見直したくなる物語です。
瀧羽麻子『あなたのご希望の条件は』は自分のキャリアを見直したくなる物語
自分のキャリアについて真剣に考えていますか? 私は時間があればどうしようかと考えていますが、瀧羽麻子さんの小説『あなたのご希望の条件は』を読んで、改めて考える時間をつくろうと思いました。 それだけでなく、キャリアアドバイザーとい...

第20位 東野圭吾『夢幻花』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、水泳でオリンピック出場を目指していた秋山梨乃。

彼女は、ある出来事がきっかけで泳げなくなり、将来を不安に思っていましたが、そんな彼女に母から「従兄の尚人が飛び降り自殺をした」と連絡がきます。

遺書は見つかっておらず、思い当たる原因もありませんでした。こうして、謎の死を遂げた尚人のお葬式に参加することになった梨乃は、

久しぶりに会った祖父の周治から「家に遊びにおいで」と言われたので、遊びに行くようになったところ、今度は周治が何者かによって殺害されます。

梨乃は周治が殺される直前に、謎の黄色い花だけはブログに載せないで欲しいと言ったことを思い出し…。

負の遺産を引き受けるかっこいい人たちの姿に感動するミステリー小説です。
東野圭吾『夢幻花』は負の遺産を引き受けるかっこいい人たちの姿に感動するミステリー小説
負の遺産を引き受ける覚悟はありますか? 私は新しい物好きの目立ちたがりな性格のため、負の遺産を引き受けるようなことはしてきませんでしたが、 東野圭吾さんの小説『夢幻花』を読んで、負の遺産を引き受けるかっこいい人たちのおかげで社会...

第19位 千早茜『透明な夜の香り』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、ある出来事がきっかけでアパートの自室で引きこもりになった若宮一香。

彼女は駅前の本屋さんで働いていましたが、辞めてからしばらく経っていたので、新たな仕事を探していました。そんなとき、スーパーの掲示板で求人広告を見つけます。

そこには、詳しい内容は書かれていませんでしたが、それでもその番号に電話をしたところ、調香師である小川朔(さく)の家政婦として働くことになりました。

朔は、一香と出会った瞬間に、彼女がカバンにクリムゾンスカイという薔薇を入れていたことを言い当てるなど、匂いを嗅ぎ分ける天才的な能力を持っていました。

それだけでなく、嘘を見抜くことができたんですよね。そんな朔と、彼に仕事を運んでくる興信所の新城と行動を共にするようになった一香でしたが、実は彼女にもある秘密があり…。

匂いに秘められた可能性に驚かされる物語です。
千早茜『透明な夜の香り』は匂いに秘められた可能性に驚かされる恋愛小説
匂いにどれだけ興味を持ってますか? 私は去年に匂いセンシングの開発をしていたので、そこそこ興味を持っていましたが、 千早茜さんの小説『透明な夜の香り』を読んで、匂いに秘められた可能性に改めて驚かされました。 匂いは私たちの...

第18位 櫻田智也『蝉かえる』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、前作『サーチライトと誘蛾灯』で見事な推理を披露した昆虫が大好きなエリ沢泉。

今回、彼は山形盆地にある西溜村の御隠の森を訪れていました。昆虫食の研究をしている上高地大学の鶴宮先生と一緒に、セミを食べに来たのです。

そんな彼らに、糸瓜京介という、もうすぐ40歳になる男性が話しかけてきます。

糸瓜は、16年前の震災があったときに、ボランティアでこの森に来ていたと言いました。しかもそのとき、行方不明になっていた少女の幽霊を見たというんですよね。

この話を聞いたエリ沢は…。

前作同様に、身近に潜む少し重たい問題をテーマに描いたミステリーが楽しめます。
櫻田智也『蝉かえる』は身近に潜む問題をテーマに描いたミステリー小説
身近に潜む問題をテーマに描いた物語はお好きですか? 私は気づきが得られる物語が大好きなので、身近に潜む問題をテーマに描いた物語も好きですが、 櫻田智也さんの小説『蝉かえる』は、これまであまり興味をもたなかった身近な問題が描かれて...

第17位 伊吹有喜『彼方の友へ』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、90歳を過ぎて老人施設で暮らしている佐倉波津子。

彼女は興味本位で訪ねてくる人が多かったので面会を断っていましたが、「フローラ・ゲーム」と呼ばれる懐かしい雑誌の付録を持ってきてくれた人がいたので、昔を思い出しました。

彼女は16歳のときに、私塾「椎名音楽学院」に内弟子として家事・手伝いをしながら通っていましたが、戦争が始まったのでマダムが「椎名音楽学院」を閉めると言い出します。

そこで次の働き口を探していた波津子でしたが、パトロンのようなものしか見つからず、叔父である辰也に頼ったところ、憧れの雑誌『乙女の友』編集部で雑用係として働けることになりました。

しかし、編集長の有賀は、女性ではなく男性を求めていたので…。

どのような境遇にもめげずに前を向いて奮闘する主人公に励まされる物語です。
伊吹有喜『彼方の友へ』はどのような境遇にもめげずに奮闘する主人公の姿に感動する物語
上手くいかない理由を境遇のせいにしていませんか? 私は境遇のせいにしがちですが、伊吹有喜さんの小説『彼方の友へ』を読んで、どのような境遇にもめげずに奮闘する主人公の姿に感動しました。 それだけでなく、戦時下での美しい恋物語が楽し...

第16位 辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、妻と高校生の娘、そして母と一緒に暮らす佐藤泰介。

彼は、仕事もうまくいかず、妻とも娘ともうまくいかず、認知症になった母に八つ当たりをしていました。

泰介は母の万津子が意味がわからないことを喋ると言っては怒鳴り、夜自分の部屋に戻りたがらないときは引きずり、自分で食事をとろうとしなければ無理やりスプーンで食べさせていました。

ところが、そんな母が「私は東洋の魔女。泰介には秘密」と言い出します。テレビでオリンピックのCMを観て、1964年に開催された東京オリンピックと勘違いしたのだと思われましたが、

そもそも泰介は自分が幼い頃のことを母が語らなかったこと、また幼い頃のアルバムがないことに気づきました。その理由は…。

オリンピックに励まされてつらい現実から立ち上がる人たちの物語に感動します。
辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』はオリンピックに励まされてつらい現実から立ち上がる人たちを描いた物語
オリンピックについて、どう思いますか? 私は、コロナ禍が落ち着いてから出来れば日本で開催してほしいと思っていますが、 辻堂ゆめさんの小説『十の輪をくぐる』を読んで、オリンピックに励まされてつらい現実から立ち上がった人たちがいたこ...

第15位 劉慈欣『三体』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、ナノマテリアルの応用研究をしている汪森(おうびょう)。

彼は、軍人と警察官の4人組が突然家にやってきて、「午後の会議に出席しろ」と言われたので戸惑いましたが、すでに上司の許可を取られていたので、会議に出席することになります。

その会議では、優秀な物理学者が立て続けに自殺していたことがわかりました。しかも、彼が密かに想いを寄せていた楊冬(ようとう)も、謎の遺書を残して亡くなっていました。

そこで汪森は、彼女が自殺した謎を解くために、科学フロンティアのメンバーである申玉菲(しんぎょくひ)に接触したところ、今すぐ研究をやめろと脅されます。

それだけでなく、謎のカウントダウンが写真や網膜に映るようになりました。さらに、申玉菲がプレイしていたVRゲーム「三体」にログインしたところ…。

人類は今後も生きる価値があるのか?と問いかけてくるSF物語が楽しめます。
劉慈欣『三体』は人類は今後も生きる価値があるのか?と問いかけてくるSF小説
人類は今後も生きる価値があると思いますか? 私はもちろん生きる価値があると思っていますが、劉慈欣さんの小説『三体』を読んで、生きる価値がないと考えている人たちの思考が少しわかりました。 それだけでなく、最先端の科学技術を駆使した...

第14位 凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、高校生の江那友樹。

彼は、同級生の井上にいじめられていました。ぽっちゃり体型で、勉強と運動は中の下と、致命的ではありませんでしたが、「江那友樹」になった途端にいじめの対象になりました。

掃除を押し付けられたり、パシリにされたり、カラオケで無理やり踊らされたりと、毎日嫌な思いをしていました。

だからこそ、友樹は地球なんて滅びればいいのにと思っていたのですが、突如、1ヶ月後に小惑星が地球に衝突して滅亡することがわかります。

そんなとき、小学生の頃から恋心を抱いていた藤森さんが東京に行くと言い出しました。この話を聞きつけた友樹は、彼女を守るために一緒に着いて行こうとしますが、そこに井上が現れて…。

当たり前の日常に感謝したくなるだけでなく、自分と向き合って生きていこうと思える物語です。
凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』は当たり前の日常に感謝したくなる物語
当たり前の日常に感謝していますか? 私はどうしてもおざなりにしてしまいがちですが、凪良ゆうさんの小説『滅びの前のシャングリラ』を読んで、当たり前の日常に感謝したくなりました。 それだけでなく、自分と向き合って生きていこうと思える...

第13位 町田その子『うつくしが丘の不幸の家』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、理美容室を2日後にオープンする予定の美保理。

彼女はこれでようやく幸せが手に入ると思っていましたが、夫の譲は店の準備を放り出して実家の理容室を手伝いに行きました。

そもそも、譲は理容学校を卒業してからの10年間、一人前になったら店を譲るという父の言葉を信じて安い給料でも働いてきたのに、父は突然、弟の衛に店を譲ると言い出します。

また、美保理も義理の両親から何度も嫁は美容師が良いと聞かされたので、それまで働いていたねじ工場を辞めて、美容師になりました。

それなのに、この仕打ちはなんだと憤慨した彼女は、庭に生えていた枇杷の木が縁起が悪いと言われたことを思い出し…。

幸せの形はひとつではなく、また自分で作りあげるものだとわかる物語が楽しめます。
町田その子『うつくしが丘の不幸の家』は幸せは自分で作り上げるものだとわかる物語
幸せは人に与えてもらうものだと思っていませんか? 私も昔はそう思っていましたが、 町田その子さんの小説『うつくしが丘の不幸の家』を読んで、幸せは自分で作り上げるものだと気づきました。 それだけでなく、幸せの形はひとつではな...

第12位 相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、推理作家の香月史郎。彼はこれまで幾つかの難事件を解決してきましたが、それは霊能者である城塚翡翠(じょうづかひすい)という若い女性と行動を共にしてきたからでした。

翡翠は霊能力を使って犯人を特定できましたが、霊能力には証拠能力がないため、犯人を捕まえることがでませんでした。そこで、香月が理論を組み立てて犯人を追い詰めることにしたのです。

こうして彼らはコンビを組んで難事件に挑むようになったわけですが、彼らの出会いは望ましいものではありませんでした。

香月の大学の後輩である倉持結花が、占い師から「女の人があなたを見て泣いている」と言われ、紹介された翡翠に会いに一緒に来て欲しいと頼まれたことがきっかけでした。

しかし、翡翠と出会って一週間後。結花は何者かによって自宅で殺害されます。そこで翡翠は霊能力を使って結花の魂を呼び出したところ…。

霊能力に興味が持てるだけでなく、最後にどんでん返しが楽しめるミステリー小説です。
相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は霊能力を扱ったどんでん返しが楽しめるミステリー小説
霊能力は本当にあると思いますか? 私はまったく信じていませんでしたが、相沢沙呼さんの小説『medium 霊媒探偵城塚翡翠』を読んで、本当にあるのかもと興味を持ちました。 それだけでなく、ラストのどんでん返しで、清々しい気持ちにな...

第11位 坂木司『アンと青春』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、梅本杏子。彼女は、前作『和菓子のアン』でみつ屋というデパ地下にある和菓子屋でアルバイトを始めましたが、本作でもデパートを舞台に繰り広げられる謎に迫ります。

今回、杏子が気になった謎は、新春・和菓子フェアで見かけたクレームをつける男性の言葉でした。

その男性は、金沢和菓子・柿一という和菓子屋で接客をしていた男性店員にさんざん嫌気を言った挙句、

「いつまでこんな飴細工の鳥を置いておくつもりなんだか」

と言い残して去りました。この言葉には、一体どんな意味が込められているのか…。

杏子の葛藤と立花さんの片思いに心揺さぶられる物語です。
坂木司『アンと青春』は主人公の葛藤する姿に共感できる物語
将来どうなりたいか考えていますか? 私はこれから自分がどうなっていきたいのだろう…と悩むことがあるので、 坂木司さんの小説『アンと青春』を読んで、主人公・杏子の葛藤する姿に共感できました。 それだけでなく、杏子と立花さんの...

第10位 海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、患者の愚痴を聞き続ける仕事をする田口公平。彼は、伝説の歌姫である水落冴子の担当医になり、慌てふためいていましたが、それよりも気になることがありました。

『救命救急センター速水部長は、医療代理店メディカル・アソシエイツと癒着している。
VM社の心臓カテーテルの使用頻度を調べてみろ。ICUの花房師長は共犯だ』

という匿名の内部告発文書が田口先生の院内ポストに投げ込まれていたからです。

田口先生は早速、高階病院長に相談したところ、「エシックス・コミュニティにお願いしましょう」と言われます。

しかし、エシックスは、バチスタスキャンダルのときに表舞台から姿を消した曳地助教授が立ち上げた組織で、対田口リベンジ・チームとして立ち上がった組織だったのです。

それでも田口先生は、エシックスの沼田委員長に会いに行きますが…。

救急医療を維持していく難しさと、安全地帯から他人を批判する人たちの情けなさがわかる物語です。
海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』は安全地帯から他人を批判する愚かさがわかる物語
ネットやSNSなどで他人を批判していませんか? 私は批判するようなことは書き込まないようにしていますが、 海堂尊さんの小説『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読んで、これからも批判するのはやめようと思いました。 安全地帯からど...

第9位 カズオ・イシグロ『クララとお日さま』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、人工知能を搭載したロボットのクララ。彼女は、少年少女たちの友達になる目的で開発された人工親友(AF)で、他の男子AFや女子AFと共に、お店に並んでいました。

クララたちは第3世代のB2型で、お日さまから数時間遠ざかると、なんとなく体がだるく感じ、自分はどこか悪いのではないかと心配になります。

だからこそ、どのAFもお客様に選ばれたいという理由と共に、お日さまに当たりたいと思ってショーウィンドウに並べられたいと思っていましたが、

クララは他のAFとは違い、観察と学習意欲に溢れていたので、外の世界を見るためにショーウィンドウに並べられたいと願っていました。

そんなクララが実際にショーウィンドウに並べられたところ、病弱な少女・ジョジ―が彼女に興味を持って…。

人間の少女とAIロボットのやり取りを通して、人間らしさとは何か?と問いかけられる物語が楽しめます。
カズオ・イシグロ『クララとお日さま』は人間らしさとは何か?と問いかけられる物語
人間らさしとは何だと思いますか? 私は、目的をもって行動することだと考えていましたが、 カズオ・イシグロさんの小説『クララとお日さま』を読んで、他人を思いやる心ではないか?と思うようになりました。 人間の少女に尽くし続ける...

第8位 夏川草介『始まりの木』

おすすめ度:4.5

物語の主人公は、東京都心にある国立東々大学で民俗学を専攻する藤崎千佳。

彼女が大学院に進学したのは、高校生の頃に柳田國男の『遠野物語』を読んで、なにか忘れていた記憶が呼び覚まされるような不思議な感覚になって感動したのと、

偏屈な民俗学者である古屋神寺郎と旅をするのを気に入っていたからでした。

今回、彼らがやってきたのは、青森県弘前市にある嶽温泉。

古屋はこれまで旅をするときは、「藤崎、旅の準備をしたまえ」と命令してきましたが、今回は「ついて来るかね?」と尋ねてきました。その理由は…。

目に見えるものだけがすべてだと世界を単純に捉えてしまうと、その社会は亡びることがわかる物語です。
夏川草介『始まりの木』は目に見えるものがすべてと単純化した社会は亡びることがわかる物語
目に見えるものがすべてだと思っていませんか? 私は、目に見えない世界、想像が及ばない世界もあると考えていますが、 夏川草介さんの小説『始まりの木』を読んで、改めて目に見えない世界に思いを馳せる想像力が必要だと痛感しました。 ...

第7位 青山美智子『ただいま神様当番』

おすすめ度:5.0

物語の主人公は、OLの水原咲良(さくら)。彼女は短大時代の同級生から合コンに誘われましたが、頭数合わせだったことを知ってショックを受けました。

そんな咲良は会社でも部長と上手くいっておらず、退屈な毎日を過ごしていました。だからこそ、「私が楽しめる順番はいつ回ってくるのだろう」と悩んでいたのですが…。

ある日の朝。いつものようにバス停に行くと、大好きなアイドルグループの初回限定版のCDが落とし物として置かれているのを見つけます。

咲良はそのCDを家に持って帰って堪能しましたが、次の日に目を覚ますと、「神様当番」という大きな文字が手首から肘にかけて書かれていました。

さらに、神様と名乗るお爺さんが部屋にいて、「わしのこと、楽しませて」と言い出します。こうして咲良はCDを貰った代わりに神様を楽しませることになりましたが…。

自分が本当にやりたいことに挑戦していこうと思えるだけでなく、心が洗われる、感動できる物語です。
青山美智子『ただいま神様当番』は本当にやりたいことに挑戦していこうと思える物語
自分が本当にやりたいことに挑戦していますか? 私は最近、これまでやりたいと思っていた新しいことに挑戦しはじめましたが、 青山美智子さんの小説『ただいま神様当番』を読んで、もっと大胆に、勇気を持って挑戦していこうと思いました。 ...

第6位 伊吹有喜『雲を紡ぐ』

おすすめ度:5.0

物語の主人公は、高校に行けなくなって1ヶ月が経った山崎美緒。

彼女は、所属していた合唱部の打ち合わせに参加するために同じクラスの部員の家に行きましたが、足が超クサいんだよとからかわれて、脂足を指すアビーというあだ名をつけられました。

その日から、朝が来ても起きられなくなり、無理に起きると目眩がするようになります。それでも通学しようとすると、電車の中で腹痛が起きるので電車が怖くなりました。

こうして学校に行けなくなった美緒でしたが、母からは学校に行けと言われます。さらに、母方の祖母からは、強くなろう、学校に行こう、お母さんの力になってあげてね、と要求されました。

そこで美緒は、一人で新幹線に乗って、岩手にある父方の祖父の家に向かったところ…。

家族の再生物語としても、自分の好きを大切にしたくなる物語としても楽しめる、感動できる小説です。
伊吹有喜『雲を紡ぐ』は家族とは自分の好きを大切にできる場所だとわかる物語
自分の好きなことを大切にできていますか? 私は大切にできる環境で暮らしていますが、伊吹有喜さんの小説『雲を紡ぐ』を読んで、家族とは自分の好きを大切にできる場所だと改めて実感できました。 家族の再生物語としても、自分の好きを大切に...

第5位 百田尚樹『野良犬の値段』

おすすめ度:5.0

28歳の佐野光一は24時間営業の定食屋で店員として働いていましたが、いつか起業して大金と名声を手に入れることを夢見ていました。

そんな彼にチャンスが訪れます。ツイッターで「投資」というタグで検索していたところ、

「私たちはある人物を誘拐しました。近日、この人物を使って、実験を行います。これは冗談やいたずらではありません。」

と書かれたサイトにたどり着いたのです。佐野はこのサイトを紹介すればリツイートされると思って「誘拐犯発見!」と書き込んだところ、想像以上にリツイートが増え始めます。

それだけでなく、佐野がつぶやいたとおりに犯人たちが行動したので、彼のアカウントは一気に有名になりました。ところが、6人いた人質のひとりが殺されます。それだけでなく…。

最後に驚きと感動が味わえるミステリーとしても、弱者を切り捨てる社会は本当に生きやすいのか?と警鐘を鳴らしている物語としても楽しめる小説です。
百田尚樹『野良犬の値段』は命の値段を地位や名誉で決める社会は生きやすいのか?と考えさせられる物語
命の値段を何で決めていますか? もちろん、人の命に値段なんてつけられないとは思いますが、 百田尚樹さんの小説『野良犬の値段』を読んで、無意識のうちに地位や名誉で人の命に値段をつけていたことに気づかされました。 それだけでな...

第4位 宇佐美まこと『羊は安らかに草を食み』

おすすめ度:5.0

物語の主人公は、80歳になった持田アイ。

彼女は、20数年前に俳句教室で出会った86歳の都築益恵と77歳の須田富士子と仲良く過ごしていましたが、

3年ほど前から益恵の認知症の症状が少しずつ進んでいったので、彼女の夫・三千男から益恵を旅に連れて行って欲しいとお願いされました。

益恵には何かつっかえがあり、不安や恐怖の感情に囚われることが多くなったので、どうにかして解放したいと言うのです。

そこで、アイと富士子は、益恵がかつて暮らしていた滋賀県大津市、愛媛県松山市、長崎県國先島に彼女を連れて行き、仲の良かった人たちと再会させることでつっかえを取ろうとしますが…。

最後に驚きと感動が味わえる物語としても、優しさだけで生き延びられるほど人生は甘くないことがわかる物語としても楽しめる小説です。
宇佐美まこと『羊は安らかに草を食み』は優しさだけで生き延びられるほど人生は甘くないことがわかる物語
人に優しくしていますか? 私はできるだけ優しく接しているつもりですが、 宇佐美まことさんの小説『羊は安らかに草を食み』を読んで、優しさだけで生き延びられるほど人生は甘くないことがわかりました。 それだけでなく、最後に衝撃を...

第3位 青山美智子『お探し物は図書室まで』

おすすめ度:5.0

物語の主人公は、21歳の藤木朋香。

彼女はエデンという名の総合スーパーで接客とレジ打ちの仕事をしていましたが、

パートのおばちゃんたちに役に立たない社員だと思われているようで、怖くて話しかけられず、孤立していました。

そもそも朋香がエデンに就職したのは、田舎に帰るのが嫌だったからで、本当に正しい選択だったのか不安になります。

そんなとき、眼鏡売り場で働く四つ上の桐山くんから、転職するならExcelくらい使えた方がいいよと言われたので、コミュニティハウスで開催されているパソコン教室に申し込んだところ…。

悩みを抱えている人に一歩踏み出す勇気を与えてくれる小説です。
青山美智子『お探し物は図書室まで』は悩みを抱えている人に一歩踏み出す勇気を与えてくれる物語
悩みを抱えていませんか? 私はそこそこ悩みを抱えていますが、 青山美智子さんの小説『お探し物は図書室まで』を読んで、現状から一歩踏み出したくなりました。 悩みを抱えた主人公たちが、勇気を出して一歩踏み出す姿に励まされたんで...

第2位 藤岡陽子『きのうのオレンジ』

おすすめ度:5.0

物語の主人公は、33歳の笹本遼賀。

彼は、イタリアンレストラン「トラモント」の店長として忙しい毎日を過ごしていましたが、

半年前から胃の調子が悪く、ひと月ほど前からは薬を飲んでも胃の痛みが治らなくなりました。

そこで、同じ店で働くアルバイトの高那からの勧めもあって、病院で検査したところ、胃がんだと宣告されます。

彼はなぜ自分が胃がんになったのかと悩み苦しみましたが、15歳のときに弟の恭平と一緒に那岐山で遭難したときのことを思い出し…。

目立たない優しさを貫く主人公と、その優しさを感じ取れる人たちの姿に感動する物語です。
藤岡陽子『きのうのオレンジ』は目立たない優しさを貫く主人公と、その優しさを感じ取れる人たちの姿に感動する物語
人目につかないところでも、一貫した行動をとっていますか? 私は以前は人前でだけ褒められるような行動をとっていたことがありましたが、 藤岡陽子さんの小説『きのうのオレンジ』を読んで、些細な行動でも見ている人が必ずいることがわかりま...

第1位 東野圭吾『白鳥とコウモリ』

おすすめ度:5.0

物語は、白石弁護士が車の後部座席でナイフで刺され、遺体となって発見されるところから始まります。

この事件を捜査することになった警視庁捜査一課の五代は、所轄の刑事巡査長である中町と一緒に関係者に事情聴取をしましたが、

誰もが白石弁護士は殺されるほどの恨みを買う人物ではなかったと断言しました。

そこで、五代たちは白石弁護士の足取りを追ったところ、門前仲町にあるコーヒーショップで、犯人と思われる人物と待ち合わせをしていた可能性があることに気づきます。

さらにその後、白石弁護士の通話履歴に残っていた愛知県安城市に住む66歳の倉木達郎に会いに行ったことで、犯人を特定する手がかりを掴みますが…。

犯した罪と与えられる罰との間には大きな隔たりがあることがわかる、読み始めるとページをめくる手が止まらなくなるミステリーが楽しめます。
東野圭吾『白鳥とコウモリ』は犯した罪と与えられる罰には大きな隔たりがあることがわかる物語
今の日本では、犯した罪と与えられる罰に納得感があると思いますか? 私はこれまでこのブログでも書いてきたように、少年法に反対していますが、 東野圭吾さんの小説『白鳥とコウモリ』を読んで、改めて犯した罪と与えられる罰との間には大きな...
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まとめ

今回は、2021年に読んだ小説をジャンルごちゃ混ぜにしてランキング形式で紹介してきました。

どれも魅力的な本ばかりなので、未読のものがあれば、この機会にぜひ読んでみてください。

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