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(※『オー!ファーザー』表紙より)


 結婚して子どもが生まれると「やるべきこと」が驚くほど増えますよね。

 仕事をするのは当たり前として、子どもと遊んだり、勉強したり、買い物に行ったりする日々が続きます。

 これで本当に子育てができているの?と不安になるほど忙しい…。そもそも、父親の役割って何なの?

 そこで今回は、伊坂幸太郎さんの小説『オー!ファーザー』のあらすじとおすすめポイントを紹介しながら、父親の役割とは何か考えてみたいと思います。

 『オー!ファーザー』のあらすじ

 高校生の由紀夫には父親が4人もいました。

 ギャンブル好きに女好き、頭脳明晰にスポーツ万能。母の知世はそんな彼らと同時に付き合い、由紀夫が生まれたわけですが、今でも本当の父親が誰かわかりません。

 なぜなら、彼らがDNA鑑定を嫌がっていたからです。「俺が本当の父親じゃなかったらどうするんだよ」と不安に怯えるほど、知世と由紀夫のことを愛していたのです。

 ところが、息子の由紀夫は彼らの気持ちを踏みにじる勢いで、次から次へと事件に巻きこまれていきます。

 チンピラに絡まれたり、盗みの現場を目撃したり、死体現場のそばにいたり――。

 そんな由紀夫を助けるために、父親たちは手旗信号と個性を駆使して事件に立ち向かう!?

 『オー!ファーザー』のおすすめポイント

1. 父親が4人もいるのは、父親に求められる役割が多いから

 あらすじでも紹介したように、由紀夫には父親が4人もいました。しかも、彼らは外見も職業も性格も嗜好もバラバラです。

 ギャンブルが何よりも大好きで裏社会とつながっている鷹。女性を見たら見境なく声をかける男前の葵。頭脳明晰で大学教授の悟。中学校で体育教師をしているスポーツ万能の勲。

 そんな彼らに育てられた由紀夫は、スポーツもできて頭も良く、女性の扱いにもなれているモテまくりの高校生でした。

 とはいえ、所詮は高校生。怖ろしい現実に適応する力は備わっていません。

 そこで、鷹の登場です。一見、何の役にも立たないギャンブル好きのダメ親父ですが、事件に巻き込まれた由紀夫を救うキーマンになります。

 もちろん、他の父親の能力も欠かせません。この世を生き抜くには、強くて賢くて男前で、そしてズル賢く生きる必要があるんですね。

 父親に求められる役割が色々あることを教えてくれる物語です。

2. 父親に求められる一番の役割とは?

 では、色々ある役割のなかで最も大切な役割とは何でしょうか。

 それは、どんな状況になってもドッシリと構えていることです。

 由紀夫が富田林という裏社会のボスに狙われたとき、4人の父親はとても落ち着いているように見えました。そんな彼らを不審に思った由紀夫は、どうして落ち着いていられるのか尋ねると、

「落ち着いている?」「俺たちが?」「大慌てだよ」「やれることをやるしかない」

 と答えます。そして、

「それでもどうにもならなかったとしても、大丈夫だ。俺たちでおまえは守ってやるよ」

 と続けます。これこそが父親の役割なんですね。

 それともう一つ。ある出来事が原因で「父親を信じちゃいけないと悟った」と言った由紀夫のために、彼ら4人は不可能を可能にします。

やろうと思えば、そんなことはできるってとこを見せてやろうと思ったんだ。

 父親は、不安があってもドッシリと構え、子どもに希望を持たせる強い存在であるべきなんですね。

 そんな強い存在に子どもと一緒に成長していこうと思える物語です。

3. ラストは驚きの連発

 伊坂幸太郎さんの特徴といえば、ラストで伏線が一気に回収されていくところ。もちろん、『オー!ファーザー』でもその特徴が発揮されます。

 こじつけに思えるような伏線の回収が連発すると、何故だか笑えてきて、感動するんですよね。

 ぜひ実際に読んで、驚きの連発を楽しんでください。

 ※『アヒルと鴨のコインロッカー』もおすすめです

 最後に

 伊坂幸太郎さんの小説『オー!ファーザー』。読めば、父親の役割とは何か考えたくなること間違いなし!?

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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