原田マハ『たゆたえども沈まず』はゴッホの悲しい生涯に胸が痛くなる物語

おすすめ小説

 美術に興味を持っていますか?

 私はあまり興味がなく、ゴッホについてもほとんど知りませんでしたが、原田マハさんの小説『たゆたえども沈まず』を読んで、ゴッホの作品を見てみたくなりました。

 ゴッホの生涯を知った今では、彼の絵が意思を持って語りかけてくるように思えるんですよね。




スポンサーリンク

 パリに憧れを抱く二人の日本人の物語

 では、あらすじから。

 開成学校に通う加納重吉は、フランスに恋い焦がれるほどの憧れを抱いていました。そこで彼は、学校から推薦をもらいフランスに留学できるよう勉強してきましたが…。

 学校側は、高い公費を払ってフランスに留学させるよりも、イギリスやアメリカに送った方が人材が生かせると考えていました。

 そのため、頭の良かった重吉はイギリス留学に推薦されましたが、辞退します。そんな一途な彼をフランスに導いたのが、林忠正でした。

 林忠正も重吉と同じく開成学校に通う生徒で大変な秀才と言われていました。

 ところが、フランスに行きたいという思いが誰よりも強く、パリで万博が開かれたときに、起立工商会社に通訳として雇ってくれと直談判します。

 もちろん、万博が終わった後は何の保証もありませんでしたが、忠正は開成学校を中退して憧れのパリへと旅立ちました。

 その後、彼は「若井・林商会」という日本美術を扱う会社を立ち上げ、パリで美術商として活躍しはじめます。重吉も忠正に招かれ、専務として仕事をはじめました。

 美術商としての彼らの仕事は、日本では価値が見出されていない美術品、たとえば紙切れ同然に扱われていた浮世絵などをパリに運び、高額な値段で売り捌くことです。

 もちろん、フランス人やオランダ人の同業者もいましたが、日本人である彼らが有利でした。

 そんな彼らのもとにある同業者が顔を出すようになります。その人物は…。

スポンサーリンク

 日本美術に憧れを抱くゴッホ兄弟の物語

 グーピル商会という世界的に大成功を収めている当代きっての人気画廊の支配人、テオドス・ファン・ゴッホでした。

 テオは、今流行の練りに練られた作品に嫌気がさしていました。

 それよりも、日本美術や印象派の作品…きちんとデッサンもせず、構図も決めず、色彩の配置もよく練られていない、画家の印象だけで描かれた作品に魅せられていたのです。

 しかし、彼は実家の両親と兄を養うために今の職場で働くしかありませんでした。

 ところが、テオに養われている兄のフィンセントは自由気ままに生きていました。失恋して画商の仕事を辞めた後は、修道士になろうとしたり、慰みに絵を書いたりして過ごしています。

 それでもテオは兄に多額の資金を援助をしていましたが、フィンセントはもらった絵の具代でお酒を飲むような毎日を過ごしていました。

 しかし、テオが林忠正と加納重吉に出会ったことでフィンセントの運命も大きく変わります。

 フィンセントは憧れを抱いていた日本美術を目の前にして、自分もそのような絵を描きたいという想いが強くなったからです。ところが…。

スポンサーリンク

 胸が痛くなるような人生を過ごしたゴッホ

 どれだけ絵を描いても世間からは認めてもらえなかったんですよね。そのせいでフィンセントは、これまで同様に多くのお金をお酒に注ぎ込むようになります。

 それだけでなく、突然テオを激しく怒鳴ったり、娼婦に自分の耳を切って贈ったりと、情緒が安定しませんでした。

 それでもテオはフィンセントを信じて援助し続けましたが、あることがキッカケでケンカをします。その結果…。

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、原田マハさんの小説『たゆたえども沈まず』は、ゴッホの悲しい生涯に胸が痛くなる物語です。

 しかし、そんなゴッホの生涯を知ったからこそ、彼の絵が意思を持って語りかけてくるようにも思えるんですよね。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

おすすめのまとめ記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました