webstation plus

forest_01

 私たちは「お昼ご飯」から「結婚相手」にいたるまで、さまざまなことを自由に選択することができる。しかし、「お昼ご飯」でも「結婚相手」でも、すべての選択肢を検討することなどできない。そんなことをしていては、どれだけ時間があっても足りないからだ。そこで、頼りになるのが「直感」である。

 実は、将棋の世界でもそうらしい。将棋は、ひとつの場面で約80通りの可能性があるといわれているが、史上初となる7つの永世称号保持者・羽生善治氏は、最初に直感によって2つあるいは3つの可能性に絞り込んでいるという。残りの77とか78の可能性については瞬時に捨てているのだ。なぜか。

 それは、羽生氏のいう「直感」が、「今まで習得してきたこと、学んできたこと、知識、類似したケースなどを統合した選択」を指しているからだ。ほんの一瞬、一秒にも満たないような時間のなかで取捨選択したものであっても、適当、やみくもに選んだものではなく、自分自身がこれまで築いてきたものから生まれてきたもの――すなわち、「なぜ、それを選択したのか説明できること」を直感といっているからである。

 では、私たちはどうだろうか。「なんとなく」や「選択した理由を説明できないこと」を直感と言っていないだろうか。もし、そうだとしたら、私たちはとても「危うい」ものに人生を託していることになる。自分で選択しているつもりでも、まわりの人たちや環境に流されて人生の決断を下していることになる。

 では、どうすれば羽生氏のいう「直感」が身につけられるのだろうか。それには、次の三つの方法が効果的だ。

  1. 何かに集中する時間をつくる
  2. 結果だけを意識しない
  3. 常に新しい「何か」を探し求める

 「直感」は、本当に何もないところから湧き出てくるものではない。考えて考えて、あれこれ模索した経験を蓄積した結果、湧き出てくるものである。だから、「何かに集中する時間」をつくることが始めの一歩。何かに集中しているときには、頭のなかであれこれ考えをめぐらせるからだ。

 とはいえ、目の前の仕事ではどうしても集中できないこともあるだろう。そんなときには、時間と手間がかかる作業に取り組んでみてはどうだろうか。たとえば、長編の小説。登場人物が多くてストーリーが複雑なものや何世代にもわたる大河ドラマのような時代ものを読んでみる。ピースの多いジグソーパズルや大作のプラモデルに取り組んでみるのもひとつだろう。とにかく、自分の趣味にあったものからはじめ、集中力を高める癖をつけていこう。そうすれば、仕事でも集中力が発揮できるようになっていく。

 ただし、どれだけ集中力を高めても「結果ばかりを意識」していては行動できなくなってしまう。失敗を怖れるからだ。

 たとえば、最近では統計情報といった目に見える原因、目に見える根拠、目に見える成果が溢れている。しかし、これらはあくまでも過去のデータ、他人のデータ。どれだけ失敗する根拠で溢れていても、今、自分が向き合っている局面のものではない。

 そのため、こういった情報にできるだけ振り回されずに、自分の頭で考えることが大切になる。つまり、集中力を高め、自分の頭で考え、行動することで「直観力」は磨かれていくのである。

 あとは、考えるパターンを増やしていけばいい。そのためには、いつもとは「違う何か」を見つけるようにしていく。具体的には、いろいろな可能性があることを信じて考える。常識にとらわれずに、先入観を持たずに考えるようにしていく。そして、その考えに基づいて行動していく。そうすることができれば、どのような局面にでも適応できる直観力が磨かれていくだろう。

 さて、私たちはあらゆることについて最終的には「直感」に従って選択している。それなのに、「なんとなく」や「理由が説明できない直感」に従っていては、自分らしく生きることなどできない。本来の自分らしさとは、これまでの経験や考えに基づいて選択し、行動することだ。

 だから、「自分らしく生きたい」と思っているのなら、羽生氏のいう直観力を磨いていこう。集中力をつけ、自分の頭で考え、行動していこう。そして、そのパターンを増やしていこう。そうすれば、今よりも自分らしい選択ができるはずだ。

 関連記事

「ありのまま」か「なるがまま」か/ぶれない心を育てる方法

 前回、「悩みを解決したいのなら、悩みから逃げるのではなく、徹底的に悩みぬこう」というエントリを書きましたが、今回は前回と少し視点を変えて悩みについて考えてみたいと思います。  心理学者であるアルフレッド・アドラーは、「 …

あなたはどちらのタイプ?「賢明な人」or「単純な人」

 世の中には、「賢明な人」と「単純な人」の2種類が存在する――と、大阪大学社会経済研究所の大竹文雄教授は言います。  ここでいう「賢明な人」とは、目標を掲げ、その目標をやり切ると周りに宣言し、コミットする人のこと。もしく …

ネガティブ思考をやめる方法/『脳を最高に活かせる人の朝時間』

 私たちは本当に多くのことを考えている。「お昼ご飯は何を食べようか」「仕事が終わってから何をしようか」など、いつも何かを考えている。しかし、そのおよそ8割がネガティブな内容であることが、研究結果によって明らかになった。も …

「自己否定」をやめれば幸せになれる/がんばらない成長論

 がんばって努力して、勉強して、学んで、訓練して…。そうしないと「成長できない」と思っていませんか。私はそう思ってがんばってきました。うまくいかないのは「自分のがんばりが足りない」からだと考えてきました。  しかし、心屋 …

なぜ、彼らは「どん底」から這い上がれたのか

 仕事やプライベートで、「どん底だ!」と思ったことありませんか?  私はあります。つい先日も仕事が思うように進まず、上司から叱られたときに、どん底だと思っていました。しかし、私が思うどん底なんて大したことがないんですよね …

報われない努力は今すぐやめ、報われる努力をしよう

 「努力」には、「報われる努力」と「報われない努力」があります。  まず、「報われない努力」とは、才能もないのに、その才能を伸ばそうと必死になって努力すること。  たとえば、バレーボールの元全日本代表選手である大林素子さ …

「現実を愛せない人」に幸せは訪れない/今よりも幸せになる方法

 私たちが苦しんだり、悩んだりしているのは、現実を受け入れられないときだ。たとえば、結婚相手がイメージしていた人と違っていたとき。真面目で優しい人だと思っていた相手が、実は浮気性で夜遊びがヒドイことに気づいたときなど、私 …

「片付けられない人」にオススメの3つの習慣

 どれだけ忙しくても、きちんとしている人いますよね。  普段からキリッとした服装をして、行動もテキパキ。家の中もキレイに片付いていてスタイリッシュ。そんな人になりたいと思いませんか?  「無意識の美意識」さえ押さえてしま …

「子供のままでいること」をオシャレだと思っていませんか?

 クール・ジャパンという言葉が3年ほど前から使われるようになり、日本独自の文化を世界中に発信しようという流れが広がっています。なかでも「KAWAii文化」が世界中から注目されていますよね。  その代表と言われているのが、 …

なかなか疲れが取れないのはなぜ?/今すぐできる疲れの取り方

 しっかり寝たのに、まったく疲れがとれない…。なぜ? 「年をとったから?」 「体力がなくなったから?」 「サプリメントを飲んでいないから?」  答えはどれも「NO!」です。結論からいえば、血のめぐりが悪くなっているからな …