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(※『ラッシュライフ』表紙より)


 伊坂幸太郎さんの小説『ラッシュライフ』。5つの物語が交差して、まるでリレーのように繋がっていく作品です。

 ある人にとっては不可思議な出来事でも、他の人にとっては当然の出来事で、不可思議なことは何ひとつない――異なる視点で描かれた5つの物語がリンクし、不可思議な謎が次々と解けていく過程が面白い物語です。読み始めると止まりません。

 今回は『ラッシュライフ』のあらすじと感想を紹介していきます。

 『ラッシュライフ』のあらすじと感想

画家・志奈子の物語

 画家の志奈子は、恩人を裏切り、拝金主義者の画商・戸田のいいなりに。今も戸田と一緒に新幹線に乗って仙台に向かっているところです。

 ここで戸田から一つの命令が。仙台駅に着いて最初に出会った人物が戸田の言うことを聞けば、志奈子は戸田と一夜を共にすることに。一体どうなる!?

律儀な泥棒・黒澤の物語

 泥棒の黒澤は、事前に下調べをしておいた家に空き巣に入り、自分が必要と思う金額・20万円だけを盗み出しました。しかし、その帰り道に出会った老夫婦に拳銃で脅され、20万円を寄付することに。

 それから数時間後。今度は埋め合わせで空き巣に入った家で、家の主人と鉢合わせに。黒澤は得意な人間観察力で窮地を脱出できるのか!?

神を信じる青年・河原崎の物語

 ビジネスホテルで次々と起こった殺人事件。警察の捜査も虚しく、犯人が捕まる気配はまったくありませんでしたが、高橋という一般市民が事件の謎を解き明かし、見事事件を解決。ここから高橋は未来が見えると評判になり、多くの信者がつきました。

 父親が飛び降り自殺をした河原崎も高橋信者の一人。彼は高橋を崇拝していましたが、ある日、高橋の側近である塚本に呼び出され、高橋を「解体」することを提案されます。彼は神を殺すのか!?

ダブル不倫をする精神カウンセラー・京子の物語

 ダブル不倫をしている精神カウンセラーの京子は、浮気相手の青山と一緒になるために夫を殺す決意をします。しかし、その日のうちに、夫から離婚を言い渡されました。残る障害は青山の妻のみ。

 京子は彼女を殺そうと青山と二人で彼女の家に向かいましたが、その途中で青年を轢き殺してしまいます。事故を隠そうと死体をトランクに詰め込んだ京子たちでしたが、なぜか死体が何度もトランクから飛び出す!?

リストラ男・豊田の物語

 家族からも会社からも見捨てられた豊田は、再就職先を見つけるために面接を受けますが、すべて不合格。そんな豊田の前にボロボロの老犬が現れます。

 老犬と自分の境遇を重ね合わせた豊田は、この老犬を連れていくことに。その結果、手に入れたのが拳銃でした。この拳銃の使い道は!?

 最後に

 タイトルになっているラッシュライフには、

「Lushは酔っ払いという意味で、飲んだくれのやけっぱち人生ということらしい。おまえに必要なのはむしろ、そういった開き直った生き方かもしれないな」

 という意味が込められているようです。これら5つの物語を通して、もう少し大胆に生きていくのもありかな!?と思える作品でした。

 ともあれ、小説『ラッシュライフ』は、5つの物語が交差して、まるでリレーのように繋がっていくのが面白い作品。気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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