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 最近、年度末ということもあり、来年度にやる仕事内容を整理しているのですが、「考える力が足りていない!」と上司から叱られています。

 とはいえ、私としては精一杯考えているつもり。このギャップを埋めるにはどうすればいいの?――と悩んでいたときに出会ったのが『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』という本。まさに今の私に必要な情報を与えてくれる本でした。

 この本を読んで、「考える力」とは、次の3つの力に分類できることがわかりました。それは:

  1. 問題を見つける力
  2. 解く力
  3. 諦めない人間力

 つまり、私が上司から叱られた「考える力が足りていない!」というのは、この3つの力が足りていなかったということになります。それぞれ簡単に説明すると:

 1つめは、「問題を見つける力」。他の人は誰も疑問に感じないところ、常識だと考えられているところに問題点を見い出す能力です。
 2つめは、「解く力」。自ら創造した課題に取り組み、克服すべき問題点を整理・分析・分解し、答えに至る能力です。
 3つめは、「諦めない人間力」。目に見える成果が出なくても、諦めず、根本的な解決・答えを見つけ出すまで粘り強く考え続ける能力です。

 たしかに、この3つの力が不足していたように思います。特に、1つめの「問題を見つける力」については、まったく身についていなかったので…重点的に説明していきますね。

 1. 問題を見つける力

 「問題を見つける力」は、「気になる」「おもしろそう」「どうしてだろう」といった感覚的なところからスタートします。なぜなら、そこに「問題の種」が潜んでおり、解決したいこと、取り組みたいことが含まれているからです。

 では、この「問題の種」をどうやって「問題」に昇格させるのでしょうか。まずは、「分からないこと」を次の3つに分類することから始めましょう。

 1つめは「事実を知らない」。

 これは問題に対する明快な答えがすでに出ていて、それがどこかに存在することは知っている。そんな場合の「分からない」です。解決方法は、とにかく調べてみることですね。詳しい人に相談したり、関連図書を調べたり、インターネットを利用するだけで答えが分かることもあります。それでも答えが見つからないときは、誰に聞けば分かるかを考えてみましょう。つまり、「答えの調べ方」を考えれば解決します。

 2つめは「答えがわからない」。

 これは、何を考えればよいかは分かっているがまだ考えている最中で、明確な答えが得られていない状態です。もしくは、答えがあるかどうかはっきりと見極められないときの「分からない」です。このケースならば、自分の頭で考え続けることで問題を煮詰めていくことができます。

 3つめは「何が分からないのか、分かっていない」。

 たとえば、同僚が出したアイデアや企画がピンと来ない。自分の興味のある分野についての新発見やニュースを読んだとき、漠然とした直感がひらめいた。この記事おかしいんじゃないかな、もっといいアイデアがありそうな気がする。ところが、その感覚に上手く思考の光をあてることができずに、「むずかしいな」「分からないな」と放置してしまう。でも、これはそこに問題があると直感している状態と言えます。

 実は、3つめの「何が分からないのか、分かっていない」を明確にする力こそが、「問題を見つける力」に他なりません。

 つまり、「問題を見つける力」とは、漠然とした「分からない」状態を「何が問題なのかは理解しているがその答えがわからない(=2つめの「答えがわからない)」状態)」に進化させる力のことなのです。

 「何が分からないのか」がクリアになれば、問題・課題がはっきりしてくるので、何を調べればいいのか、誰に聞けばいいのかが理解でき、それだけで答えが出てしまうこともあります。

 一方で、1つめの「事実を知らない」は、すでに誰かが答えを出している(=オリジナルではない)問題なので、調べるだけでいいでしょう。価値ある発見や発明は「まだ誰も考えたことのない新しい問題」に取り組むことでしか生まれません。

 では、ここでより具体的な「問題をみつける方法」について載せておきます。参考にしてください。

①テーマに関係ありそうな情報を徹底的に収集する
一度に集めすぎないよう注意。ある程度集めたら、そのつど②に移ってください。

②情報をふるいにかける
①で集めた資料を丹念に読み込み、問題の核心につながりのあるキーワード、周辺知識を自分の言葉でメモ化し、それ以外を捨てます。

③①②の作業を繰り返す
①と②は間隔をあまり開けないように実行すること。集中的な作業をすることで問題意識が高まり、情報収集の能率を上げることができます。

④地図の作成
1枚の大きな紙に「分かっていること」「分かっていないこと」をリストアップした自分なりの一覧表(情報地図)を作成しましょう。

⑤本質の抽出
分かっていること、分かっていないことを整理していくと、ある部分を解明することでこれまで部分的にしか分かっていなかったことの全体が理解できることが分かります。その「ある部分」こそが、解明しなければいけない問題の核心なのです。

⑥問題の選別
問題を選別するときの判断基準は、仮にそれが分かったとしたら、どれくらいインパクトがあるかを想像してみることです。

⑦問題の解決
選び出した問題の解決に全力を集中する。

 2. 解く力

 簡単に答えの出せない問題は、多くの要素が複雑に絡み合っています。そのため、全体として扱うには複雑すぎて、どこから手をつければいいのわからなくなってしまうんですよね。

 しかし、複雑な問題を「要素」に分解できれば、それぞれの要素について解決可能なものから1つ1つ解決することができます。そして最後に残った要素(問題の核心)を見つけ、それに全力をあげて取り組むことができます。

 具体的なフローは次の通りです。

①複雑な問題を要素に分解する
②各要素を1つ1つ解決する
③解決できない要素があった(または各要素は解決できたが、最初の問題の解決にはつながらなかった)
④その問題の解決のために足りていない要素は何かを分析し、もう一度トライする

 3. 諦めない人間力

 あとは、問題が解決できるまで諦めずに取り組むだけです。とはいえ、諦めてしまいそうになることもありますよね。そんな方に向けて著者は次の言葉を贈っています。

 実は、答えがすぐに出せない自ら見つけた課題に時間と労力を費やすのは、それほど非効率なことではないのです。なぜなら、その行為そのものが従来の方法では達成がむずかしい「考える力」を鍛えてくれるからです。また、独自な問題には競争相手が少ないからです。

 すぐに成果が出なくても諦めずに取り組みましょう。

 まとめ

 というわけで、私も来年度にやる仕事内容をイチから自分の頭で考えようと思います。そうしないと、いつまでも「自分の頭では考えられない、指示待ち人間」になってしまいますからね。

 みなさんも、今回紹介した方法を参考に「考える力」を鍛えてみてはどうでしょうか。

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