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(※『ぬしさまへ』表紙より)


 畠中恵さんの小説『ぬしさまへ』。

 『しゃばけ』シリーズ第2弾の本作は、病弱で両親や妖怪たちから甘やかされて育った若だんなが大人になりたいと強く願う物語です。読めば自分も頑張ろうと思えること間違いなし!?

 今回は『ぬしさまへ』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『ぬしさまへ』のあらすじ(『ぬしさまへ』)

 この冬三度目の大熱を出した一太郎。そんな一太郎の退屈しのぎのために、仁吉は自分宛の恋文を若だんなに渡しました。

 しかし、渡された恋文は字が汚すぎて読めません。「くめ」という名前を「しね」と読み間違えるほどの汚さです。

 そんなおくめが火事騒ぎで殺されます。しかも、岡っ引きである日限の親分が仁吉を疑うので、若だんなが事件を推理することに。

 妖怪を通じて集めた情報によると、おくめは、いばり散らすけれど優しくて、競争心は強いが、慈悲深い女性だった――まるで二重人格のような女性でした。

 犯人は一体誰!?

 『ぬしさまへ』のおすすめポイント

1. 登場人物に愛着がもてる

 『ぬしさまへ』は、『しゃばけ』の続きが描かれています。

 もちろん、『ぬしさまへ』から読んでも楽しめますが、一太郎のお兄さんの物語など、前作とリンクしているので、読んでおくとより一層楽しめるんですよね。

 世界観はそのままで、登場人物たちが深掘りされていくので、愛着が湧くこと間違いなし!?

2. 泣けて笑える短編集

 『ぬしさまへ』は全6章で構成されている短編集です。

 なかでもおすすめなのが『栄吉の菓子』『空のビードロ』『虹を見し事』。

 それぞれ簡単に紹介しますね。

『栄吉の菓子』

 一太郎の幼馴染・栄吉は菓子屋の跡取り息子。その栄吉の菓子を食べた隠居が死んでしまいます。

「栄吉さんの作った菓子があんまり不味かったものだから、ご老人、吃驚仰天して心の臓が止まってしまったのかね」

 と仁吉が言うほど栄吉は不味い菓子を作っていました。そんな幼馴染の名誉を守るために若だんなが一肌脱ぐ物語です。

 隠居が死んだ理由がわかると泣き笑いしたくなるお話です。

『空のビードロ』

 若だんなの兄・松之助は理由があって、若だんなとは別の店・東屋で働いていました。

 その東屋で犬や猫が次々と殺されていきます。東屋のおかみさんは松之助が犯人だと決めつけますが、一人娘のおりんが彼を庇いました。

 なぜ、おりんさんが私のことをかばうのか?と疑問を持った松之助でしたが、事実を知ると――。

 若だんなの兄を想う気持ちに涙が溢れ出てくる物語です。

『虹を見し事』

 突然、若だんなの側にいた妖怪たちが姿を消します。

 若だんなは、誰かの夢の中にいるのでは?と推理しますが、それにしても命を狙われているようなゾワっとした感覚が拭えません。

 一体、何がどうなっているのか!?

3. 若だんなの決意に感動

 そんな病弱な若だんなが、大人になりたいと心から願います。

私は…私は本当に、もっと大人になりたい。凄いばかりのことは出来ずとも、せめて誰かの心の声を聞き逃さないように。

 甘えていられる環境にいるにも関わらず、自らしんどい環境に飛び込もうとする若だんなの男らしさに心打たれるんですよね。

 自分も頑張ろうと思える物語です。

 最後に

 畠中恵さんの小説『ぬしさまへ』。読めば自分も頑張ろうと思えること間違いなし!?

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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