しゃばけシリーズはお好きですか?
今回紹介する畠中恵さんの小説『ねこのばば』は、しゃばけシリーズ第3弾の物語ですが、魅力的な新キャラクターが多数登場します。
それだけでなく、ついに一太郎の幼馴染・春ちゃんが結婚するんですよね。
しゃばけシリーズファンとしては、ぜひ読んでおきたい物語です。
おすすめ度:
こんな人におすすめ
- 『しゃばけ』シリーズが好きな人
- 一味違う時代ミステリーを読んでみたい人
- 魅力的な妖怪が多数登場する物語が好きな人
- 畠中恵さんの小説が好きな人
あらすじ:寝込んでばかりいた若だんながご飯をお代わりする物語
前作『ぬしさまへ』でも寝込んでばかりいた一太郎が、なぜかご飯をお代わりします。

そんな一太郎を目の当たりにした仁吉と佐吉が「一体どうしたの?」と心配していると、茶巾たまごの中から金の粒が見つかりました。
先日も古い箪笥から金子が出て来たりと良いことずくめです。
もしかして、最近、長崎屋で雇った金次は福の神なの!?
一方、若だんなの兄・松之助は、道端で男に絡まれていた大村屋のお嬢さんを助けました。
これがきっかけで彼女と縁談することになりましたが、縁談相手であるおまきは、なぜか松之助の顔を覚えていませんでした。
さらに、おまきの姉が何者かに殺されます。一体どうなっているの!?
若だんなはこれらの謎にどう挑むのか…という物語が楽しめます。
ミステリー要素の強い短編集
『ねこのばば』は、あらすじで紹介した物語を含めて全5篇で構成されている短編集です。
前作までと比べるとミステリー要素が強くなっているんですよね。
なかでも特におすすめなのが、『茶巾たまご』『花かんざし』『たまやたまや』の3篇です。
『茶巾たまご』については、あらすじで紹介したので、残り2篇について簡単に紹介していきます。
『花かんざし』
苦い薬を飲み干したご褒美に、兄やたちに江戸広小路と呼ばれる賑やかな場所に連れて行ってもらうことになった一太郎。
そこで妖怪が見える少女・於りんと出会います。
於りんは裕福な家の子に見えましたが、まわりに両親の姿はありませんでした。
そこで、岡っ引きである日限の親分に探してもらうことにします。
ところが、家が見つかると、於りんは「家に帰ったら殺される」と言い出しました。
気になった一太郎が、彼女の家に行ってみると…。
一太郎は、於りんを守れるのか!?
『たまやたまや』
一太郎が放蕩息子になる!?
仁吉と佐吉に内緒で出かけた一太郎は、献残屋の息子・庄蔵の身辺調査をしていました。
庄蔵が幼馴染である春ちゃんの婚約相手だったからです。
しかし、良い噂は聞けませんでした。
金貸しの用心棒みたいな浪人に追いかけられたり、複数の女性と縁談をしたりと、悪い話ばかりです。
しかも、侍に追いかけられていた庄蔵とばったり出会った一太郎は、とばっちりを受けて捕らえられることになりました。
一太郎は、このピンチをどう切り抜けるのか!?
…という物語が楽しめる小説です。
魅力的な新キャラクターが多数登場
『ねこのばば』では、魅力的な新キャラクターが多数登場します。
先ほど紹介した於りんもそのひとりですが、彼女の叔父の婚約者・お雛ちゃんも魅力的です。
お雛ちゃんは、誰もが驚くような厚化粧をしていましたが、頭がキレる人物でした。
一太郎は彼女と少し話をしただけで、その聡明さに驚きます。
他にも、がりがりに痩せて、あばらが浮き、顔も骸骨に皮を張り付けたようで、見ていると何故だか気分が暗くなる金次や、
妖封じの力を持つ寛朝御坊など魅力的な新キャラクターが多数登場します。
もちろん、お馴染みのキャラクターたちも負けてはいません。
ついに春ちゃんが結婚するんですよね。
春ちゃんは一太郎のことが好きでしたが、一方の一太郎は、彼女を妹のようにしか思っていませんでした。
しかし、いざ結婚するとなると…。
一太郎の想いが痛いほど伝わってくる物語です。
まとめ
今回は、魅力的な新キャラクターが多数登場する畠中恵さんの小説『ねこのばば』を紹介してきました。
これまでよりもミステリー要素の強い物語が楽しめたり、春ちゃんの結婚に胸が締めつけられたりする物語なので、
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
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