米澤穂信『クドリャフカの順番』は期待とは絶望的な差から生まれるものだとわかる物語

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 誰かに期待して生きていますか。

 私は多くのことを誰かに期待しているところがありますが、米澤穂信さんの小説『クドリャフカの順番』を読んで、自分では実現できないからこそ、他人に期待してしまうことに気づきました。

 そのため、誰かに期待して生きるよりも、できるだけ自分に期待できる生き方に変えて行こうって思えたんですよね。




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 山のように積み上がった文集に悩まされる古典部メンバー

 では、あらすじから。

 千反田えるは神社で願掛けをしていました。とても困ったことが起きたからです。

 明日からカンヤ祭と呼ばれる文化祭が始まり、古典部では文集『氷菓』を販売する予定でしたが…。

 前々作で『氷菓』事件の謎を解き明かしたこともあり、文集の出来は良かったのですが、なぜか三十部発注するはずの文集を二百部発注してしまったのです。

 そこで、古典部メンバーは、一冊でも多くの文集を売る方法を考える必要に迫られたのですが…。そう簡単には多くの文集を売る方法なんて思いつきませんよね。

 ところが、カンヤ祭が始まってみると、ある事件が話題になり、この事件をうまく利用すれば多くの文集が売れるかもしれない状況になります。

 その事件とは…。

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 クリスティの有名作をひねった怪盗事件

 十文字と名乗る怪盗がアガサクリスティの有名作をパロディにして盗みを働いていた事件です。

 アカペラ部では「あ」から始まるアクエリアスを、囲碁部では「い」から始まる石を、占い部では「う」から始まる運命の輪を…というように、あいうえお順に盗んでいたんですよね。

 これはクリスティの『ABC殺人事件』になぞらえた犯行で、しかもこの順番でいけば古典部に盗みに入る可能性が高いというわけです。

 そこで古典部メンバーの福部里志が、これまで事件を解決してきた折木奉太郎を出し抜いて事件を解決しようとしますが…。

 朝早く起きて学校に行って怪盗を捕まえようとしても、事件のピースとなる事実をどれだけ集めても、怪盗が誰なのか解き明かすことができませんでした。

 そこで、奉太郎が怪盗事件の謎に迫るわけですが、里志は事件の解決を奉太郎に期待するしかなかったんですよね。なぜなら…。

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 期待とは絶望的な差から生まれるものだとわかる物語

 推理力については、里志と奉太郎の間に絶望的な差があったからです。

 そのことをわかっていながらも奮闘する里志の姿を見ていると、誰かに期待して生きるよりも、出来るだけ自分に期待できる生き方に変えて行こうって思えたんですよね。

 このように、米澤穂信さんの小説『クドリャフカの順番』は、自分に期待して生きて行こうと思えるだけでなく…。

 学園祭の懐かしい雰囲気が味わえる物語としても、誰も死なないミステリーとしても楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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