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 家族と上手くいってますか?

 私は家族とはいろいろありましたが、今では楽しく過ごせています。

 しかし、東野圭吾さんの小説『祈りの幕が下りる時』を読んで、家族に自分勝手な人がいると、そのせいで一生ツライ思いをすることになると気づきました。

 今の家族と過ごせてきたことに感謝したくなる物語なんですよね。

 加賀恭一郎の母の暮らしが明かされる物語

 加賀恭一郎の母・田島百合子は、彼が小さい頃に家を飛び出し、仙台で暮らしていました。宮本康代という女性が経営していたスナックで働いていたのです。

 ところが、百合子は誰にも心を開きませんでした。世話になった宮本康代にも子供がいたことさえ話していなかったのです。

 そんな百合子が唯一心を開いていたのが、客としてやってきた綿部俊一です。

 彼は50代で電力関係の仕事をしていると言っていましたが、遠方に行っているためか、時々姿を消し、その後、連絡がつかなくなりました。

 しかし、田島百合子が亡くなったとき、宮本康代に加賀恭一郎の名前と連絡先を教えたのは綿部俊一だったんですよね。

 綿部は電話で彼女の死を聞かされ、加賀の連絡先を調べたと言いますが、刑事である加賀の連絡先は簡単に調べられるものではありません。

 なぜ、綿貫は加賀の連絡先を知っていたのか!?

 演出家の同級生とホームレスが殺害される事件がリンクする

 一方、加賀の親戚で刑事でもある松宮は、明治座で講演中の芝居『異聞・曽根崎心中』の演出家である浅居博美を調べていました。

 彼女の同級生である押谷道子が、彼女と会った直後に殺されていたからです。

 しかも、押谷道子は越川睦夫という見ず知らずの男性のアパートで発見されました。住人である越川も行方不明になっています。

 それだけでなく、越川の部屋にかけられていたカレンダーに月毎に書かれた十二の橋の名前が、加賀の母の遺品にあったメモと一致したのです。

 これがキッカケで加賀は、越川睦夫と綿部俊一が同一人物であると推理しますが、他にも次々と驚くような事実が浮かび上がってきました。

 越川のアパートの近くで殺されていたホームレスの事件もそのひとつですが、演出家である浅居博美の過去にも驚くような事実が隠されていたんですよね。

 その事実とは…。

 人生は家族に大きく左右される!?

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、東野圭吾さんの小説『祈りの幕が下りる時』は、加賀恭一郎や浅居博美の人生を通して、人の運命は家族に大きく左右されることがわかる物語ですが、

 それだけでなく加賀恭一郎シリーズの続編としても、最後に驚きが待っているミステリーとしても楽しめるので、

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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