仕事やプライベート、趣味など、何もかも上手くいかないのは「自分の頑張りが足りないからだ」と思っていませんか?
私はそう思っていましたが、実はそうではありません。『がんばらない成長論』を読んで考えが変わりました。
あまり頑張らなくても、楽しく成長していける方法があるんですよね。
なぜ、成長しようとしてはいけないのか?
頑張って成長しようとしていませんか。
しかし、それが原因でツラくて苦しい毎日を過ごしているのだとしたら…。
なぜなら、私たちの中にある「成長」のイメージが、今の自分には何かが足りない、だから成長しないといけない、という「自己否定成長」になっているからです。
過去の自分も、今の自分も否定することが、出発点になっているんですよね。
ところが、過去否定、現在否定の努力では、いずれ苦しくなります。
『お金に強くなる生き方』の感想にも書きましたが、
思うような成果が出ないのは、努力が足りないからだと考え、自分を責めていると、うつ病や燃え尽き症候群になる可能性が高まるだけでなく、
高額セミナーに行ったり、よくわからない情報商材を買ってしまったりと、金銭的なダメージを受けることになりかねません。

そもそも、「好きなこと」であれば、成長しようと思わなくても、どんどん成長していきます。
それを「彼氏・彼女を作るため」だとか、「いいポジションにつくため」なんて考えて行動しているから、ツラくなるのです。
「好き」は自分が主軸ですが、「いいポジション」は他人が主軸です。
『家族>仕事で生きる。』の感想にも書きましたが、
他人の評価で得たものは、人生の最後にはまったく意味を成しません。

だからこそ、頑張らずに好きなことをして成長していくのがベストなのですが…。
具体的にどうすればいいのでしょうか。
頑張らずに成長する6つの方法
それは次の6つを実践することです。
- 合格点を低く設定する
- 「あんなふうになりたい」と思わない
- 大損する覚悟をもつ
- 気の乗らないことはしない
- 他人から叩かれても自分の好きな生き方をやめない
- 何でも「いいよ、いいよ」と許していく
それぞれ簡単に説明していきます。
1. 合格点を低く設定する
合格点を高く設定している人ほど、自分を認められずに、苦しみます。
しかし、そろそろ認めてはどうでしょうか。
私たちは「こんなもの」なんです。そして、「こんなもの」でも、大丈夫なんです。
たとえば、『小さな習慣』の感想で、新しい習慣を身につけるには、バカみたいに小さな目標を設定することが効果的だと書きました。
これから身につけたい新しい習慣は、実際に行動してみないとわからない、危険だらけの道のようなもの。
頑張って行動しても、何も褒美が得らないかもしれません。
そのため、脳は新しい習慣を身につけようとすると、その行動を妨げるんですよね。

このように、ポジティブな感情を持って行動しても、脳は現状維持を求めてしまうのに、
自分はこんなにダメで、親からも愛されない、こんな私がうまくいくはずも、幸せになれるはずもない…
なんて自己否定しながら成長しようとしても、幸せになれるわけがありません。
「今の自分で大丈夫」
そう思えた瞬間から、びっくりするような成長が始まりますよ。
2. 「あんなふうになりたい」と思わない
目標の人を目指す理由のひとつに、
- 「こういう人になれば、人から尊敬される」
- 「幸せになれる」
- 「お金がたくさん入ってくる」
はずだと思っていることが挙げられます。
言い換えれば、「今のままの自分だと愛されない」「認められない」と思っているということです。
しかし、大事なのは、「今の自分で大丈夫だ」と思うことで、
その自分にぴったりの、満足できる現実が後からやってくるということです。
『運がいいと言われる人の脳科学』の感想にも書きましたが、
脳は一人ひとり違う個性をもっているので、憧れの誰かを目指したり、世間一般で言われている幸せ、
お金持ちになりたい、大きな家に住みたい、かっこいい男性と/きれいな女性と結婚したい…
なんてありきたりな幸せを追い求めると、かえって運が悪くなります。
たとえ、これらの願望が実現しても、脳が求めているものと一致しないので、幸せを感じられないからです。

だからこそ、「自分が成長した暁にはこんなふうになりたい」という自分だけのイメージを大切にしましょう。
さらに、それは成長した未来の自分ではなく、今の自分で、すでにふさわしいのだと思うところから始めましょう。
3. 大損する覚悟をもつ
今、一生懸命、積み上げようとしている実績や結果は、「成長した」と言うための根拠になっていませんか。
それがあると、「成長した」「自分には価値がある」と言える、言ってもいい…
ところが、そういう根拠はどれだけ集めても、満足できません。
「張りぼての自信」だからです。
『アート思考』の感想にも書きましたが、
他人が定めたゴールに向かって手を動かし、次々と花を咲かせることを期待して生きていると、
どれだけ花を咲かせ続けても、根が張れていないので、他の人にも簡単に真似され、しかも早く精密に作られてしまいます。
そんな状況に陥ったら、打つ手がありません。

だからこそ、好きなことに向き合い、根を張りながら、自分なりの答えを見つけていく必要があるのですが、
その大前提は、「大損する覚悟」をもつことです。
「大損しても自分は大丈夫だ」と思える自信をもって行動することが大切なんですよね。
そもそも、張りぼての自信をもったところで、どうせ幸せにはなれないので、
「何があっても大丈夫」と自分を信じて行動していきましょう。
4. 気の乗らないことはしない
気の乗らない仕事まで引き受ける現実の延長には、気の乗らない仕事を受け続ける不幸しかありません。
まじめな人や頑張り屋さんほど、なんでも一人で抱え込みますよね。
他人に頼らず、迷惑をかけないようにして、なんでも一人でやり遂げる…
責任感が強いといえば聞こえはいいのですが、実は、これほど「迷惑」なことはありません。
漫画『ONE PIECE』の主人公・ルフィが、
「俺は剣術も使えねェんだコノヤロー!!!」
「航海術も持ってねェし!!!」
「料理も作れねェし!!」
「ウソもつけねェ!!」
「俺は助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!」
と言ったように、私たちは互いに頼り合い、迷惑をかけ合いながら生きています。

もちろん、その中でも成長していけます。
それにも関わらず、周囲に頼ろうとせず、迷惑をかけまいとして、なんでも一人でやろうとするのは、
そういう世の中のサイクルを拒否しているのと同じです。
これでは、周りにいる人たちは一緒に行動したいと思えませんよね。
だからこそ、全力を注ぐのも、労力を費やすのも、すべては自分がやりたいかどうか、楽しめるかどうかで決めるのです。
その方が、専門性も身につくので、周りの人たちからも喜ばれますよ。
5. 他人から叩かれても自分の好きな生き方をやめない
他人から叩かれて自分の好きな生き方を引っ込めるというのは、
要するに、他人の価値観に合わせて自分を抑え込むということです。
つまり、「自分らしく生きない」と決めることです。
こんなにもったいないことはありません。
『鋼のメンタル』の感想にも書きましたが、
そもそも、他人から好かれようとすればするほど、信念がない人間だと思われて、逆に嫌われてしまいます。

どうせ嫌われるなら、自分を全肯定して、のびのびと楽しく生きた方が幸せになれると思いませんか。
とはいえ、わざわざ敵を作る必要もありません。
そのため、見かけだけは柔らかくしておいて、心の中では、
「私のこと気に入らないですよね。すみません。でも、私はこれがやりたいのでやります!」
くらいの軽い気持ちで行動していきましょう。
6. 何でも「いいよ、いいよ」と許していく
今までの私たちは、自分に厳しい分、周囲にも厳しく当たっていました。
気に食わないこと、イライラすること、腹の立つこと…
そんな嫌な人や出来事に遭遇したくないと思っているにも関わらず、
実は、いつも周囲を注意深く見張って、無理やり嫌なものを探し出しているような状態でした。
つまり、知らず知らずのうちに心が「怒りたがっていた」のです。
ところが、自分が周囲に迷惑をかけはじめると、いつの間にか、多くのことが問題ではなくなります。
『怒らない技術』の感想でも紹介しましたが、
ある日、船から降りて波止場を歩いていた松下幸之助さんは、大男にぶつかられて海に落ちました。
このとき、一緒にいた秘書が、「社長、大丈夫ですか。私が文句を言ってきますよ」と言ったところ、幸之助さんは「ああ、夏でよかった」と答えたそうです。

このような心の余裕が持てるんですよね。
つまり、幸せになれる成長とは、「何かができるようになること」ではなく、「自分の器を広げること」です。
その大きなカギとなるのが、「許すこと」です。
そこで、問題と思うようなことが起きたときには、自分の器を広げるために起こったのだと思って行動してみましょう。
もちろん、すべてを許す必要はありませんが、どうでも良いことで怒らないようにしていきましょう。
まとめ
今回は、『がんばらない成長論』を参考に、幸せになるための頑張り方を紹介してきました。
幸せとは「結果」ではなく、自分がやりたいこと、すなわち「プロセスそのもの」なんですよね。
頑張り過ぎてしんどい…と感じている方は、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。
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