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(※『崩れる脳を抱きしめて』表紙より)


 知念実希人さんの小説『崩れる脳を抱きしめて』。

 研修医の碓氷蒼馬(うすい そうま)が、脳に爆弾を抱える弓狩環(ゆがり たまき)と出会い、恋に落ち、そして彼女の死の謎に迫る恋愛ミステリー小説です。

 読めば、本当の恋とは何か、何のために生きるのかなど、いろいろ考えさせられること間違いなし!?

 今回は、『崩れる脳を抱きしめて』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『崩れる脳を抱きしめて』のあらすじ

 研修医の碓氷は、大金を稼ぐために脳外科医を目指していました。幼い頃に借金を作って愛人と逃げた父親を今でも恨んでおり、大金を稼いで恨みを晴らそうと必死になっていたのです。

 しかし、ただでさえきつい初期臨床研修の最中に睡眠時間を削って勉強したせいで、心身ともに限界に達します。そこで、自然に囲まれた富裕層向け療養型病院「岬病院」で研修をすることに。

 岬病院の患者は残された時間が少ない人たちばかりでした。ユカリさんもそのひとり。彼女の脳には、グリオブラストーマと呼ばれる最悪の腫瘍があり、いつ死んでもおかしくない状況でした。

 そんな彼女に碓氷は惹かれていきます。しかし――。

 最後に驚きと感動が待っている物語です。

 『崩れる脳を抱きしめて』のおすすめポイント

1. 本当の恋とは何か考えさせられる物語

 碓氷は見た目が可愛いので、多くの女性にモテてきました。しかし、彼は恋ではなく、性欲を満たすために女性と付き合ってきました。

 そんな碓氷をユカリさんは「爛れている」と指摘します。本当の恋愛とは、「この人と一生過ごしたい」と思える運命の相手とするものだと言うのです。

 はじめはバカにしていた碓氷でしたが、あることがきっかけでユカリさんの言葉が心からわかるようになりました。これまで見ていた世界ががらりと変わり、ユカリさんに対する向き合い方が大きく変わったからです。

 しかし、ユカリさんは碓氷の気持ちを受け止めようとはしませんでした。なぜなら――。

 本当の恋とは、世界観が大きく変わるような人と一緒に、新しい世界を築いていくことなのかもしれませんね。

2. 何のために生きているのか考えたくなる物語

 父親に縛られていた碓氷は、脳外科医になって大金を稼ごうと必死になっていました。

 一方のユカリさんは、碓氷の借金を簡単に支払えるほどの大金持ち。むしろ、お金があることで、遠い親戚から命を狙われ、外出できなくなっていました。

 さらに、脳にはいつ破裂してもおかしくない悪性の腫瘍が。どれだけお金があっても限られた時間を楽しく過ごせない自分に嫌気がさしていました。

 お金のために命を削って働こうとする碓氷と、お金はあるけれど限られた時間を有意義に過ごせないユカリさん。

 そんな二人が交わることで、彼らは何のために生きるのかを考えるようになります。そして最後は――。

 「何のために生きているの?」と自分に問いかけたくなる物語です。

3. 最後に驚きと感動が!?

 ユカリさんは、碓氷の気持ちを受け止めないまま帰らぬ人になりました。しかし、彼女の死にいくつかの疑問が浮かび上がってきます。

・なぜ、ユカリさんは岬病院から車で1時間以上かかる横浜で亡くなったのか
・なぜ、岬病院の人たちは、ユカリさんがはじめから居なかったように振る舞うのか

 などなど。これらの謎が解けたとき、驚きと感動が沸き上がってくること間違いなし!?

 最後に

 知念実希人さんの小説『崩れる脳を抱きしめて』。読めば、本当の恋とは何か、何のために生きるのかなど、いろいろ考えさせられる物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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