東野圭吾『新参者』感想/仕事ができる人ほど自慢をしない!?

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仕事ができると自慢していませんか?

私はそれほど仕事ができるわけではないので自慢していませんが、

私のまわりには仕事ができると自慢してくる人が結構います。

しかし、東野圭吾さんの小説『新参者』を読んで、仕事ができないからこそ自慢してくるのだと気づきました。

本当に仕事ができる人は、自慢しなくても周りが勝手に認めてくれるんですよね。

おすすめ度:5.0

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こんな人におすすめ

  • 加賀恭一郎シリーズが好きな人
  • どのような立場になっても結果を出す加賀恭一郎の姿を見てみたい人
  • 心あたたまるミステリーを読みたい人
  • 東野圭吾さんの小説が好きな人
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あらすじ:日本橋署に着任したばかりの加賀恭一郎の物語

ある出来事がきっかけで警視庁から日本橋署への異動を命じられた加賀恭一郎は、

警視庁の人間と組んで殺人事件の調査をすることになりました。

その殺人事件とは、独り暮らしの45歳の女性が自宅マンションで首を締められ、殺されている姿で発見されたというもので、

部屋が荒らされていなかったことから、顔見知りの犯行だと考えられていました。

加賀もこの事件を捜査することになりましたが、

所轄の刑事ということもあり、殺人事件そのものではなく、そのまわりで起きた不可解な内容を調査することになります。

保険外交員である田倉のアリバイ調査もそのひとつです。

田倉は被害者の家を訪れた後、日本橋にある煎餅屋に寄ってから会社に戻り、帰宅したと証言していましたが、

この証言が正しければ、空白の30分がうまれ、犯行を行うことができます。

そこで加賀は、彼が寄ったという煎餅屋に行き、娘の菜穂と祖母の聡子に話を聞きました。

菜穂の母は、彼女が小学校に入る前に交通事故で亡くなっており、父の文孝と3人で暮していましたが、

元気だと思っていた聡子が2ヶ月ほど入院したので、保険外交員の田倉に入院給付金の手続きをしてもらったと言うのです。

しかし、この話を聞いた加賀は、なぜか田倉がスーツの上着を着ていたかどうかを気にしました。

その理由は…。という物語が楽しめるミステリーです。

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感想①:仕事ができるかどうかは立場では決まらない

先ほどあらすじでも紹介したように、加賀恭一郎は所轄に異動を命じられ、殺人事件そのものの捜査はさせてもらえませんでしたが、

それでもクサることなく仕事に取り組みました。

むしろ、事件によって傷つけられた人たちも被害者だと考えて、

彼らの傷を癒すために真実を明らかにしていくんですよね。

ドラマ『相棒』でも、ある事件をきっかけに「特命係」に追いやられた主人公の杉下右京が、

同僚たちから捜査情報を共有してもらえなくても事件の真相を明らかにしていく姿が描かれていますが、

それと同じように、所轄という立場になっても、事件の真相に迫っていく加賀恭一郎の姿を通して、

仕事ができるかどうかは立場では決まらないことが改めてわかりました。

立場を超えて能力を発揮していく加賀恭一郎が、カッコよく思える物語なんですよね。

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感想②:日本橋で起こった小さな問題が殺人事件へとつながっていく

加賀恭一郎が調査することになったのは、あらすじでも紹介した煎餅屋の物語以外に、

  • 夫の浮気に悩む女将
  • 嫁姑問題に悩む瀬戸物屋
  • 娘を勘当した時計屋の親父

などがありますが、どれも殺人事件とは関係なさそうな家族問題ばかりでした。

ところが、こうした小さな問題を解決していくことで、殺人事件の全貌が明かになっていくんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『ホワイトラビット』では、異なる複数の問題が一気に解決していく面白さが味わえましたが、

伊坂幸太郎『ホワイトラビット』はワクワクと驚きがとまらなくなる物語
最近、ワクワクしていますか? 私はワクワクしていないなぁ…と思っていましたが、伊坂幸太郎さんの小説『ホワイトラビット』を読んでワクワクと驚きがとまらなくなりました。 想像を上回る展開にページをめくる手が止まらなくなったんですよね...

この物語では、それとは対照的に、一つひとつの小さな調査の積み重ねが、殺人事件の解決へとつながっていく面白さが味わえます。

とはいえ、どちらもラストでは、すべてがつながっていく気持ち良さと驚きが味わえるので、

ページをめくる手が止まらなくなりますよ。

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感想③:加賀恭一郎のセリフにグッとくる

ここまで、『新参者』は、加賀恭一郎が小さな問題を解決していく物語だと紹介してきましたが、

その小さな問題には、殺人事件とは無関係な家族のものだけでなく、被害者家族やその友人に起こった問題も含まれていました。

それだけでなく、警視庁の刑事が抱えていた問題まで解決していくんですよね。

実は、問題を抱えていた刑事は、はじめは加賀のことを見下していたのですが、

自分が抱えていた問題と殺人事件をまとめて解決していく姿をみて、加賀に「あんた一体、何者なんだ?」と尋ねます。

すると、加賀は、

「何者でもありません。ただの新参者です」

と答えるのですが、カッコ良すぎですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『アヒルと鴨のコインロッカー』でも、

タイトルに込められた意味とセリフがリンクするところにグッときましたが、

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哲学とユーモアを持って生きていますか? 私は自分なりの哲学を持って生きているつもりですが、もっと深めていきたいと思って読書に励んでいます。 一方のユーモアは、お笑い好きなので少しは身についていると思うのですが…。 伊坂幸太...

それと同じくらい、加賀のこの言葉にグッとくる物語でした。

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まとめ

今回は、東野圭吾さんの小説『新参者』のあらすじと感想を紹介してきました。

所轄に異動になっても、圧倒的な実力と優しさを見せる加賀恭一郎に魅せられる物語です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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