東野圭吾『私が彼を殺した』感想/推理力が試されるミステリーはお好きですか?

おすすめ小説

推理していますか?

私は『どちらかが彼女を殺した』を読み終えてから、ミステリーを読むときは犯人を推理するよう心がけてきたので、

東野圭吾さんの小説『私が彼を殺した』ではヒントに頼らずに犯人を特定することができました。

前作よりも謎を解くのが難しい構成でしたが、訓練すると推理力も鍛えられるんですよね。

おすすめ度:4.0

スポンサーリンク

こんな人におすすめ

  • 加賀恭一郎シリーズが好きな人
  • 最後まで犯人が明かされない物語に興味がある人
  • 殺されても仕方ない被害者の物語を読んでみたい人
  • 東野圭吾さんの小説が好きな人
スポンサーリンク

あらすじ:結婚当日に殺される脚本家の物語

物語は、小説家で、脚本家でもある穂高誠が、神林美和子と婚約するところから始まります。

しかし、穂高は美和子を愛していたわけではありませんでした。

話題作りのために彼女と結婚しようとしていたのです。

美和子が書いた詩がベストセラーになっていたので、話題作りになると考えていたんですよね。

それだけでなく、誰にも映像化させなかったその詩を、映像化しようと企んでいました。

ところが、そんな穂高が、結婚式の当日に毒を飲まされ、口から泡を拭いて死にます。

容疑者は、美和子の兄である神林貴弘と穂高のエージェントとして働いていた駿河直之、

そして美和子の編集者である雪笹香織の3人です。

犯人は誰で一体どんなトリックを使ったのか!?という物語が楽しめるミステリーです。

スポンサーリンク

感想①:歪んだ愛情が描かれている

あらすじで、穂高は美和子のことを愛していなかったと書きましたが、

美和子も穂高のことを愛していませんでした。

実は美和子は、兄である神林貴弘のことを愛しており、肉体関係を持っていましたが、

それが異常なことだと気づいていたので、無理やり結婚しようとしていたのです。

村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』の主人公・恵子も、結婚も就職もせずにコンビニで働いている理由を周りから求められたので、

それを誤魔化すためにある男性と同居しましたが、

村田沙耶香『コンビニ人間』は常識にとらわれずに自分らしく生きていこうと思える物語
自分とは違う生き方をしている人を「普通じゃない」って思っていませんか? たとえば、大学卒業後も就職もせず、コンビニでアルバイトをしている人を見たら、普通じゃないって思いますよね。 しかし、村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』を読...

美和子も、周りから正常だと思われるために、むしろ自分を正常だと思い込むために、穂高と婚約したのです。

ところが、穂高はそのことに気づいており、彼女に話題性がなくなり、離婚するときに、

その事実をバラせば話題作りになると考えて結婚しようとしていました。

そんな歪んだ愛情を抱いている兄妹やカップルの姿が描かれている物語です。

スポンサーリンク

感想②:殺されても仕方がないと思える被害者

ここまで書いてきたように、穂高は自分の利益のために美和子と結婚しようと考えていましたが、

周りにいる他の人たちに対しても、自分の利益を最優先して接するような人物でした。

たとえば、穂高と同級生で彼のエージェントとして働いている駿河直之に対しては、

駿河が会社の金を横領し、それがバレて大金の返済を迫られていたときに手を差し伸べましたが、

駿河が愛していた浪岡準子と付き合い、弄んで捨てました。

さらに、彼女が妊娠していることがわかると、「時期が来たら結婚するから」と嘘をついて堕胎させます。

美和子の編集者である雪笹香織に対しても、子供を身篭らせ、堕胎させていました。

このように、穂高は周りの人たちから恨みを買う行動ばかりとってきたので、殺されても仕方がないように思えるんですよね。

伊坂幸太郎さんの小説『オーデュボンの祈り』にも、他人を不幸に落として楽しむ警察官が出てきて殺されますが、

伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』感想/常識を疑って生きていますか?
常識を疑って生きていますか? 私は常識を疑って生きているつもりですが、 もしあまり物事を深く考えずに過ごしているようなら、新しいアイデアが浮かばなくなったり、考える力を失ってしまうかもしれません。 そんなときは、常識外れな...

穂高が殺されたときも、このときに味わったスッキリ感が味わえました。

スポンサーリンク

感想③:読者の推理力が試されるミステリー

この物語の最大の魅力は、『どちらかが彼女を殺した』と同じように最後まで犯人の名前が明かされないところです

東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』感想/あなたは犯人を特定できますか?
ミステリーを読むとき、犯人やトリックを推理して読んでいますか? 私はミステリーが大好きなのでよく読んでいますが、あまり推理をせずに物語を追いかけてきました。 しかし、東野圭吾さんの小説『どちらかが彼女を殺した』では、推理せざるを...

先ほども、結婚式の当日に穂高が毒で殺されたと書きましたが、

実は、その前日に駿河が愛していた浪岡準子が同じ毒を飲んで自殺していました。

ところが、容疑者である三人には、毒を入手する機会はありましたが、穂高に毒を飲ませるチャンスがなかったことが判明します。

この難問に挑むことになった加賀恭一郎は…。

というミステリーが楽しめるのですが、最後まで犯人の名前が明かされないので、

読者である私たちが推理する必要に迫られます。

私は何とか犯人を特定できましたが、

もし犯人がわからなくても、文庫本の袋とじに「推理の手引き」がついているので、それを読めば犯人が特定できると思います。

どちらにしても、推理する楽しさが味わえる物語なので、細かい描写までじっくり読むことをオススメします。

スポンサーリンク

まとめ

今回は、東野圭吾さんの小説『私が彼を殺した』のあらすじと感想を紹介してきました。

加賀恭一郎シリーズの続編としても、犯人を推理する面白さが味わえるミステリーとしても楽しめる物語です。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。

スポンサーリンク

あわせて読みたい

東野圭吾『加賀恭一郎シリーズ』の順番とおすすめランキングをご紹介
加賀恭一郎シリーズと聞くと、阿部寛さん演じる『新参者』シリーズを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 残念ながら、私はドラマや映画で加賀恭一郎シリーズを観たことがありませんが、原作を読めば、より一層楽しめると思います。 そ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました