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 最近のある研究によると、母親との温かい関係が、子どもの将来の年収の高さと関連していることがわかったそうです。

 その研究とは、ハーバード大学に在籍していた286名の男性を対象に、卒業後も毎年健康診断と心理テストを行うことで、戦争、仕事、結婚や離婚、育児、老後といった彼らの人生を追跡調査し、「何が人を幸せにするのか?」を明らかにしたもの。

 この研究で、「老年における幸福感」と「健康」、そして「温かな人間関係」という三点が強い相関関係にあることがわかりました。なかでも、まわりの人たちと「温かな人間関係」を築けている人たちは、そうでない人たちよりも高い収入が得られていること。さらに、専門的な分野で成功を収め、高い収入を得ている人たちは、母親と温かい関係が築けていることがわかったのです。

 もちろん、収入が子どもの幸せに直結するわけではありませんが、母親とのコミュニケーション次第で子どもの将来が大きく変わる可能性があることがわかりますよね。

 では、母親との温かいコミュニケーションとは、どのようなコミュニケーションなのでしょうか。本:『伸び続ける子が育つ お母さんの習慣』を参考に考えてみましょう。

 子育てのゴールは「子どもの自立」

 私たち親が「なぜ子育てをしているのか?」といえば、子どもの自立をサポートするためです。

 自分の家族を養う基盤が作れること(経済的自立)、まわりの人たちと温かな人間関係が築けること(社会的自立)、人生観や価値観を持ち、自分らしく生きていけること(精神的自立)。この三つの自立ができるように、サポートしていくわけですね。

 つまり、母親との温かいコミュニケーションとは、子どもの自立をサポートするコミュニケーションだということ。具体的には、次の三つが子どもの自立を促します。

1. 自分で考えるクセをつけさせる

 子どもが勉強をしていて難しい問題に出会ったとき、すぐに答えを求めてきませんか?また、そのとき、すぐに答えを教えていませんか?

 もし、そうだとしたら、子どもの考える力が育ちません。試行錯誤して、自分で手を動かして、ふとした瞬間に豆電球がパッとつくように「わかった!」とひらめく――この快感が子どもの考える力を育むからです。

 中学や高校、大学受験で難しい問題にあたって諦めそうになったとき、最後にものを言うのは「絶対に自分で解きたい!」という執念やしつこさのようなものです。それは、幼児期にどれだけ「わかった体験」を積み重ねているかにかかっています。

 また、この執念は、将来、自分の夢を実現させたいと思ったとき、「自分で最後までやり遂げたい!」という強い意志力にもなるでしょう。

 そのため、すぐに答えを教えずに、自分で考えるクセをつけさせる。そうして自分で「わかった!」という快感を積み重ねた子どもは、多少の苦難も乗り越えていけるようになるでしょう。

2. 成功体験をたくさん積ませる

 小さな成功体験をたくさん積み重ねた子どもは、社会に出てからも頑張り抜く力があるそうです。それは、小さな成功体験が、やがては大きな目標を設定し、その目標を達成するための自信になるからです。

 クイーンズランド工科大学生物医学研究センターのAdrian Barnett博士の調査結果もそのことを示しています。博士の調査によると、オーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)の選手には、12月生まれよりも1月生まれの選手が圧倒的に多いことがわかりました。

 なぜなら、オーストラリアでは、1月から学年が始まるから。1月生まれの子どもは、12月生まれの子どもよりも1年近く成長しているため、この体格差をいかした子どもの頃の成功体験がプロスポーツ選手を目指すキッカケになったのではないか、と博士は考察しています。

 もちろん、スポーツ以外でも同じことが言えるでしょう。そのため、元気にあいさつができた、お手伝いができた、嫌いなモノが食べられた…などなど、「できたこと」をどんどん認めるようにしていきましょう。そうすれば、その小さな成功体験が大きな自信へとつながっていきます。

3. 手出し・口出しを控える

 成功体験をたくさん積むには、積極的に行動する必要がありますよね。その結果、失敗することだってもちろんあります。

 しかし、「子どもに失敗させたくない!」と親が口出しすると、どうなるでしょうか。子どもは失敗を怖れ、行動しなくなります。それだけでなく、行動しないことを正当化するために、否定形を連発するようになるでしょう。

 逆に言えば、口出しを控え、子どもの頑張りを認めるようにすれば、放っておいても行動するようになります。実際、宿題をしなかった子どもに、「宿題ができたら褒める、できなかったら何も言わない」ということを2週間続けただけで、何も言わなくても自分から積極的に宿題をやるようになったケースもあります。

 同じように、子どもが上手くいっていなからといって、手出しするのもよくありません。子どもの失敗体験を奪ってしまうからです。

 もまれ体験、失敗体験を乗り越える力をつけなければ、大人になってもすぐに心が折れてしまう、社会人として通用しない大人になってしまうでしょう。大事なのは、どのような状況でも、「与えられた条件でベストを尽くす」「与えられた状況を楽しみきる」という強い精神力を持つこと。

 そのためには、思い通りにならないとき、ツライときでも、手出しを控えることです。もちろん、限度はありますが、些細なことで親が手だしをしていると、逆境を乗り越える力がつきませんよ。

 最後に

 自立した子どもを育てるには、自分で考え、積極的に行動し、成功体験を積み重ねるサポートをすること。そして、失敗しても手出し・口出しをしすぎないようにすること。――つまり、子どもを信頼して育てることです。

 特に、母親から信頼されて育った子どもは、自分の力を信じて行動できるようになるので、その結果として、将来の収入へとつながっていくのでしょうね。

 では、父親の役割は何なのでしょうか。別の機会に改めて書きたいと思います。

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