この世には2種類の女性がいる/湊かなえ『母性』感想

おすすめ小説

(※『母性』表紙より)

 数日前に湊かなえさんの小説『未来』を読んで「面白くない!」という感想を書いたので、改めて湊さんの面白い小説に出会いたいと思い『母性』を読みました。

 結果、書き出しから惹きつけられ、『未来』とは比べものにならないほど面白かったです。一気読みするほどに。

 そこで今回は、湊かなえさんの小説『母性』のおすすめポイントを紹介します。




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 『母性』のおすすめポイント

1. この世には2種類の女性がいることがわかる

 この世には2種類の女性がいます。それは母と娘。ただし、子どもを産んだからといって誰もが母になれるとは限りません。

 たとえば、子どもよりも自分の気持ちを優先するお母さんっていますよね。誰かに褒めて欲しくて、子どもが頑張ったことでも、まるで自分のおかげでそれが達成できたかのように話すお母さんです。

 他にも、子どもが何も言っていないのに、「こう言ってたよ」と子どもの気持ちを勝手に代弁したり、手出し・口出しが過ぎるお母さんもそうです。

 なぜそんなことをするかといえば、他人から褒めて欲しいから。子どもよりも自分が注目されたいからです。

 そんな親に育てられたらどうなるのか――これが本書のテーマ。あまりにもリアルに描かれているので恐怖すら感じます。

 では、ある女性が母か娘かを見極める方法はあるのでしょうか。

 本書では、娘でいたい女性は「子どもをできる限り、大切に育ててきた」などと大げさな表現をすると書かれています。

 本当に愛情を込めて育ててきた人は、普通のことをしてきたと言いますよね。肉じゃがやサバの味噌煮などの手料理を毎日作ってる人が「おふくろの料理を作ってきた」と言わないのと同じです。

 しかし、インスタント食品とか三食ろくに食べさせてない親に限っておふくろの味をとか栄養バランスのとれたメニューをとか言い出します。

 だからこそ、「私は子どもに愛情込めて育ててきた」などと言い出す女性に出会ったら要注意。母親になれていない女性だからです。

 本書を読めば娘のままでいる人が子育てをすることの恐ろしさがわかります。

2. 娘でいたい母に育てられるとどうなるのか?

 では、そんな自分のことしか考えない母に育てられた子どもはどうなるのでしょうか。

 実はグレるのはマシな方で、悪いケースだと、とても良い子であろうとするそうです。本書の娘のように、なんとしてでも母から愛されようと極端に親の言うことを聞く子に育ってしまうんですね。

 表面上は勉強もできて、正義感も強く、母親思いの良い子に見えますが、実態は自分がない虚ろな存在。母親に好かれるためだけに行動しているので、「こうしたい」という想いがありません。

 そのため、自分で考える力がつかず、将来どうなっていきたいのか考えることさえできなくなります。さらに悪化すると、母のためなら他人に酷いことをしても心が痛みません。

 一生懸命に母を想って生きているだけに可哀想ではありますが、これでは子どもが自分の人生が生きられるはずがありません。

 母が大人になりきれていないと、子どもが不幸になることがわかる物語です。

3. 娘に育てられた子どもは一生不幸なのか?

 では、そんな状態に陥った子どもは一生不幸なのでしょうか。

 本書では極端な出来事を経験することで変わっていく姿が示されています。人生が180度ひっくり返るほどの衝撃的な出来事です。

 人は誰もが現状維持を望んでいます。それを大きく変えるには、それ以上の出来事に遭遇するしかないのかもしれません。

 どれほど衝撃的な出来事なのかは、実際に読んでみてください。

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 最後に

 湊かなえさんの小説『母性』。

 これから母親になろうとしている人、すでに母親になっている人にぜひ読んでほしい物語です。気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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