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 子どもへの最高の褒め言葉とは何でしょうか。

 私は「よい子」や「賢い子」、「聞き分けのいい子」だと思っていたのですが――名作童話『ぐりとぐら』の作者である中川李枝子さんは、そうではないといいます。「子どもらしい子ども」、すなわち「問題児」こそが最高の褒め言葉だというのです。

 では、なぜ「問題児」が最高の褒め言葉なのでしょうか。

 「問題児」は個性を思う存分発揮している

 「よい子」や「賢い子」、「聞き分けのいい子」というのは、親の言うことに従う代わりに、自分の個性を思う存分発揮していない可能性があります。

 私たちが子どもだった頃を振り返ってみてもわかるでしょう。ひがみっぽかったり、わがままだったり、嫌な子だったり…と、とにかく誰もが何らかの問題を抱えていました。なぜなら、子どもの頃は「常識」を知らなかったからです。常識を知らないからこそ、個性を思う存分発揮できていたのです。

 つまり、「よい子」や「賢い子」、「聞き分けのいい子」というのは、自分の個性を犠牲にして、親の要求(=常識)に従っている可能性が高い。では、私たちは、本当におりこうさんで、言うことがわかって、「はい」「はい」と答える大人に育ってほしいと願っているのでしょうか。

 もし、そうではないのだとしたら――子どもは「問題児」くらいがちょうどいいのかもしれません。

 とはいえ、「常識を教えなければ、いつまでたっても問題児から卒業できないのでは?」と心配する人もいるでしょう。そんな人は、子どもがどうやって「ルール(常識)」を覚えていくのかを知りましょう。そうすれば、安心できるのではないでしょうか。

 子どもは「遊び」を通してルールを覚えていく

 くりかえしになりますが、子どもが問題児なのは、ルール(=常識)を知らないからです。だから、子どもが3~4人も集まればケンカが始まります。誰もが「自分が主役」「主人公」になりたがるからです。

 しかし、当然のことながら、誰もが「主人公」になることなどできません。だからといって、力でねじ伏せて「自分ひとりだけが主人公」になろうとすれば、誰からも相手にされなくなってしまいます。こうした経験を通じて、子どもたちは「自己主張するだけではダメだ」とか、「相手の言い分も聞かなければ楽しく遊べない」というルールを学んでいくのです。

 もちろん、ルールを学んだ後でも、協力できるときもあれば、ケンカをするときもあるでしょう。しかし、そうやって繰り返し「ルールを守らなければ痛い目にあう」という経験を積んでいくからこそ、「常識」が身についていくのです。つまり、「遊び」こそが「常識」を知り、良識ある大人へと進むキッカケになるのです。

 そのため、親が無理やり常識を覚えさせる必要はありません。では、親は何をすればいいのでしょうか。結論からいえば、発達段階に応じたサポートをしてあげるのです。

 子どもの成長にあわせたサポートとは

 子どもの発達段階には大きく「抱いて」「降ろして」「ほっといて」の三段階があります。私たち親は、この発達段階に応じたサポートをする必要があります。

 「抱いて」は幼児期で、保育園や幼稚園を卒業するまでの期間。母親にとって、いちばん子どもと幸せを共有できる時期です。このとき、母親の感性がそのまま子どもに伝わっていくので、出来る限り子どもとの時間を大切にしていきましょう。

 「降ろして」は、自分で学ぶ力を育んでいく時期。だいたい10歳くらいまで。この時期はべったりではなく、「求めてきたとき」にサポートするようにしていきましょう。そして、「ほっといて」は、自分の力で学び、考え、自立への一歩を踏み出していく時期。10歳を過ぎた頃からはじまります。この時期には、手出し、口出しをしたくてもグッとこらえる必要があります。

 このような発達段階に応じたサポートを親から受けた子どもは、問題児から大人へとスムーズに成長していけます。なぜなら、少しずつ自分でできることが増えていくからです。

 反対に、親の言うことに従って育った子どもは「危険」です。自分の頭で考え、行動していく力を伸ばすチャンスが得られないからです。こうした子どもが自立するには、親との関係を子ども自らがつくり直していくしかありません。

 まとめ

 今回は『子どもはみんな問題児。』を参考に、子どもは問題児であることが自然であると伝えてきました。実は、あの発明王エジソンも、子どもの頃は問題児だったそうです。教師が粘土の玉を使って「1+1=2」を教えたところ、エジソンは「2つの粘土をくっつけたら、1つの粘土になるので答えは1」と答えたといいます。これを聞いた教師はエジソンを罵倒したのですが――。

 エジソンの母は意外な行動をとりました。エジソンに「なにをバカなことを言ってるの!」と叱る代わりに、教師の対応に抗議したのです。「エジソンの考えは間違っていない」と。その結果、学校側から「そんなに言うのであれば、お母さんが教育すればいい」という提案を受けたので――エジソンの母は、マンツーマンで彼に勉強を教えることにしました。

 このときエジソンの母が大切にしたのは、粘土の話にもあったように、「正しい答え」を教えることではなく、好奇心を広げていくことでした。その結果、エジソンはどんどん好奇心を広げていき、とうとう「発明王」と呼ばれる科学者にまで成長したのです。

 さて、このエピソードからも、子どもが問題児だからといって「本当に問題があるわけではない」ことがわかるでしょう。むしろ、問題だと思っている性質こそが「子どもの個性」だとえます。だから、「子どもの欠点」を直そうとするのではなく、伸ばしていくつもりでサポートしてあげたい。そうすれば、あなたの家にいる問題児も、やがては「発明家」として成功できる日がやって来るかもしれませんよ。

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