問題を解決していく面白さが味わえる小説/東野圭吾『魔力の胎動』感想

おすすめ小説

(※『魔力の胎動』表紙より)

 発売前から楽しみにしていた小説『魔力の胎動』。

 ようやく読み終わりましたが、想像以上に面白かったです。すでに前作『ラプラスの魔女』を読み返すほどに。

 今回は東野圭吾さんの小説『魔女の胎動』のおすすめポイントを紹介します。




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 『魔女の胎動』のおすすめポイント

1. 問題を解決してく過程が面白い物語

 本書は『ラプラスの魔女』の前日譚。主人公の羽原円華が特殊な能力を使って問題を解決していく面白さが味わえる短編集です。

 たとえば、第1章『あの風に向かって飛べ』では勝てないスキージャンプ選手・坂屋の悩みを解決します。

 過去に右膝を痛めた坂屋は、完治後も右膝を庇うような飛び方をするのでスコアが伸びずに悩んでいました。

 もちろん、練習に励み、鍼治療をするなど少しでもスコアが伸びる努力を重ねていましたが、結果は出ないまま…。

 そこで円華があることを提案します。円華の合図でジャンプをすれば風を味方につけられると言うのです。

 はじめは疑っていた坂屋でしたが、実際に試してみると――。

 というように、円華が特殊な能力を使って5人の悩みを解決していく物語です。その過程が面白くて仕方ないんですよね。

 最後はハッピーエンドで終わるとわかっていても読まずにはいられない物語です。

2. ストレートにモノを言う円華の言葉が心に刺さる

 先ほども書いたように円華は他人の悩みを解決していきますが、決して甘いものではありませんでした。

 たとえば、第2章『この手で魔球を』では、ナックルボールを受けられなくなった若手選手を立ち直らせようとするベテラン選手に向かってこんな言葉を投げかけます。

「スランプになった選手のことなんか、ほうっておけばいいと思う。プロなんだから、自分の力で立ち直らせるべきだよ。それができないならやめるしかない」

 とはいえ、厳しい言葉を投げかけるだけではありません。その後、他人の悩みなのに率先して問題解決に乗り出します。

 こういった円華の姿をみていると、現実と向き合うのは厳しいけれど、向き合いさえすればそこから変わっていけるように思えてくるんですよね。

 円華の言葉と行動で前向きになれる物語です。

3. 前作『ラプラスの魔女』を読み返したくなる物語

 この物語には、円華以外にもう一人の主人公がいます。それが針治療を仕事とするナユタ。

 物語の序盤では、なぜ彼が出てきたのかわかりませんでしたが、終盤になるにつれて『ラプラスの魔女』との関わりが示され、彼が抱えている闇も明らかになっていきます。

 そして最後は『ラプラスの魔女』の核心に迫るエピソードが語られ、物語の幕が閉じるのですが、あまりにも突然の終わりに『ラプラスの魔女』を読んで補完せずにはいられません。

 新キャラクターのナユタを違和感なく登場させながら、『ラプラスの魔女』へとつなげていく。東野圭吾さんの構成力にしてやられる物語です。

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 最後に

 東野圭吾さんの小説『魔女の胎動』。

 前作『ラプラスの魔女』を読まれていない方にもおすすめの物語です。気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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