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 何も行動は起こさないのに、調子の良いことばかり言っていませんか?

 私は口にしたことは出来るだけ行動するようにしていますが、知り合いのなかにも調子の良いことばかり言っている人がいるんですよね。

 東野圭吾さんの小説『悪意』は、そんな人の言葉に惑わされないようにしようと思える物語です。

 殺人を犯した売れない作家の物語

 では、あらすじから。

 日高邦彦は人気作家でしたが、『禁猟地』という小説を描いたことで、藤尾美代子という女性から抗議されていました。

 彼女の兄である藤尾正哉がその小説の主人公のモデルになっており、彼が中学生の頃に侵したいじめの数々が克明に描かれていたからです。

 日高はそんな彼女のことを面倒に思っていましたが、それだけでなく、近所に住む猫好きのおばさんにも嫌気がさしていました。

 彼の家によくそのネコがやって来て、糞をしていたからです。もうすぐカナダで暮らす予定の彼は、家を誰かに貸そうとしていましたが、猫除けがあるせいで借り手がつきませんでした。

 そこで日高は毒団子を作って庭に置いておき、その猫を殺したと言います。

 ところが、そんな日高が殺されてしまいます。犯人はその日彼の家にやって来た藤尾美代子か、売れない作家で日高の親友である野々口に絞られますが、どちらにもアリバイがありました。

 その謎を解き明かしたのが…。

 犯行を認めても動機を語らない犯人

 加賀恭一郎でした。

 彼は野々口が記録していた手記から矛盾を見つけます。野々口は日高が殺された当日の18時に彼と電話で会話をしたと証言していましたが、その時刻に生きているはずがなかったからです。

 他にも野々口の手記から矛盾を見つけた加賀は、日高を殺した犯人を野々口だと特定しますが、なぜか野々口は動機を語りませんでした。

 なぜなら、そこにはある秘密が隠されていたからです。野々口は日高のゴーストライターだったのです。

 それだけでなく、加賀の調査によって野々口が日高の前妻と関係があることが明かされていきます。

 そうして動機を明らかにしていった加賀でしたが、なぜか野々口の手記に書かれていた日高と実際の彼には相違があるように思えて仕方ありませんでした。そこで加賀は…。

 言葉に惑わされては真実は見抜けない

 この続きは実際に本書を読んでもらうとして、東野圭吾さんの小説『悪意』は他人の言葉に惑わされないようにしようと思える物語です。

 もちろん、ミステリーとしても面白く、最後には驚きが待っているので、気になった方はぜひ読んでみてください。

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