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 「毒親」という言葉が流行っていますよね。ここで言う「毒親」とは、子どもに対してネガティブな行動パターンを執拗に繰り返し、それによって子どもの人生を支配する親のことです。

 もちろん、「そんな行動はとっていない!」と反論する親も多いでしょう。しかし、誰でも一歩間違えれば「毒親」になってしまうのです。

 たとえば、「子どものため」と言いながら、子どもの行動を先回りして「手出し・口出し」をする親。彼らは、こういったフレーズを使って自分の存在価値を高めようとしています。一人では何もできない子どもに育て上げ、自分をなくてはならない存在にしようと考えているのです。

 本当に子どものことを想っているのなら、手出し・口出しは控え、子どもの意志を尊重しながら、過ごしていくしかありません。意見が食い違っても粘り強く対話していくしかないはずです。

 それなのに、友達付き合いや習い事の選択、塾や受験校の選択など、子どもの意思が尊重されるべき部分にまで介入する親がいます。なかには、就職先や結婚相手など、本人にとって今後の人生を左右することまで決めてしまう親がいるのだとか。こういった行動を取っているようなら、毒親と呼ばれても仕方ありませんよね。

 では、毒親に育てられた子どもには、どのような弊害が起こるのでしょうか。本:『毒父家族』を参考に考えてみましょう。

 「毒親」に育てられた子どもに起こる弊害

 いくつかありますが、ここでは代表的なパターンを3つ紹介します。

1. 感情が出せない

 毒親に育てられた子どもは、自分の感情を抑える傾向があるそうです。なぜなら、親に対して感情を出すと、必ずイヤな思いをすることを知っているから。否定されたり、バカにされたり、怒られたり…と。

 子どもにとって親はとてつもなく大きい存在ですよね。生きていくためには、イヤでも親の助けを借りなくてはいけません。そのため、子どもは親に気に入られようと無意識に振舞います。

 もちろん、ある程度は仕方ありませんが、これが行き過ぎると――子どもが自らの感情を抑えてまで親に気に入られようとすると、大人になってからも「自分の意見が主張できない」「喜怒哀楽が出せない」「怒りの感情が出せない」といった弊害が起こります。

 その結果、親と同じような自分をコントロールする相手ばかりを引き寄せてしまい、慢性的に人間関係で苦しむことになるんですね。これが一つ目の弊害です。

2. 自分の考えがわからない

 幼い頃から自分の感情を抑圧していると、自分が何を感じているのかわからなくなるそうです。怒っているのか、悲しいのか、辛いのか、喜んでいるのかわからなくなるんですね。

 だから、自分の意見を持つことができません。「好きなことをしていいよ」と言われても、「好き」がわからないからです。

 自分の意見をもつことは、誰にとっても当然の権利ですよね。しかし、毒親に支配されてきた子どもにとって、「自分の意見を言うこと」は、「相手の考えを否定すること」だと思い込まされています。親の意見と一致しなければ否定されてきたからです。

 そのため、自分の意見を言うことに相当な恐怖を伴うんですね。しかも、今まで親に多くのことを決められてきたので、自分から何かを感じて、その感情に従って動くことができません。

 こうして、毒親に育てられた子どもが大人になると、自分では何も考えられない、人に言われないと行動できないロボットのような人間になってしまいます。これが二つ目の弊害です。

3. 他人の目が気になって仕方ない

 毒親に育てられた子どもは、親に従わないと認めてもらえなかったため、「そのままの自分には価値がない」と思い込んでいるそうです。

 人に誇れるような「アピールポイント」がないと、自分には生きる価値がないと思っているんですね。だから、他人の評価に執着してしまう。

 その結果、「失敗したくない」「ダメな奴だと思われたくない」「期待に応えなきゃ」などと思い、必要以上に自分をよく見せようとしたり、人前で話すときに声や手が震えたり、異常に発汗したり、赤面したり、吃ったりするなど、身体の反応となって表れたりします。

 こうして精神的にも、肉体的にもツライ思いをするわけですが、残念ながら報われることはありません。なぜなら、人によって評価基準は違っていますし、仮にその時点で評価が良くても、もっと凄い人が現れれば、すぐに評価は変わってしまうからです。

 というわけで、他人の目が気になって必要以上にムダな努力をしてしまうのが、三つ目の弊害です。

 「毒親」から解放される方法

 では、どうすれば「毒親」の呪縛から解放されるのでしょうか。ここでは三つの方法を紹介します。それは:

  • 自分の感情に素直になる
  • 本当はどうしたいの?と考えてみる
  • 親の期待に応えない&親に期待しない

 先ほどの三つの弊害と真逆のことをするんですね。親に嫌われてもいいと思って素直に感情を出してみる、間違ってもいいので自分の考えを行動に移してみる、親の目なんて気にしない、親なんて大したことないと考える――すなわち、親から植え付けられた思い込みを捨て去るんです。

 たとえその通りに行動できなかったとしても、思い込みとは真逆の言葉を繰り返し口にするだけでも効果はあります。頭では理解できなくても、少しずつ行動が変わっていくからです。ぜひ、お試しください。

 最後に

 完璧な親なんてどこにもいません。しかし、毒親は「自分は完璧だ」と思いたいので、子どもを通して自分の正しさを証明しようとします。自分のエゴや価値観を子どもに押し付けてきます。

 ではなぜ、そんなことをする必要があるのでしょうか。それは、自分の生き方に自信がないからです。不安を感じているからです。だから子どもに自分の理想の生き方を重ね合わせ、自分の正しさを証明しようとするわけですね。

 もちろん、そんな自信のない、弱い親の意見に従って生きて行く必要なんてありません。自分らしく生きた方が得です。

 もし、毒親に育てられたのなら、親の期待通りに生きるのはやめましょう。自分の人生を生きましょう。そうすれば、今よりも楽しい毎日が過ごせるはずです。

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