子供を「聞き分けのいい子」に育てようとしていませんか?
親や学校の先生の言うことを聞いて、素直で、優しい…。
そんな子どもに育てようと必死になっていませんか?
私は、子供たちには自由に育って欲しいと思っているので、無理強いをしてまで「聞き分けのいい子」に育てようとは考えていませんが、
親によっては無理やりにでも「聞き分けのいい子」に育てようとしている人がいます。
もちろん、子供が誰かを傷つけたり、悪意ある行動をとれば、叱る必要はありますが、
そうでなければ子供の自由を奪ってまで「聞き分けのいい子」に育てる必要はないと思うんですよね。
子どもはみんな問題児!?
私たちが子供だった頃を思い返してみると、さまざまな問題を抱えて生きていましたよね。
嘘つきだったり、ひがみっぽかったり、わがままだったりして、親やまわりの人たちに迷惑をかけてきたと思います。
しかし、そんな私たちも大人になるにつれて、人との付き合い方を学びました。
自分のことばかり考えていると人から嫌われることを、
一方で他人のことばかり優先していると自分のやりたいことができなくなることを学び、
バランスを取りながら生きられるようになったと思います。
もちろん、大人になってもバランスが取れない人もいますが、それは子供の頃の経験が不足しているからです。
それにも関わらず、親が子供に「聞き分けのいい子」になることを求めると、バランスのとり方を覚えることができず、
他人のことばかり優先したり、反対に開き直って自分のことばかり考えるようになります。
つまり、聞き分けのいい子に育てようとした結果、逆に歪んでしまうわけです。
これでは、何のために「聞き分けのいい子」に育てようとしたのかわかりませんよね。
そこで私たち親は、子供の問題を受け止め、ある程度の問題を許容する必要に迫られるわけですが…。
子どもの問題を受け止めるとは?
たとえば、民俗学者の柳田国男さんは、「子どもの嘘は創意の所産」だと言われています。
もちろん、誰かを傷つけるような嘘はダメですが、誰かを楽しませるための嘘は豊かな発想を伸ばすために必要です。
喧嘩をするのもそうです。
一方的に暴力を振るうのは論外ですが、それぞれが自分の言い分を相手にぶつける行為自体は、自分と他人は違う考えを持っていることを認識するために必要なプロセスです。
相手を深く理解するキッカケにもなります。
実は、こうした問題と思える行動を親がどう受け止めるかによって、子供の将来が大きく変わるんですよね。
子供が自分らしく生きられるかどうかにもつながります。
さて、子育てには、「抱いて」「降ろして」「ほっといて」の3つのステージがあると言われています。
「抱いて」は幼児期で、保育園や幼稚園を卒業するまで。成長すると「降ろして」「ほっといて」と言うようになります。
このとき、子供の反抗を受け入れずに、「聞き分けのいい子に育てたい!」という親の意見を押し通すと…。
子供の問題を受け止めることが子育ての第一歩
子供はいつまで経っても自分らしく生きることができません。
酷いケースになると、心が歪んでしまい、誰かを傷つけずにはいられなくなることさえあります。

だからこそ、私たち親は、子どもの問題を受け止める必要があるのです。
親の言うことを聞く「聞き分けのいい子」ではなく、「問題児」に育てるくらいの度量が必要なんですよね。
もちろん、誰かを傷つけたり、悪意ある行動をとったときは叱る必要がありますが、
そうではない問題は許せるくらいの余裕をもって子供と向き合ってみてはどうでしょうか。
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