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 権力を握っている人に媚びを売って生きていませんか?

 私は両親から「いつまでも反抗期だねぇ」と言われるほど、権力に媚びを売らずに生きてきましたが、伊坂幸太郎さんの小説『モダンタイムス』を読んで、その生き方で良かったかなと思えるようになりました。

 圧倒的な力に屈することなく、自分の手の届く範囲の幸せを守ろうとする主人公たちに共感できたんですよね。

 ちなみに、『モダンタイムス』は、『魔王』の50年後が舞台の物語です。物語としてはあまり繋がっていませんが、未読の方はこちらからどうぞ。

 恐ろしい妻がいるにも関わらず浮気をした主人公

 では、あらすじから。

 物語の主人公はシステムエンジニアの渡辺拓海。彼には恐ろしい妻がいましたが、同じ職場で働いている桜井ゆかりと浮気をしていました。

 しかし、妻の佳代子に浮気を疑われてしまいます。その結果、拓海は妻が雇った格闘家のような男に襲われ、椅子に縛られ、拷問されそうになりました。

 その男は拓海に「勇気はあるか?」と問いかけてきます。

 何とかその場をしのいだ拓海でしたが、翌日、会社に出社すると、突然行方をくらませた先輩・五反田の仕事を引き継ぐことになりました。

 その仕事とは、「ゴッシュ」という謎だらけの会社が運営している出会い系サイトの仕様変更で、難しいものではありませんでしたが、暗号が隠されていました。

 拓海は一緒に仕事をすることになった後輩の大石倉之助とその暗号解析に夢中になりますが、これがキッカケで恐ろしい事件に巻き込まれることになります。

 実は、その暗号プログラムは…。

 国家という大きなシステムが人々を支配している物語

 国が運営していたシステムだったのです。

 『播磨崎中学校』『安藤商会』『個別カウンセリング』といった特定のキーワードで検索した人を炙り出すためのものだったんですよね。

 実際、倉之助がそれらのキーワードでウェブ検索したとろ、痴漢の主犯格として捕まりました。もちろん、彼は痴漢などしていません。

 その後も、特定のキーワードで検索した人たちに次々と不幸な出来事が起こります。拓海自身もリアルな兎のお面をかぶった男に拷問されることになりました。

 では、これらのキーワードには一体どんな意味が隠されているのでしょうか。

 実は、「播磨崎中学校」は、5年前に乱射事件が起きた学校だったのです。覆面を被った9人が学校に押し入り、生徒たちを次々と殺していったんですよね。

 このとき、犯人に立ち向かっていったのが用務員の永島丈です。彼はこの事件がキッカケで、英雄扱いされるようになり、今では国会議員になっていました。

 つまり、この物語は…。

 悪いことをしても痛みを感じない奴は許さない

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、伊坂幸太郎さんの小説『モダンタイムス』は、大きな流れには逆らえなくても小さな幸せは守りたいと思える物語です。

 とくに、夫の浮気を疑って拷問を仕掛けた拓海の妻・佳代子がカッコ良すぎなんですよね。彼女は「悪いことをしても痛みを感じない奴は許さない」と、悪い奴らと徹底的に戦います。

 私も彼女のように強くありたいと思いました。

 とにかく、『モダンタイムス』は、サスペンスとしても、恐妻家に悩まされる男性の物語としても、国家権力に立ち向かう主人公たちの物語としても面白いので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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