有川浩『図書館戦争』/好きな本が好きなタイミングで読めるのは幸せなこと

おすすめ小説

 読書していますか?

 私は学生の頃は読書にまったく興味がなく、専門書ばかり読んでいましたが、今では読書が楽しくて仕方ありません。自由に読書ができるのってありがたいことなんですよね。

 そんな当たり前のことに気づかせてくれた小説が有川浩さんの『図書館戦争』。好きなタイミングで好きな本が読める幸せを噛み締めながら楽しめる物語です。




スポンサーリンク

 表現の自由が奪われた世界が描かれている

 物語の舞台は武装した図書館。

 公共秩序を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メディア良化法」が成立・施行されました。

 その結果、多くの本が検閲され、表現が取り締まられるようになったんですよね。

 物語の主人公・笠原郁も高校生の頃、大好きだった童話の完結話を買おうとしたところ、検閲に引っかかり、目の前で本を取り上げられました。「こじきのおじいさん」という表現が引っかかったのです。

 そんな彼女の本を救ってくれたのが、図書隊員の青年です。彼は良化特務機関から本を取り返してくれました。

 郁は助けてもらった彼に恋をします。そして行動派の彼女は、顔も名前も覚えていない彼を追いかけて図書隊員を目指しました。

 そして無事に図書隊員になった郁でしたが…。

スポンサーリンク

 推薦図書なんて面白くない

 図書隊員の訓練は想像以上に厳しいものでした。それだけでなく、上官の堂上はなぜか必要以上に郁に厳しく当たります。同僚の手塚も何かにつけて郁に突っかかってきました。

 それでも郁が負けなかったのは、顔も名前も覚えていない例の彼に恋していたからですが、それだけでなく表現の自由を守りたいという想いがあったからです。

 たとえば、犯罪が起きたりすると本や映画のせいにする人がいますが、まったく関係ありませんよね。そんな大人たちに限ってつまらない推薦図書を勧めてきますが、そんなことをすれば子供たちは本から離れていきます。

 本が面白いから読むのであって、ためになるから読むわけではないからです。ゲームやネット、漫画などに流れていくだけです。

 だからこそ、郁たち図書館隊員は表現の自由を命がけで守ろうとするんですよね。もちろん、この物語はフィクションですが…。

スポンサーリンク

 現実でもツマラナイ主張をする人たちがいる

 最近、アンパンチが暴力的だとネットで話題になりました。

 もちろん、本気でこんな主張するバカはいないと思いますが、そうでなくても本から暴力的な表現が消されています。

 たとえば、桃太郎のラストシーン。本来は鬼を退治して終わりの物語が、鬼たちが自分たちから桃太郎に仲間にしてくれというシーンに書き換えられているそうです。

 こういった表現の自由を制限するような動きが加速すれば、図書館戦争のような世界になりかねません。

 著書の有川浩さんがあとがきで書かれているように、「図書館戦争なんてありえない設定だよね」と笑って言える世の中であり続けることを願っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました