藤岡陽子『メイド・イン京都』は望ましい人生を歩むには自分の思いを伝えることが大切だとわかる物語

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自分の思いを伝える努力をしていますか?

私は出来るだけ自分の思いを伝えるようにしていますが、

藤岡陽子さんの小説『メイド・イン京都』を読んで、改めて望ましい人生を歩むには、自分の思いを伝えることが大切だとわかりました。

それだけでなく、京都人の意地の悪さがよくわかる物語だったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 京都に実家がある男性と婚約した主人公の物語に興味がある人
  • 京都人の意地の悪さが描かれている物語を読んでみたい人
  • 望ましい人生を歩むには自分の思いを口にすることが大切な理由を知りたい人
  • 藤岡陽子さんの小説が好きな人
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あらすじ:京都に実家がある男性と婚約した主人公の物語

物語の主人公は、32歳の十川美咲。

彼女は、これまで暮らしていた東京から離れて、京都にある古川和範の実家で、しばらく暮らすことになりました。

彼の父親が亡くなり、勤めていた銀行を退職して家業を継ぐので、結婚して欲しいとプロポーズされたからです。

こうして美咲は、彼の実家でしばらく暮らすことになったわけですが、彼の実家は想像していた以上に裕福でした。

飲食店を営んでいると聞いてはいましたが、実際は和食レストランを五店舗、それ以外にも土産物屋や老舗旅館など手広く経営していたのです。

それもあって、和範は実家に帰った途端、美咲に偉そうに振る舞うようになり…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:京都人の意地の悪さがよくわかる

あらすじで、和範は実家に帰った途端、美咲に偉そうに振る舞うようになったと紹介しましたが、

それは京都人が心の底に秘めている意地の悪さが露骨に出てきたからでした。

たとえば、彼の母親である真知子は、はじめは美咲にも好意的に接していましたが、

すぐに妻のように息子の世話をするようになり、美咲が何か言うと「口出しすることやない」と言うようになります。

嫁が偉そうに口出しするなと言うのです。

離婚して実家に出戻っている和範の姉・知佳もそうです。

自分は何の手伝いもせずに遊び呆けていましたが、

暇を持て余していた美咲がミシンでTシャツの刺繍を始めたところ、「お暇やなぁ」「なにしに京都にきはったんやろ」と言って、友達とバカにしはじめました。

もちろん、そんな家庭で育った和範もそうです。

美咲がミシンでTシャツの刺繍を始めると、

美咲がいま稼がなくていいのは、おれがこの先養っていくからだ。だったら、おれが嫌がることはやめてくれないかな。おれを不快な気分ににさせてまで自分の好きなことをするって、おかしくないか。

と言い出すんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『フーガはユーガ』では、暴力で子供を支配しようとする父親の姿が描かれていましたが、

伊坂幸太郎『フーガはユーガ』感想/極悪非道の人間に立ち向かうにはどうすればいい?
世の中には悪い奴らが大勢いますよね。 そんな悪い奴らに立ち向かうにはどうすればいいのでしょうか。 もちろん、瞬間移動しかありませんよね。 伊坂幸太郎さんの小説『フーガはユーガ』は、瞬間移動という特殊能力を持った双子の主人公...

この小説では、プライドの高い意地悪な京都人が寄ってたかって一人の女性を支配しようとする姿が描かれていました。

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感想②:自分の好きを大切にしてくれる人と暮らしたくなる

先ほども書いたように、和範の実家で暮らし始めた美咲は何もすることがなくなり、暇を持て余していましたが、

西陣の店で見た作品に触発されて、ミシンでTシャツに刺繍するようになりました。

さらに、大学時代の同級生で、現在は陶芸家である仁野佳太に会いにいったことで未来が動き始めます。

佳太の知り合いのバイヤーにそのTシャツを見せたことで、商品として売り出そうという話になったからです。

ところが、和範は「小遣い稼ぎはやめろ」と言い出しました。

それだけでなく、「1万円もする服を誰が買ってくれるんだ」「俺が養ってやるんだから、俺の嫌がることはやめてくれ」と美咲の行動を否定するんですよね。

それは、美咲と佳太の関係を疑っていたことも関係していましたが、

とにかく和範は美咲を自分の支配下におこうとしていたのです。

一方の佳太は、和範とは反対に、美咲の挑戦を応援してくれました。

村山早紀さんの小説『桜風堂ものがたり』では批判する人もいれば、応援してくれる人もいることがわかる物語が描かれていましたが、

村山早紀『桜風堂ものがたり』は本を大切にしたくなる物語
読書していますか? 私は読書が大好きで毎日のように本を読んでいますが、村山早紀さんの小説『桜風堂ものがたり』を読んで、これまで以上に本を大切にしたくなりました。 著者だけでなく、書店員さんや本に関わっている多くの人たちの思いを知...

この小説を読んで、自分の考えや行動を否定して支配しようとする人ではなく、応援してくれる人と一緒に暮らしたいと思いました。

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感想③:望ましい人生を歩むには自分の思いを口にすることが大切

さて、この小説では「望ましい人生を歩むには自分の思いを口にすることが大切」をテーマに描かれているように思います。

たとえば、京都では、得意先から「今日は来られる時間あるか?」と聞かれたとき、忙しいからと断ると、その日を境に仕事が来なくなるケースがあります。

他にも、「お時間のあるときでいいんやけど」と頼まれた仕事でも、すぐに取りかからないと怒鳴ってくる人がいます。

京都人の疑問形は命令だからです。

このように京都人は自分の本音を言わずに相手に察しろと強要してくるわけですが、

その一方で主人公の美咲は、自分の思いをひた隠しにして相手に合わせてきました。

だからこそ、はじめは和範とも上手くいっていたわけですが、

自分を肯定してくれる佳太と再会したことで、自分の思いを大切にしはじめるんですよね。

その結果…。

寺地はるなさんの小説『水を縫う』では、自分の好きを大切にするには自分の思いを伝える努力が必要だとわかる物語が描かれていましたが、

寺地はるな『水を縫う』は自分の好きを大切にしたくなる物語
自分の好きを大切にしていますか? 私も以前は自分の好きよりも他人の目を優先していましたが、 寺地はるなさんの小説『水を縫う』を読んで、改めて自分の好きを大切にするようになって良かったと思えました。 今すぐ勇気を出して自分の...

この物語でも、自分の思いを少しずつ口にすることで変わっていく主人公の姿を通して、自分の思いを伝える努力をすることが改めて大切だとわかりました。

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まとめ

今回は、藤岡陽子さんの小説『メイド・イン京都』のあらすじと感想を紹介してきました。

望ましい人生を歩むには、自分の思いを伝えることが大切だとわかる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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