webstation plus

(※『茄子の輝き』表紙より)


 滝口悠生さんの小説『茄子の輝き』。

 数年前に妻と離婚した男性があれこれ過去を振り返る物語です。読めば「妻を大切にしよう!」と思うこと間違いなし!?

 今回は『茄子の輝き』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『茄子の輝き』のあらすじ

 数年前に妻と離婚した一ノ瀬が妻との記憶をあれこれ思い返す短編集です。

 一ノ瀬は、10年前に妻と旅行にいった記憶を毎晩思い返していました。妻との記憶だけが彼の生きがいだったからです。

 しかし、職場で千絵ちゃんという女性と出会い、彼女に恋をします。とはいえ、「付き合いたい」という願望は抱いておらず、遠くから眺めて癒されるという淡い関係。

 そんな一之瀬が、千絵ちゃんのことを考えて癒されたり、彼女が仕事をやめるときに二人で居酒屋に行ったり、会社がつぶれた後、彼女のことを思い返したりする物語です。

 何気ない日常を描いた小説

 基本的にはこれといった出来事が何も起こらず、ゆるい感じで過去を振り返ったり、今が過ぎていく物語です。

 私はこういった日常系の物語は苦手なんですが、それでも最後まで読めたのは、どこかに面白みがあったからなんでしょうね。

 そういえば、本『英雄の書』に、

「才能というのは人には理解できないもの。共感できないもの。それでも憧れを抱いてしまうもの」

 と書かれていましたが、それと似たような感覚が味わえたのかもしれません。

 妻を大切にしようと思う物語

 とにかく、妻がいなくなったことを後悔というか悲しい気持ちで何度も振り返る一ノ瀬。

 千絵ちゃんや居酒屋で出会った女性と会話をしても、思いを馳せるのは元妻のこと。

 離婚というのはそれほど衝撃的な出来事なんでしょうね。そんな思いをするくらいなら、離婚なんてしなければいい、今よりも妻との関係が良くなるように行動しよう!?と思える物語です。

 最後に

 滝口悠生さんの小説『茄子の輝き』。読めば「妻を大切にしよう!」と思うこと間違いなし!?

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

 こちらのエントリでも紹介しています。

 関連記事

こだわりを持って生きている?小川洋子『人質の朗読会』は不思議なのに心に残る小説

(※『人質の朗読会』表紙より)  小川洋子さんの小説『人質の朗読会』。  地球の裏側にある村で反政府ゲリラの人質になった8名は、暇つぶしに朗読を始めますが、いつの間にか自分の過去と向き合い、真剣に朗読しあうようになりまし …

若だんなに勇気づけられる!?畠中恵『うそうそ』は他人を犠牲にしても利益を得ようとする人たちを描いた小説

(※『うそうそ』表紙より)  畠中恵さんの小説『うそうそ』。  しゃばけシリーズ第5弾の本作は、相変わらず病弱な若だんなが箱根で誘拐事件、天狗の襲撃、止まらない地震などの厄介ごとに巻き込まれる物語です。  読めば、若だん …

これで最後!?東野圭吾『禁断の魔術』は科学よりも大切なものがあることを教えてくれる小説

(※『禁断の魔術』表紙より)  科学を何よりも信じていませんか。  私は信じていました。科学的な根拠があることが、何よりも正しいことだと考えていました。  しかし、東野圭吾さんの小説『禁断の魔術』を読んで少し考えが変わり …

『子育てはもう卒業します』は自分らしく生きようと思える小説

(※『子育てはもう卒業します』表紙より)  垣谷美雨さんの小説『子育てはもう卒業します』。  3人の女性の青春時代から中年になるまでの人生を描いた小説です。読めば「子ども優先で生きるのはやめ、自分らしく生きよう」と思うこ …

毎日が勝負!?池井戸潤『ルーズヴェルト・ゲーム』は会社と野球部の逆転劇を描いた小説

(※『ルーズヴェルト・ゲーム』表紙より)  毎日、闘っていますか。  私は闘っていません。会社に行って「今」という時間をやり過ごしているように思います。目の前の仕事に追われて、流されている感じ。  しかし、池井戸潤さんの …

殺人よりも怖ろしいのは妻!?伊坂幸太郎『AX』は家族想いの殺し屋に感動する物語

(※『AX』表紙より)  伊坂幸太郎さんの小説『AX』。  殺し屋シリーズ第三弾の本作は、これまでのシリーズとは異なり、怒りが湧くことなく楽しめる物語です。読めば、家族想いの殺し屋に泣いたり笑ったりすること間違いなし!? …

好きなことを仕事にするのは本当に幸せなのか?東野圭吾『眠りの森』感想

(※『眠りの森』表紙より)  人生を捧げてもいいと思えるほどの「好きなこと」がありますか。  収入が減っても、プライベートな時間がなくなっても、結婚や恋愛が出来なくても、やりたいと思えること。  そんな何かを持っている人 …

仕事に人生をかけてる?塩田武士『騙し絵の牙』は大泉洋をあてがきした小説

(※『騙し絵の牙』表紙より)  仕事に人生をかけてますか?  私はかけていません。仕事の悩みは星の数ほどありますが、どれも「叱られたくない!」というネガティブな感情からスタートしています。  「成し遂げたいことがある」な …

人の不幸の上に幸せは築けない!?東野圭吾『容疑者Xの献身』は泣ける小説

(※『容疑者Xの献身』表紙より)  東野圭吾さんの小説『容疑者Xの献身』。  数学教師の石神が隣の部屋に住む女性を守るために、人生をかけて献身する物語です。読めば「人の不幸の上に幸せを築くことなんてできない」と思うこと間 …

誰もが宗教に関わっている!?今村夏子『星の子』は新興宗教にハマった家族を描いた小説

(※『星の子』表紙より)  宗教は自分には関係のないものだと思っていませんか。  私は思っていました。洗脳された人が、怪しいものを買ったり、変な行動を取ったりするものだと思っていました。  しかし、今村夏子さんの小説『星 …