西條奈加『心淋し川』はどん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動する物語

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どん詰まりでも懸命に生きていますか?

私は諦めが悪い性格なので、どん詰まりでも粘り強く行動して乗り越えてきましたが、

西條奈加さんの小説『心淋し川』を読んで、どん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動しました。

どれだけどん詰まっても、主体的に行動すれば未来はひらけていくんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • どん詰まりの生活を余儀なくされる6人の物語を読んでみたい人
  • 似たような境遇の人たちがまわりに集まる物語に興味がある人
  • 見方が変われば世界は一変する物語を読んでみたい人
  • 西條奈加さんの小説が好きな人
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あらすじ:今いる場所から抜け出したいと願う主人公の物語

物語の主人公は、江戸の片隅にある心町に住む19歳のちほ。

彼女は流れない心川を見て自分のようだと思い、今の生活から一刻も早く抜け出したいと願っていました。

父の荻蔵は酒ばかり飲んでおり、母のきんは姉が結婚して家から出ていったことを愚痴ってばかりいたからです。

そのため、ちほは針仕事の仕立て物を納めている志野屋で出会った上絵師の元吉と結婚して家を出ていこうと思っていましたが、

なぜか元吉は今年の6月で晴々と上絵師として一人立ち出来ると言いながら、先のことを話すと歯切れが悪くなりました。

そこで、ちほは思い切って元吉がどう思っているのか尋ねたところ…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:心町に住むどん詰まった生活を余儀なくされる6人の物語

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて、6つの短編が語られます。

どれも江戸の片隅、小さなどぶ川沿いに建ち並ぶ古い長屋に住む住人たちのどん詰まり生活が描かれています。

それぞれ簡単に紹介すると、

  • 六兵衛長屋に3人の女性たちと一緒に妾として暮らすりきが、張型から仏像を彫る物語
  • 「四文屋」という飯屋をやっている与吾蔵が、過去に別れた女性とそのときお腹にいた子供に思いを馳せる物語
  • 大怪我を負って立つことすらままならない息子を持つ吉が、毎日息子から罵詈雑言を浴びせられる物語
  • 過去に遊郭で働いていたようが、遊郭一の美貌と才能をもつ明里姐さんと再会し、お互いの近況を報告し合う物語
  • 差配の茂十が12年も心町にいる理由が明かされる物語

青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』では、12篇のショートストーリがゆるくつながっていく物語が楽しめましたが、

青山美智子『木曜日にはココアを』は人とのつながりが人生を切り開くキッカケになることがわかる物語
人とのつながりを大切にしていますか? 私は結婚して家族がいるので、どうしても家族優先になってしまいがちですが、 青山美智子さんの小説『木曜日にはココアを』を読んで、今まで以上に人とのつながりを大切にしたくなりました。 人と...

この小説でも、心町で暮らす6人の主人公がゆるくつながる物語が楽しめました。

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感想②:似たような境遇の人たちがまわりに集まる

先ほども紹介したように、この小説では心町に住む人たちの物語が描かれていますが、

誰もがどん詰まりの生活をしていました。

六兵衛長屋に住むようになって14年が経つりきは、20歳のときに六兵衛の妾になり、自分一人が囲われるものだと思っていましたが、

その後、3人もの女性が妾としてやってきました。

今では六兵衛と閨を共にすることはないので、いつ放り出されてもおかしくないと不安に思っていたんですよね。

過去に遊郭で働いていたようも、優しい御隠居のおかげで遊郭から抜け出すことができましたが、

その後、夫となった桐八が博打をしていたので、居酒屋で客引きをしていました。

子供を孕っていましたが、客引きをしていたので夫に打ち明ける勇気が持てなかったのです。

もちろん、他の住人たちもどん詰まっており、なんとか折り合いをつけながら生きていました。

浅田次郎さんの小説『おもかげ』では、主人公の優しさに引き寄せられた同じく優しい人たちの物語が描かれていましたが、

浅田次郎『おもかげ』感想/愛される人と愛されない人のちがい
人から愛されていますか? 私はどちらかといえば愛されていると思いますが、 もし、家族からあまり好かれていない、友人もいない、自分のことをわかってくれる人が誰もいない… と感じているようなら、今すぐ生き方を変えた方がいいかも...

この小説では、どん詰まった生活を余儀なくされた人たちが、まるで引き寄せられたように、心町に集まってくる物語が描かれていました。

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感想③:見方が変われば世界は一変する

さて、この小説では、「見方が変われば世界は一変する」ことがわかる物語が描かれています。

「四文屋」という飯屋をやっていた与吾蔵は、勝気な性格のため、これまで次々と料理屋をクビになってきましたが、

先代の稲次に誘われて「四文屋」で働くようになってから、客から言われる「うまい」の一言がこれほど嬉しいことなのだとはじめて気づきました。

料理屋では板長の決めた通りに仕上げる必要がありましたが、ここでは店に来る客が指南役だったからです。

ろくな材料がありませんでしたが、組み合わせと味付けしだいで食べるに値する一皿になり、料理が面白くなったんですよね。

差配の茂十も、あることを成し遂げるために12年もの間、心町にいましたが、

真実にたどり着くと、これまでとは正反対の感情が浮かんできました。その感情とは…。

伊坂幸太郎さんの絵本『クリスマスを探偵と』でも、視点が変われば世界が一変する物語が描かれていましたが、

伊坂幸太郎『クリスマスを探偵と』は視点を変えれば世界はガラリと変わることがわかる絵本
ひとつの視点に囚われて生きていませんか? 私は少し頑固なところがあるので、どうしてもひとつの視点に囚われてしまいがちですが、 伊坂幸太郎さんの絵本『クリスマスを探偵と』を読んで、視点を変えれば世界はガラリと変わることがわかりまし...

この物語でも主体的に行動して視野を広げれば、未来はひらけていくと思える物語が描かれていました。

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まとめ

今回は西條奈加さんの小説『心淋し川』のあらすじと感想を紹介してきました。

どん詰まりでも懸命に生きる人たちが、希望を見出していく物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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