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 「叱らない子育て」と聞くと、「子どもを甘やかせてしまうのでは?」と懸念する人も多いでしょう。私もそのひとりでした。だって、子どもが悪いことをしても叱らずに好き放題させていたら、子どもはワガママに育ってしまいますよね。

 しかし、『尾木ママの「叱らない」子育て論』を読んで考え方が大きく変わりました。本当の意味での「叱らない子育て」とは、親がイライラしたり、命令したりすることで、子どもの成長機会を奪ったり、萎縮したりするのを防ぐ子育てだということに気づいたからです。

 では、尾木ママ流「叱らない子育て」とは具体的にどうする子育てなのでしょうか。

 「早くしなさい!」が口癖になっていない?

 子どもが保育園や幼稚園、小学校に通うようになってから、「早くしなさい!」と口癖のように言っていませんか。私は口癖のように言っていました。しかし、そんなことをしていては、子どもの好奇心や自発性を奪ってしまいます。

 「なにをグズグズしているの!早くしなさい!」――そういったときの子どもは、もしかすると玄関の隅っこでエサを一生懸命運んでいるアリを見つけたのかもしれません。子どもにとっては大きな発見です。しかし、「早くしなさい!」の一言でその機会を奪ってしまいます。

 他にも、「早くやらせないと…」と、目先のことだけに囚われていると、かえって親の言いなりにしかならない、言われないとできない子どもになってしまいます。子どもは、あらゆることに関心を寄せて、想像をふくらませながら、楽しみながら、じっくりゆっくり遊びながら心豊かに育っていくもの。そのための時間なのですから、たっぷりと使わせてあげたいですよね。

 では、なぜ私たち親は「早くしなさい!」と言ってしまうのでしょうか。それは私たちの心に根付いた集団生活における効率主義的な考え方や競争主義的な価値観がそうさせているからです。

 子どもが赤ちゃんのときには「早くしなさい!」なんて言わなかったでしょう。時間のかかる授乳や突然の夜泣きなど、大変なことはいっぱいあったでしょうが、きっと赤ちゃんと一緒にゆったりした時間を過ごしてきたはずです。

 しかし、成長するにつれて、「勉強も生活も、みんなについていけるようにしないと」「落ちこぼれないようにさせなきゃ」「とにかく、なんでも早くできたほうがいい」といった考えが無意識のうちに働くようになります。

 もちろん、自分の子どもへの期待もあるのでしょう。「もう年長さんなんだから、これくらいちゃっちゃとできるはず」「私も忙しいんだから、さっさとして欲しいわ」などなど。しかし、その期待は見方を変えれば、成長してきた子どもに親が甘えているともいえます。

 繰り返しになりますが、子どもはじっくりゆっくり育つものです。「早くしなさい!」は子どもの好奇心や自発性を奪ってしまう言葉なので、言わないようにしてきましょう。

 「ダメ!」が口癖になっていない?

 「早くしなさい!」だけでなく、「ダメ!」が口癖になっている人も多いでしょう。もちろん、私もそのひとり。しかし、「ダメ!」という言葉も子どもの好奇心や自発性を奪ってしまいます。

 たとえば、子どもが靴も履かずにパーッと外に飛び出していったとき、とっさに、「ダメじゃないの!靴下が泥だらけになってしまうでしょ。あーあ、また洗濯物が増えた」なんて叱っていないでしょうか。もしかすると、お尻のひとつも叩いているかもしれません。しかし、ちょっと待ってください。子どもには子どもなりの理由があるはずです。

 だから、まずは「どうしたの?」と聞いてみましょう。子どもが飛び出したのなら、「靴を履かずにどうして外に出て行ったの?」と聞いてみる。そうすれば、「あそこに子猫がいてカラスにいじめられそうになっていたから、追い払ってあげようと思って」なんて思わず涙しそうな答えが返ってくるかもしれません。

 そもそも、理由も聞かれずに頭ごなしに叱られたら、誰だっていい気はしませんよね。それだけでなく、次からは「子猫を助けよう」という気持ちすら持たなくなってしまうでしょう。だから、まずは「どうしたの?」と聞くことからはじめましょう。

 ちなみに、当たり前のことですが、誰かを傷つけたり、誰かのモノを壊したときなどは、しっかりとダメだということを教える必要があります。これをしないで「叱らない子育て」を名乗ってはいけません。それは、「叱らない子育て」ではなく、「甘やかす子育て」「わがままな子に育てる子育て」です。

 「ありがとう」「ごめんなさい」を率先して言ってますか?

 「叱らない子育て」で最も大切なこと。それは、「ありがとう」や「ごめんなさい」を親から率先して言うことです。

 親から「ありがとう」「ごめんなさい」といわれて育った子どもは、自己肯定感が強化されます。自分にはそれだけの価値があると認識できるからです。

 だから、「いいこと、正しいことをすれば、人から感謝される」「いけないこと、間違ったことをしたら、すぐに謝る必要がある」――そんな当たり前のことを行動を通して子どもに教えてあげましょう。そうすれば、肩ひじを張らない、素直な人間関係が築けます。

 まとめ

 「叱らない子育て」というネーミングだけをみると、何をしても「叱らない」「わがままを認める」子育てだと勘違いしてしまいがちです。実際、私もそうでした。しかし、本当の意味での「叱らない子育て」とは、親がイライラしたり、偉そうにすることで、子どもの成長機会を奪わない、伸び伸び育てる子育てのことです。

 子どもは親の背中をみて育つもの。ぜひ、子どもと素直に向き合って、ともに成長していける関係を築いていきましょう。

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