東野圭吾『怪笑小説』は皮肉の効いた驚きが楽しめる短編集

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皮肉の効いた物語はお好きですか?

私はストレートに物事を話す性格なので、あまり皮肉は好きではありませんが、

東野圭吾さんの小説『怪笑小説』の皮肉は驚きもあって楽しめました。

それだけでなく、東野圭吾さんの考えがよくわかる物語でもあったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 皮肉の効いた9つの短編が楽しめる小説を読んでみたい人
  • 誰もが自分勝手に振る舞っている物語に興味がある人
  • ラストで驚きが味わえる物語が好きな人
  • 東野圭吾さんの小説が好きな人
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あらすじ:不満を抱える人たちが電車に乗り合わせる物語

物語は河原宏が、夜の8時を過ぎた頃に、都心から郊外に向かう電車に乗るところから始まります。

彼の目的地は郊外にある某研究所で、鞄の中には連日徹夜して仕上げたサンプル品が入っていました。

だからこそ、彼は疲れ果てていたのですが、運良く席に座ることができました。

そんな河原の姿を見た岡本義雄は、彼に席を取られたことに腹を立て、若い奴は立っとけと心の中で罵っていました。

一方で、和田弘美は、岡本の息が臭くて我慢できず、常識がないのかと心の中で罵り、ブレーキがかかったときにわざとハイヒールで彼の足を踏みつけました。

そんな不満を抱えた人たちが乗り合わせた電車にお婆さんや妊婦さん、図々しいオバサンたちが乗り込んできて…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:皮肉の効いた9つの短編が楽しめる

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて9つの短編が楽しめます。

それぞれ簡単に紹介していくと、

  • 隣の住人からもらったチケットで杉平健太郎の歌謡ショーにやってきた勝田シゲ子が、彼の魅力にハマり、ご飯もろくに食べずに追っかけをする物語
  • 息子をプロ野球選手にするのが夢だった父親に待望の息子が生まれる物語
  • 教師ばかりが集まる同窓会に生徒を呼んで、彼らの話についていけなくなる教師の物語
  • 幼い頃に田舎でタヌキが飛んだところを目撃した空山一平がUFOなどの超常現象はすべてタヌキの仕業だと言い張る物語
  • これまでの相撲の取組をすべて実況中継できる徳俵庄ノ介が無人島でラジオ代わりに実況する物語
  • 土地の値段を下げないために数キロ離れた分譲住宅地の住人たちと死体をなすりつけ合う物語
  • 若返りの手術をした老人が若い女性と付き合い、再び年老いていく物語
  • 周りの人間が動物に見える中学生の肇が、自分が何者なのか気づく物語

どれも強めの皮肉の効いた物語が楽しめるんですよね。

池井戸潤さんの小説『民王』でも、現実の政治家たちの振る舞いに皮肉が込められた物語が楽しめましたが、

池井戸潤『民王』は日本人が子供化していることがわかる物語
大人になれていますか? 私は大人になれているつもりでしたが、池井戸潤さんの小説『民王』を読んで、子供化していたかも…と反省しました。 コロナになった今でも要求ばかりする人たちがいるように、多くの日本人が子供化していることがわかる...

この小説でも強めの皮肉の効いた短編が楽しめました。

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感想②:誰もが自分勝手に振る舞っている

この小説では、誰もが自分勝手に振る舞う姿が描かれています。

たとえば、あらすじで紹介した物語では、混雑した電車に乗り合わせた人たちが心の中でお互いを非常識だと罵り合います。

お婆さんや妊婦さんは自分が座れるのが当然だと思い、学生やサラリーマンは、短いスカートを履く女性を見て、露出狂なんだから見せろと心の中で罵ります。

誰もが自分の望みは叶って当然だと思い、それが実現しなければ、まわりにいる人たちを罵っていたんですよね。

息子をプロ野球選手にするのが夢だった父親に待望の息子が生まれる物語でもそうです。

息子が生まれるまでは、娘に無理やり野球をしとろ強要していた父ですが、

息子が生まれた途端、娘には興味をなくし、プロゴルファーになっても、「ああ、そうか」としか言いませんでした。

鯨井あめさんの小説『晴れ、時々くらげを呼ぶ』では、クラゲは降ると言い張る後輩をバカにしていた主人公の自分勝手な振る舞いが描かれていましたが、

鯨井あめ『晴れ、時々くらげを呼ぶ』感想/優しさの本質は他人への興味
他人に興味を持って生きていますか? 私はどちらかと言えば興味を持っているつもりでしたが、 鯨井あめさんの小説『晴れ、時々くらげを呼ぶ』を読んで、もっと他人に興味を持とうと思いました。 優しさの本質は他人への興味だと気づかせ...

この小説では自分勝手に振る舞う人たちが次々と登場してきたので、他人の話を鵜呑みにすることのバカらしさがわかりました。

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感想③:ラストは驚きが味わえる

さて、この小説では、どの物語でもラストで驚きが味わえます。

あらすじで紹介した物語では、多くの乗客が他の乗客に不満をため込んで、心の中で罵り合っていましたが、

河原宏が徹夜で仕上げたサンプル品のせいで…というオチに驚きます。

若返りの手術をした老人が若い女性と付き合い、再び年老いていく物語でも、

若返っていくにつれて、好みの女性が変わっていく老人の姿が描かれていますが、自分が老人であることを忘れていたせいで…というラストに驚ける物語が描かれています。

辻堂ゆめさんの小説『あの日の交換日記』でも、ラストで驚きが味わえる短編集が楽しめましたが、

辻堂ゆめ『あの日の交換日記』は自分の想いを文章に書き出してみたくなる物語
自分の想いを文章に書き出していますか? 私は定期的にブログに書き出しているので気分がスッキリしていますが、 辻堂ゆめさんの小説『あの日の交換日記』を読んで、交換日記で相手に自分の想いを伝えるのもいいかもしれないと思うようになりま...

この小説では、皮肉の効いた驚きが味わえました。

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まとめ

今回は、東野圭吾さんの小説『怪笑小説』のあらすじと感想を紹介してきました。

皮肉の効いた驚きが味わえる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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