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 私たちは「お昼ご飯」から「結婚相手」にいたるまで、さまざまなことを自由に選択することができる。しかし、「お昼ご飯」でも「結婚相手」でも、すべての選択肢を検討することなどできない。そんなことをしていては、どれだけ時間があっても足りないからだ。そこで、頼りになるのが「直感」である。

 実は、将棋の世界でもそうらしい。将棋は、ひとつの場面で約80通りの可能性があるといわれているが、史上初となる7つの永世称号保持者・羽生善治氏は、最初に直感によって2つあるいは3つの可能性に絞り込んでいるという。残りの77とか78の可能性については瞬時に捨てているのだ。なぜか。

 それは、羽生氏のいう「直感」が、「今まで習得してきたこと、学んできたこと、知識、類似したケースなどを統合した選択」を指しているからだ。ほんの一瞬、一秒にも満たないような時間のなかで取捨選択したものであっても、適当、やみくもに選んだものではなく、自分自身がこれまで築いてきたものから生まれてきたもの――すなわち、「なぜ、それを選択したのか説明できること」を直感といっているからである。

 では、私たちはどうだろうか。「なんとなく」や「選択した理由を説明できないこと」を直感と言っていないだろうか。もし、そうだとしたら、私たちはとても「危うい」ものに人生を託していることになる。自分で選択しているつもりでも、まわりの人たちや環境に流されて人生の決断を下していることになる。

 では、どうすれば羽生氏のいう「直感」が身につけられるのだろうか。それには、次の三つの方法が効果的だ。

  1. 何かに集中する時間をつくる
  2. 結果だけを意識しない
  3. 常に新しい「何か」を探し求める

 「直感」は、本当に何もないところから湧き出てくるものではない。考えて考えて、あれこれ模索した経験を蓄積した結果、湧き出てくるものである。だから、「何かに集中する時間」をつくることが始めの一歩。何かに集中しているときには、頭のなかであれこれ考えをめぐらせるからだ。

 とはいえ、目の前の仕事ではどうしても集中できないこともあるだろう。そんなときには、時間と手間がかかる作業に取り組んでみてはどうだろうか。たとえば、長編の小説。登場人物が多くてストーリーが複雑なものや何世代にもわたる大河ドラマのような時代ものを読んでみる。ピースの多いジグソーパズルや大作のプラモデルに取り組んでみるのもひとつだろう。とにかく、自分の趣味にあったものからはじめ、集中力を高める癖をつけていこう。そうすれば、仕事でも集中力が発揮できるようになっていく。

 ただし、どれだけ集中力を高めても「結果ばかりを意識」していては行動できなくなってしまう。失敗を怖れるからだ。

 たとえば、最近では統計情報といった目に見える原因、目に見える根拠、目に見える成果が溢れている。しかし、これらはあくまでも過去のデータ、他人のデータ。どれだけ失敗する根拠で溢れていても、今、自分が向き合っている局面のものではない。

 そのため、こういった情報にできるだけ振り回されずに、自分の頭で考えることが大切になる。つまり、集中力を高め、自分の頭で考え、行動することで「直観力」は磨かれていくのである。

 あとは、考えるパターンを増やしていけばいい。そのためには、いつもとは「違う何か」を見つけるようにしていく。具体的には、いろいろな可能性があることを信じて考える。常識にとらわれずに、先入観を持たずに考えるようにしていく。そして、その考えに基づいて行動していく。そうすることができれば、どのような局面にでも適応できる直観力が磨かれていくだろう。

 さて、私たちはあらゆることについて最終的には「直感」に従って選択している。それなのに、「なんとなく」や「理由が説明できない直感」に従っていては、自分らしく生きることなどできない。本来の自分らしさとは、これまでの経験や考えに基づいて選択し、行動することだ。

 だから、「自分らしく生きたい」と思っているのなら、羽生氏のいう直観力を磨いていこう。集中力をつけ、自分の頭で考え、行動していこう。そして、そのパターンを増やしていこう。そうすれば、今よりも自分らしい選択ができるはずだ。

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