スティーヴンスン『ジーキル博士とハイド氏』感想/性格の悪さを隠すとさらに性格が悪くなる!?

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自分のイヤなところを隠して生きていませんか?

私はあまり隠さずに生きていますが、

スティーヴンスンの小説『ジーキル博士とハイド氏』を読んで、イヤなところを隠せば隠すほど性格が悪くなることに気づきました。

「他人に良く見られたい!?」と思って、性格の良さをアピールするほど、イヤな奴になるんですよね。

おすすめ度:4.0

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こんな人におすすめ

  • 二重人格の主人公を描いた物語に興味がある人
  • ジキルとハイドについて詳しく知りたい人
  • 性格の悪さを隠すとさらに性格が悪くなる理由を知りたい人
  • スティーヴンスンの小説が好きな人
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あらすじ:二重人格者が主人公の物語

二重人格者の比喩として警察や探偵物の物語によく登場してくる「ジキルとハイド」をご存知ですか。

この物語の主人公は、まさにそのジキルです。

ジーキル博士は、善良で誰にでも優しく接する尊敬すべき人物でしたが、

なぜか彼の遺言状には全財産をハイド氏に委ねると書かれていました。

しかも、そのハイド氏は、ジーキル博士とは対照的な性格をしていました。

ぶつかった少女が倒れても助けることなく、むしろ踏みつけて置き去りにするような人間です。

顔を見るだけで、嫌悪感でいっぱいになるような人物でした。

そんな対照的な二人が、ある殺人事件をキッカケに関係があるのではと疑われます。

ジーキル博士は関係を否定しますが…。

という物語が楽しめます。

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感想①:最初からオチがバレているミステリー

この物語のオチは、ジーキル博士とハイド氏が実は同一人物だった…というものですが、

あまりにも有名な話なので、オチを知っている状態で読むことになるんですよね。

百田尚樹さんの小説『夏の騎士』のように、

序盤で殺人事件の犯人も、恋愛の結末も見抜けてしまう物語もありますが、

百田尚樹『夏の騎士』は一人では無理でも友達となら勇気が出せるかもと思える物語
 勇気をもって生きていますか?  私はできるだけ勇気を出そうとしていますが、勉強や仕事、家事・育児など、やるべきことの多さに逃げ出したくなることがあります。  しかし、百田尚樹さんの小説『夏の騎士』を読んで、目の前のやる...

この物語では、最初からオチがわかっているのに楽しめました。

オチがあらかじめわかっているのに楽しめるものといえば、私は「吉本新喜劇」が思い浮かびますが、

吉本新喜劇オフィシャルサイト

あの楽しみが味わえると言えば伝わるでしょうか。

本来であれば、オチに驚く構成になっていますが、オチを知っていても楽しめる物語です。

感想②:性格の悪さを隠すとさらに性格が悪くなる

ジーキル博士とハイド氏は同一人物でしたが、

二重人格になったのは、ジーキル博士が善と悪をわける薬を開発したからでした。

ジーキル博士は完璧主義で、妥協を許せない性格でした。

善良で向上心あふれる人生を歩もうと努力していましたが、どうしても攻撃的で快楽主義的な一面が出てきます。

そこで彼は、善良な面と攻撃的で快楽主義的な悪の面を分離しようと考え、薬を開発したのです。

こうして善良な性格と邪な考えを持つ性格に分離することに成功したジーキル博士でしたが、

彼はハイド氏になりたいとばかり思うようになります。

なぜなら、悪い性格を否定すればするほど、性格の悪さに焦点があってしまい、その快楽が忘れられなくなるからです。

心理学では、「シロクマのことだけは考えるな!」と言われると、シロクマをイメージしてしまうと言われていますが、

それと同じです。

つまり、悪い性格から目を背けようとすればするほど、そのイメージが膨らみ、どんどん性格が悪くなっていくことがわかる物語です。

感想③:性格の悪さを受け入れることが自分らしく生きる秘訣

ここまで紹介してきたように、ジーキル博士の期待通りに物事は進みませんでした。

善と悪を分離すれば、悪の方は向上心や自責の念から解放されて自由を謳歌することができ、

善の方も悪心に惑わされることなく、善行に喜びを見出して向上の道を進んでいけると考えていましたが、そうはならなかったのです。

悪心の解放ばかり、つまりハイド氏になることばかり望むようになったんですよね。

そもそも、人生は思い通りにはいきません。

『怒らない技術』の感想にも書きましたが、思い描いていた人生とは別の道を歩む人がほとんどです。

怒らないコツは3つの原則を知ること/人生100年時代を楽しく生きる方法
 ちょっとしたことで怒っていませんか?  私はどちらかというと気が短い性格なので、すぐに怒ってしまいます。しかし、必要以上に腹を立てると、かなり損をしているんですよね。  なぜかというと…。 (...

しかし、だからこそ人生は面白いのです。

この面白さを受け入れられた人だけが、自分らしく生きられるのかもしれません。

とにかく、ジーキル博士のように完璧を求めて自己否定をするのではなく、

『限りなく黒に近いグレーな心理術』の感想にも書いたように、ありのままの自分を受け入れることが、自分らしく生きる秘訣だと教えてくれる物語です。

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まとめ

今回は、スティーヴンスンの小説『ジーキル博士とハイド氏』のあらすじと感想を紹介してきました。

オチがあらかじめわかっているミステリーですが、それでも楽しめる物語なので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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