青山美智子『鎌倉うずまき案内所』は自分が変われば世界は大きく変わることがわかる物語

おすすめ小説

現状に不満を抱いていませんか?

私はときどき不満が爆発しそうになることがありますが、

青山美智子さんの小説『鎌倉うずまき案内所』を読んで、自分が変われば世界は大きく変わることがわかりました。

それだけでなく、物語同士のつながりが楽しめる短編集だったんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 悩みを抱える6人の物語が楽しめる短編集を読んでみたい人
  • 過去に遡りながら登場人物たちの人生が浮き彫りになる物語に興味がある人
  • 自分が変われば世界は大きく変わることがわかる物語を読んでみたい人
  • 青山美智子さんの小説が好きな人
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あらすじ:出版社を辞めてフリーになろうとする主人公の物語

物語の主人公は、都内の出版社に勤める早瀬瞬。

彼は、平成と令和の二つの時代を退職届と一緒にまたいでしまいました。

主婦向けの雑誌『ミモザ』の編集部に配属されて6年目の彼は、最初は雑誌作りの工程がわかったり、好きな芸能人にちょっとだけ会えたりして面白みを感じていましたが、

寝不足や締め切りや、なかなか通らない企画書提出や、アクの強い上司・折江さんからの圧力に潰され気味な毎日に嫌気がさしていました。

それだけでなく、取材に行っても彼だけが出版社名で呼ばれる一方で、他の人たちは自分の名前で仕事をしていました。

だからこそ、今すぐ出版社を辞めてフリーになろうとしていたのですが、「鎌倉うずまき案内所」に訪れたことで…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:悩みを抱える6人の物語が楽しめる短編集

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて6人の悩みを抱える人たちの物語が語られます。

令和から平成、昭和へと過去に遡りながら、物語が語られていくんですよね。

それぞれの物語を簡単に紹介していくと、

  • ユーチューバーになりたいと言い出した息子を説得して大学に進学させようとする専業主婦の物語
  • 自由奔放に生きる婚約相手と結婚して一緒にやっていけるか不安になる女性の物語
  • 仲間外れにされるのがイヤで楽しく会話できる乃木くんをバカにする女子中学生の物語
  • まったく売れない劇作家が紅珊瑚という駆け出しの女優から昔の方が面白かったと言われる物語
  • 自分は何のために生きてきたんだろうと悩む古書店を経営する店主の物語

どの物語も、悩みを抱えている人たちが、「鎌倉うずまき案内所」という怪しげな場所に紛れ込み、アンモナイトの所長からアドバイスを受けて変わっていく姿が描かれているんですよね。

伊吹有喜さんの小説『BAR追分』でも、美味しい食事をとって前向きに行動していく人たちの物語が楽しめましたが、

伊吹有喜『BAR追分』はつらいことがあったときは美味しいものを食べようと思える物語
つらいことがあったとき、どうしていますか? 私は大好きなB‘zの音楽を聴いてストレスを発散していますが、 伊吹有喜さんの小説『BAR追分』を読んで、美味しいものを食べるのもありかもと思えました。 美味しいものを食べて、また...

この小説でも、ちょっとしたキッカケで変わっていく人たちの物語が楽しめました。

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感想②:過去に遡りながら登場人物たちの人生が浮き彫りになる

先ほど、この小説では物語が進むに連れて過去に遡っていくと紹介しましたが、

ある物語に登場した人物が、次の物語に登場してその過去が明らかになっていきます。

たとえば、ユーチューバーになりたいと言い出した息子を説得して大学に進学させようとする専業主婦の物語で登場した父親が、

まったく売れない劇作家が紅珊瑚という駆け出しの女優から昔の方が面白かったと言われる物語で劇団員として登場し、子供が生まれて結婚するので劇団を辞めると言ったことがわかります。

他にも、作家の黒祖ロイドが、見知らぬファンから「あの本、私に向けて書かれたんじゃないかって、そう思いました」と言われたときに、「あなたに向けて、書いたんです」と答えた理由が明らかになったり、

ペンネームの由来が明らかになったりと、少しずつ登場人物の人物像が浮き彫りになっていきます。

辻堂ゆめさんの小説『十の輪をくぐる』では、現在と過去がリンクしながら主人公の母の過去が明らかになっていく物語が楽しめましたが、

辻堂ゆめ『十の輪をくぐる』はオリンピックに励まされてつらい現実から立ち上がる人たちを描いた物語
オリンピックについて、どう思いますか? 私は、コロナ禍が落ち着いてから出来れば日本で開催してほしいと思っていますが、 辻堂ゆめさんの小説『十の輪をくぐる』を読んで、オリンピックに励まされてつらい現実から立ち上がった人たちがいたこ...

この小説では、これまで登場してきた人物が何気なく登場してくるので、読み直してつながりを確かめたくなりました。

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感想③:自分が変われば世界は大きく変わる

さて、この小説では、「自分が変われば世界は大きく変わる」をテーマに描かれているように思います。

たとえば、あらすじで紹介した物語では、フリーになりたいと願っていた早瀬瞬が、

「鎌倉うずまき案内所」でもらったアドバイスと手助けアイテム、困ったときのうずまきキャンディを使ってアクの強い上司・折江さんとはじめてまともに会話します。

これがきっかけで、瞬ははじめて折江さんという人物を知ることができ、これまで抱いていたイメージとは真逆の人間だとわかるんですよね。

他にも、自由奔放に生きる婚約相手と結婚して一緒にやっていけるか不安になる女性の物語でも、

自分とは正反対の相手と結婚することに不安を抱いていた女性が、正反対だからこそ、面白い人生が歩めるのだと気づきます。

森絵都さんの小説『カラフル』でも、自分が変われば世界が変わる物語が描かれていましたが、

森絵都『カラフル』は自分が変われば世界も変わることを教えてくれる物語
人生を楽しんでいますか? 私は「あぁ、ツライな…」と思うこともありますが、森絵都さんの小説『カラフル』を読んで前向きな気持ちになりました。 自分が変われば、人生はいくらでも面白くすることができるんですよね。 おすすめ度: ...

この小説では、自分が変われば、不満に思う現状もそう悪くないものだとわかる物語が描かれていたので、励まされました。

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まとめ

今回は、青山美智子さんの小説『鎌倉うずまき案内所』のあらすじと感想を紹介してきました。

自分が変われば世界は大きく変わることがわかる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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