浅田次郎『おもかげ』感想/愛される人と愛されない人のちがい

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人から愛されていますか?

私はどちらかといえば愛されていると思いますが、

もし、家族からあまり好かれていない、友人もいない、自分のことをわかってくれる人が誰もいない…

と感じているようなら、今すぐ生き方を変えた方がいいかもしれません。

浅田次郎さんの小説『おもかげ』は、「人から愛されるような生き方をしていこう」と心から思える物語なんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • サラリーマンの一生が描かれている物語に興味がある人
  • 複数の視点で語られる物語が好きな人
  • 最後に感動できる&泣ける物語が好きな人
  • 浅田次郎さんの小説が好きな人
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あらすじ:定年を迎えたサラリーマンが主人公の物語

物語の主人公は、商社マンとして定年まで働き続けた竹脇正一。

彼は定年を迎えた日の送別会の帰り道に地下鉄で倒れ、病院に運ばれました。

容態は厳しく、助かる見込みはありません。

そんな彼に多くの見舞客が訪れ、彼との思い出を語ります。

会社の同僚で、現在は社長の堀田憲雄は、社宅住まいだった頃の彼との思い出を語り、

幼馴染の永山徹は、施設暮らしだった頃の思い出を、

義理の息子である大野武志は、グレて少年院に入った自分を何も言わずに受け入れてくれた思い出を…

というように、多くの人たちが竹脇とのポジティブな思い出を語りはじめました。

なぜなら、誰もが彼に「もっと長生きしてほしい」と思っていたからです。

死の直前にそう思ってもらえるのは本当に愛されているからですよね。

とはいえ、これほどまでに多くの人に愛されていた竹脇でしたが、実は誰からも愛されない苦しい幼少期を過ごしていました。

その幼少期とは…。

サラリーマンの竹脇が、幼少期から現在までを振り返る物語が楽しめる小説です。

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感想①:苦しい幼少期を乗り越えてサラリーマンになる主人公に感動

あらすじでも紹介しましたが、竹脇は幼い頃に誰からも愛されない時期がありました。

両親の顔も知らず、捨てられた事情も知らず、赤ん坊の頃から養護施設(孤児院)で育ったからです。

友人はいましたが、両親がいない寂しさは隠しきれませんでした。

とはいえ、彼は寂しさを振り切るかのように持ち前の能力を発揮してエリート街道を邁進していきます。

高校を卒業後は、奨学金をもらいながら国立大学に進学し、一流企業に就職。妻の節子と結婚して幸せな家庭を築くんですよね。

こういった物語を読むと、努力はカッコ悪いとか、不要だとか言う人もいますが、

底辺から這い上がるには必要不可欠なことだと思えてきます。

漫画『ONE PIECE』に登場するロロノア・ゾロのように、

自分を鍛え続ける、努力し続ける人間でありたいと思える物語でした。

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感想②:愛される秘訣は他人への圧倒的な優しさ

先ほども紹介したように、竹脇は苦しい幼少時代を過ごしてきたにも関わらず、

他人にはそのことをまったく語りませんでした。妻にさえもです。

それだけでなく、他人から愛されないことを言い訳にせず、むしろ他人を愛することに注力します。

漫画『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎もそのひとり。

彼は、自分の家族が鬼に殺されているにも関わらず、鬼が戦意を失くし、死を望んでいることを悟ると、痛みや苦しみを感じないように殺すんですよね。

一方で、湊かなえさんの小説『母性』の主人公のように、自分のことしか考えない人たちもいます。

彼女は、娘がいるにも関わらず、娘を愛することよりも、自分が娘として母から愛されることを望んでいました。

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どちらが他人から愛されるかは、一目瞭然ですよね。

私も他人から愛される圧倒的な優しさを持ちたいと心から思える物語でした。

感想③:母親は特別な存在だとわかる

さて、竹脇は死を迎えるにあたって、母親との温かなコミュニケーションをとりたいと願いました。

とはいえ、これは彼に限らず、誰もが望んでいることなのかもしれません。

たとえば、ビートたけしさんの小説『アナログ』では、主人公の悟が母親と似たような女性をみつけて愛情を注ぐ姿が描かれています。

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また、漫画『はじめの一歩』でも、母が過労で倒れると、主人公の一歩は大好きなボクシングを辞めて、母の手伝いをすることに決めました。

もちろん、竹脇にとっても母は大きな存在でしたが、彼はこれまで一度も母と会ったことがありません。

そこで浅田次郎さんが用意した仕掛けは…。

ぜひ実際に読んで涙してください。

まとめ

今回は、浅田次郎さんの小説『おもかげ』のあらすじと感想を紹介してきました。

浅田次郎さんらしい感動できる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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