webstation plus

(※『真夏の方程式』表紙より)


 東野圭吾さんの小説『真夏の方程式』。

 仕事で玻璃ヶ浦(はりがうら)にやってきた湯川准教授が小学五年生の恭平と出会い、思わぬ事件に巻き込まれる物語です。読めば感動すること間違いなし!?

 今回はガリレオシリーズ第6弾『真夏の方程式』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『真夏の方程式』のあらすじ

 玻璃ヶ浦で海底からレアメタルなどの鉱物を掘り出そうとする企業・デスメック。

 そのアドバイザーとして呼ばれた湯川は、電車で出会った少年・恭平の伯父が経営する旅館に泊まることにしました。

 しかし、その翌日。宿泊客が死体となって発見されます。最初は事故と思われましたが、その後の調べで他殺の可能性が。

 湯川が自らの意思でこの事件の謎に迫る!?

 『真夏の方程式』のおすすめポイント

1. 子どもと向き合う湯川准教授が魅力的

 恭平は、「大人たちは何の根拠もなく、子どもとは秘密を共有できないと思っている」と大人に不信感を抱いていました。

 伯父の家に預けられたのも、両親の仕事の都合。恭平の意見を聞く振りはしますが、嫌がったところで行くしかありません。

 そんな恭平の前に、彼を一人の大人として扱ってくれる男性が現れます。それが湯川准教授。

 宿泊客が亡くなったときも、誰もそれを教えてくれませんでしたが、湯川だけが教えてくれました。

 その後も、湯川は科学の面白さを教えたり、ペットボトルロケットで海底を一緒に見たり、宿題を手伝ったりと恭平と真正面から向き合います。

 そんな湯川准教授が魅力的な物語です。

2. 過去と現在の殺人事件がリンクする!?

 湯川と同じ旅館に泊まった宿泊客が殺された事件は、意外な方向へと進んでいきます。

 彼は堤防から落ちて死んだと思われていましたが、死因は一酸化炭素中毒によるもの。しかも、元刑事で16年前に起こった殺人事件の真相を追いかけていました。

 過去と現在の事件が繋がる!?

3. ラストに感動のセリフが!?

 今回の作品では、湯川准教授は自ら事件解決に乗り出します。これまで警察に協力するのを渋っていたのに、なぜ今回は自ら動き出したのでしょうか。

 それは、

誰かの人生がねじ曲げられようとしている

 からでした。そして全ての謎が解けたとき、彼はこんなセリフを言います。

どんな問題にも答えが必ずある。だけどそれをすぐに導き出せるとはかぎらない。人生においてもそうだ。今すぐ答えを出せない問題なんて、これから先、いくつも現れるだろう。そのたびに悩むことに価値がある。しかし焦る必要はない。答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。だから人間は学び、努力し、自分を磨いていかなきゃいけない。

 さらに、この後に続くセリフで感動すること間違いなし!?

 最後に

 東野圭吾さんの小説『真夏の方程式』。読めば感動すること間違いなしの物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

 こちらのエントリでも紹介しています。

 関連記事

なぜ一流の人たちは異業種の仕事でもすぐに成果を出せるのか?/東野圭吾『マスカレード・ナイト』感想

(※『マスカレード・ナイト』表紙より)  一流と呼ばれる人たちは、異業種の仕事でもすぐにできるようになりますよね。  たとえば、ホリエモン。ITという得意分野を活かしながら、食やエンタメ、ロケット事業などにも参入していま …

適量を知ることが自分らしく生きる秘訣/柚木麻子『BUTTER』感想

 首都圏連続不審死事件をご存知ですか。多くの男性を虜にして多額の経済的援助を引き出すことに成功した女性・木嶋早苗さんが犯した殺人事件です。  しかし、彼女は若くもなく、美しくもなく、スリムな体型でもありませんでした。そん …

変わり者が少女を救う/瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』感想

 最初の数ページがつまらないと本を閉じたくなりますよね。  本屋大賞2019で見事1位に輝いた小説『そして、バトンは渡された』がそうだったのですが、我慢強く飛ばし読みしていくと、突然、面白くなりました。  最初 …

これで最後!?東野圭吾『禁断の魔術』は科学よりも大切なものがあることを教えてくれる小説

(※『禁断の魔術』表紙より)  科学を何よりも信じていませんか。  私は信じていました。科学的な根拠があることが、何よりも正しいことだと考えていました。  しかし、東野圭吾さんの小説『禁断の魔術』を読んで少し考えが変わり …

こだわりを持って生きている?小川洋子『人質の朗読会』は不思議なのに心に残る小説

(※『人質の朗読会』表紙より)  小川洋子さんの小説『人質の朗読会』。  地球の裏側にある村で反政府ゲリラの人質になった8名は、暇つぶしに朗読を始めますが、いつの間にか自分の過去と向き合い、真剣に朗読しあうようになりまし …

『小太郎の左腕』は出世の代償は高くつくことを教えてくれる小説

(※『小太郎の左腕』表紙より)  和田竜さんの小説『小太郎の左腕』。  山奥でひっそりと暮らす小太郎が、戸田家の名将・林半右衛門(はやし はんえもん)によって戦場に連れ出され、圧倒的な力を発揮する物語です。読めば、出世の …

普通って何?村田沙耶香『コンビニ人間』は自分らしく生きる女性を描いた小説

(※『コンビニ人間』表紙より)  2016年に芥川賞を受賞した小説『コンビニ人間』。  普通とは何か?自分らしく生きるとはどういうことか?など、いろいろ考えさせられる物語です。あまりの面白さに一気読みしてしまうこと間違い …

本当に結婚しなくても大丈夫?/垣谷美雨『うちの子が結婚しないので』感想

 「結婚なんて古いシステムに縛られる必要なんてない!」という議論が盛んですよね。  しかし、本当にそうなのでしょうか。人によっては結婚した方がいい人もいるように思います。  それにも関わらず、あまり未来を想像せずに、他人 …

身近な人ほど人間関係は難しい/有川浩『図書館内乱』感想

 人間関係って難しいですよね。  親子や兄弟、夫婦や親友など身近な人ほどお互いの意見を尊重する必要があります。そうしないと、すぐに破綻するからです。  それにも関わらず、身近な人ほど「こう考えているはずだ」と相手の気持ち …

いじめをする人間にはアイデアがない/伊坂幸太郎『ガソリン生活』感想

 最近、いじめの話題が多いですよね。もちろん、いじめをしている人間が100%悪いのですが、それだけでなく彼らには決定的に足りない能力があります。  それはアイデアを生み出す力。楽しい遊びを生み出す力がないので、いじめをし …