伊坂幸太郎『オー!ファーザー』は父親の役割について考えさせられる物語

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 結婚して子どもが生まれると「やるべきこと」が驚くほど増えますよね。

 仕事をするのは当然として、子どもと遊んだり、勉強を教えたり、買い物に行ったり…と、子どもと共に行動する日々が続きます。

 しかし、ときどき、これで本当に子育てができているの?と不安になることがあります。そんなときにオススメなのが伊坂幸太郎さんの小説『オー!ファーザー』です。

 父親の役割について考えるキッカケを与えてくれる物語なんですよね。




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 母1人と4人の父親と共に暮らす主人公

 では、あらすじから。

 物語の主人公は高校生の由紀夫。彼には母の知代の他に、4人の父親がいました。

 ギャンブルが何よりも大好きで裏社会とつながっている鷹。女性を見たら見境なく声をかける男前の葵。頭脳明晰で大学教授をしている悟。中学校で体育教師をしているスポーツ万能の勲の4人です。

 彼らは母の知代に今でも心底惚れており、由紀夫が自分の子供じゃないことがわかるとショックが大きすぎるという理由で、DNA鑑定をせずに4人で父親になることに決めました。

 そのため、由紀夫は、出張が多い母と、4人の父親と一緒に暮らすことになったのですが…。

 中学時代の友人である鱒二がキッカケで裏社会を仕切る富田林という人物に目を付けられるようになるんですよね。

 そもそもは、鱒二が牛蒡男たちが万引きをしているのを咎めたことが始まりでした。因縁をつけられた鱒二がお金を払えず、由紀夫の名前を教えてしまったのです。

 しかしその場は、鷹の機転で何とか逃れることができましたが、鱒二が再び牛蒡男に捕まり、「俺の代わりに運び屋をしてくれ」という要求を受け入れたのに、その約束を果たさなかったせいで富田林が登場してきたのです。

 実は、牛蒡男は、富田林の運び屋をしていたのです。富田林と知り合いだった鷹が頼んでも約束を守らなかった鱒二のことは許せないと言われます。

 そこで由紀夫は、富田林が詐欺にあった犯人を捕まえるので助けてくれと懇願するのですが、このことがキッカケで誘拐事件に巻き込まれてしまうんですよね。

 由紀夫が誘拐事件に巻き込まれたことを知った4人の父親たちは…。

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 父親に求められる役割は意外と多い!?

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、伊坂幸太郎さんの小説『オー!ファーザー』は、父親に求められる役割が意外と多いことに気づける物語です。

 中学校で体育教師をしているスポーツ万能の勲のように、スポーツの楽しさを教えたり、頭脳明晰で大学教授をしている悟のように、学問の深遠さを教えたり、

 女性を見たら見境なく声をかける男前の葵のように、女性の扱い方を教えたり、ギャンブルが何よりも大好きで裏社会とつながっている鷹のように、権力やお金との付き合い方を教えたりと、多くの役割を担っているように思います。

 しかし、何よりも大切なのは、どんな状況に追い込まれてもドッシリと構えることなんですよね。

 実際、4人の父親たちは、由紀夫が富田林に狙われたときも、落ち着いているように見えました。そんな彼らの姿をみて不審に思った由紀夫が、「どうして落ち着いていられるの?」と尋ねたところ、

「落ち着いている?」「俺たちが?」「大慌てだよ」「やれることをやるしかない」

 と答えます。さらに、

「それでもどうにもならなかったとしても、大丈夫だ。俺たちでおまえは守ってやるよ」

 と続けるのですが、これこそが父親の役割なんですよね。

 ただし、彼ら4人の父親はこれで終わるような人間ではありませんでした。それは…。

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 カッコいい父親になろう

 ある出来事が原因で「父親を信じちゃいけないと悟った」と言った由紀夫のために、父親4人は不可能を可能にします。

やろうと思えば、そんなことはできるってとこを見せてやろうと思ったんだ。

 つまり、父親はどれだけ不安があってもドッシリと構え、子どもに希望を持たせる強い存在であるべきだということです。

 このように、伊坂幸太郎さんの小説『オー!ファーザー』は父親の役割について考えさせられる物語ですが、それだけでなく、サスペンスとしても、最後に驚きが待っている物語としても、楽しめる小説なので…。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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