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(※『考える練習をしよう』表紙より)


 今、一緒に仕事をしている派遣の方は、まったく仕事ができません。

 締め切りに遅れるのは当たり前で、問題が起きても放ったらかし。「どうするんですか?」と聞いても何も答えられません。挙げ句の果てには「辞めます」と言い出す始末。

 では、なぜそのような状態に陥ってしまったのでしょうか。

 それは「何も考えていないから」。独りよがりな思い込みをしているからです。

 そこで今回は、『考える練習をしよう』を参考に、どうすれば考える力がつくのか、仕事ができるようになるのか考えてみたいと思います。

 まずは『考える練習をしよう』の紹介

 本書は1985年に出版され、すでに増版に増版を重ねている名著です。イラストが多く、簡単な問題で常識を疑う訓練にもなるので、子どもにもおすすめの哲学書です。

 ただし、日本語訳が読みづらく、所々何が言いたいのかわからない箇所があります。練習問題も多く載っていますが、質問の意図がわからない問題にぶつかることも。

 それでも、全体的には考える訓練になるのでおすすめの本です。

 考えるために必要な3つのプロセス

 ここからは考える力をつけるために必要な3つのプロセスを紹介します。

1. 思い込みを捨てる

 いきなりですが、次の例題に挑戦してください。

一人の男の子が虫歯を治すために歯医者に行きました。その男の子は、歯医者の息子でしたが、その歯医者はその男の子の父親ではありませんでした。なぜでしょうか?

 私たちは目の前にある問題を勝手な思い込みを通して眺めています。先ほどの例題だと、「歯医者は男性だ」と思い込んでしまったかもしれません。

 ところが、このように思い込んでしまうと、決して答えにはたどり着けませんよね。仕事であれば、いつまで経っても目標に到達できないでしょう。

 では、どうやって思い込みを防ぐのか。

 それは、ありふれたものを見つづけることです。今履いている靴下の色はどんな色か、両手を組むとき上にくるのはどちらの手か、どちらの足から靴下を履くのか――など、自分の目の前にあるもの、当たり前だと思っていることを徹底的に見つめるのです。

 そうすれば自分勝手な思い込みがなくなり、問題を解決する力がつきます。

2. 問題を正しく認識する

 こちらも例題から。

家に帰ったら誰もいませんでした。鍵も見つかりません。このとき、あなたはどうしますか?

 実は「どうするか」は、何を問題と捉えるかで変わってきます。

・どうすれば鍵なしでドアが開けられるのか?
・他に家に入る方法はあるのか?
・誰かが帰ってくるまで何をすればいいだろう?
・これ以上、鍵をなくしたら承知しないってお母さんに言われていたのに、どうやって新しい鍵を手に入れればいいの?

 など、同じ状況でも何を問題と捉えるかでアプローチが変わってくるんですよね。

 だからこそ、何が問題なのかをはっきりさせることが、問題解決の第二歩目。ピント外れの問題を解決したって何の役にも立ちませんからね。

3. 納得するまで考える

 思い込みを捨てて、自分の問題を正しく認識すること。それができれば、あとは納得するまで考えることです。

 ただし、ここでも2つの問題にぶつかります。

 まずひとつ目は、見方が狭いという問題。

 遠くから眺めれば一目瞭然なのに、一つの問題にとらわれすぎて解決策が浮かばないってことありますよね。そういう時は、散歩をしたり、コーヒーを飲んだりして、少し離れて問題を眺めてみるといいかもしれません。

 もうひとつは、パッと浮かんだ解決策にとらわれてしまうこと。

 最初に浮かんだアイデアがうまくいかなければ、さっさと頭を切り替えないと問題解決には至りません。そもそも、解決策は複数考えておくに限ります。

 つまり、納得するまで考えるとは、問題全体を俯瞰しながら、複数の解決策を持つことなんですね。(※『アオアシ』の感想でも紹介しました。)

 すぐには出来ないかもしれませんが、今から少しずつでも考える練習をしてみてはどうでしょうか。

 最後に

 考える癖がない人は、そのことを正当化し、考えないまま時間を重ねています。

 しかし、考える力がないとパターン化された仕事しかできません。そして、パターン化された仕事はAIが最も得意とするところ。今後、その人の仕事はAIに取って代わられるでしょう。

 だからこそ、私たち人間には考える力が必要です。はじめから上手くいかなくても、考えつづけることが大切なんです。

 もし、考えるのが苦手だと感じているようなら、『考える練習をしよう』を読んでみてはどうでしょうか。

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