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 「早くしなさい」「やめなさい」「片付けなさい」などなど、私たち親が指示をしないと何もやらない子どもに育っていませんか。もし、そうだとしたら、子どもの「自己管理力」が育っていない可能性があります。

 ここでいう「自己管理力」とは、文字通り自分で自分を管理する力のこと。もちろん、幼児であれば問題ありませんが、10歳を過ぎても次のような状態に陥っているようなら注意が必要です。

  • 決めた時間を越えてもゲームがやめられずに勉強時間が確保できない
  • 思うような成績がとれないと親や先生に八つ当たりをする
  • すぐに目標達成をあきらめてしまう

 こうした状況が続けば、自発的に行動できない、他人からの指示を待つ悲しい大人になってしまいます。これでは、これからの厳しい社会を生き抜いていけるとは思えませんよね。

 では、どうすれば子どもの自己管理力が育てられるのでしょうか。

 自己管理力を育てる4つのステップ

 お母さんサポートの専門家である田嶋英子さんは、著書『子どもの「言わないとやらない!」がなくなる本』のなかで、「フツー」のひとが成功するには、「根性」や「決意」ではなく、「習慣の力」を利用するのが効果的だといわれています。

 「習慣」とは「努力せずに当たり前にできること」。子どもに努力を押し付けるのではなく、習慣の力を使って「ごく当たり前」に自己管理力を育てていこうといわれているのです。具体的には、次の4つのステップを実践することになります。

  1. やってあげる:感覚で覚える
  2. 一緒にやる:言葉で価値観を伝える
  3. ひとりでできるようになる:行動に対する承認をする
  4. 自由にやらせる:感覚と価値を手に入れた上で、自分の判断で行動できる

 では、お風呂を例にそれぞれのステップについてみていきましょう。

1. やってあげる:感覚で覚える

 お風呂に入ると、温かい、さっぱりする、ゆるむ、しっとりする、いい匂い、肌触りがよい…。そんな感覚が味わえますよね。これを身体全体で覚えさせます。小さい子どもは、まだ脳の中に「思い込み」がないので、五感を通じて入ってくる情報によって、徐々に思い込みを形成していくからです。

 つまり、小さい子どもは「お母さん(お父さん)が大切にしているものが大切なんだ」と素直に思い込むわけですね。親が時間を大切にしていたら、時間が大切だと思います。そして、時間を大切にする行動を繰り返すうちに、時間を大切にする子どもになります。

 反対に、親が粗雑に扱うものは、粗雑に扱っていいと思い込みます。乱暴な口の利き方をしたり、モノに八つ当たりをする姿は、そのまま子どもの信念体系に入り込みます。言葉がわからなくても、わからないからこそ、理屈抜きで脳の中にダイレクトに入ってしまうのです。

 だからこそ、「感覚」が大切になるわけですね。もちろん「感覚」ですから、理屈ではありません。毎日繰り返す、その習慣のなかで、どんな価値を大切にしてほしいのか、親自身も少しずつ明確にしていきましょう。

2. 一緒にやる:言葉で価値観を伝える

 毎日の習慣として「よい感覚」を手に入れながら、それを言葉でアンカリング(条件付け)していきます。「気持ちいいね」「さっぱりしたね」「ふわふわ~」など、お母さん(お父さん)の笑顔と優しい言葉で「お風呂に入るのは気持ちいい」「お風呂に入るのはいいことだ」と条件付けるのです。

 実際には、ステップ1と並行してやることになるでしょう。そうすることで、感覚だけでなく、理屈としても「お風呂に入ることはいいことなんだ」と理解できるようになります。

3. ひとりでできるようになる:行動に対する承認をする

 この段階では、自分の身体や髪を洗えるように練習しながら、自立へと促すことになります。発達段階にもよりますが、6歳から8歳くらいまででしょうか。

 一緒に入るのも楽しいですが、ひとりでも入れるようになることもカッコいいことだ、より成長したことだという価値観や自己有能感(「頑張ればきっとうまくいく」と思える力)を伝えていきます。言葉での承認や説明が有効です。

4. 自由にやらせる:感覚と価値を手に入れた上で、自分の判断で行動できる

 最終的には、「時間がくれば自分でお風呂に入る」ことを目指します。10歳くらいまでにできるようにしてあげたいですね。

 さて、このステップで最も大切なことは、「今日はお風呂に入らない」と子どもが決めたら、無理やり入らせようとはしないこと。そして、お風呂に入らないと決めた責任(頭がかゆくなる、臭いと言われる…など)を子ども自身に取らせることです。

 無理やりやらせないのは、親子といえども、価値観が違うのは当然のことだから。それを無理やり親の価値観にあわせてしまえば、いつまでも子どもの「自己管理力」は育ちません。そればかりか「指示待ちっ子」になってしまうでしょう。

 また、子どもに責任を取らさなければ、「自分は無力で、意味のない存在」だと認識するようになります。「自分には力がないので、責任をとる必要がない」と考えるようになるわけですね。

 もちろん、お風呂以外の習慣でも同じです。様々な習慣や価値観があるなかで、最終的には子ども自身がやるかやらないかを判断し、行動できるようにサポートしていく必要があります。犯罪と命に関わるときは別ですが、それ以外は子どもの判断を認めなくてはいけません。

 最後に

 私の子どもたちは、5歳と3歳なので、今回紹介したステップ1と2を実践中なのですが、私たち親がしていることを本当によくみています。そして、私たちの習慣を引き継いでいます。床にモノを放置したり、片づけをせずに次のことに取りかかったり、何かあればすぐに「疲れた」といったり…。

 もちろん、本を読むなどのいい習慣も見習ってくれていますが、この時期の子どもは、親の影響をもろに受けていることを身をもって知りました。そのため、私たち親が率先して「いい習慣」を身につけていこうと強く思っています。

 また、私はどうも口出ししすぎる傾向があるので、自立した大人に育ってもらうためにも、今から意識して口出しを控えていきたいと思います。ほんと、改善したほうがいいことが山ほどありますね…。

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