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(※『氷菓』表紙より)


 米澤穂信さんの小説『氷菓』。

 高校に入学したばかりの4人が古典部に入部し、日常のちょっとした謎を解いていく青春ミステリー小説です。読めば、少し切ない気持ちになること間違いなし!?

 今回は『氷菓』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『氷菓』のあらすじ

 姉からの勧めで廃部寸前の古典部に入部した折木奉太郎。早速、部室に行くと、もう一人の入部希望者・千反田えるがいました。

 彼女は出会ってすぐにこんな疑問を口にします。

「わたしは閉じ込められていた、ってことですね」

 内側からは鍵がかからない部室に閉じ込められていたえる。奉太郎はごまかしてその場を立ち去ろうとしますが、「わたし、気になります」と迫ってくる彼女に負けて推理することに。

 ここから古典部シリーズが始まります。

 個性的なキャラクターが魅力的

 古典部に所属するのはこの4人。

・推理が得意なのにムダなことはしたくない省エネ思考の折木奉太郎
・清楚に見えるけど好奇心旺盛な千反田える
・博学なのにつまらないジョークが大好きな福部里志
・可愛い見た目とは裏腹に毒舌の伊原摩耶花

 そんな個性的な4人が織りなす青春ミステリーです。

 タイトルに込められた謎とは!?

 「あらすじ」でも紹介したように、えるが気になった謎を奉太郎が解いていく構成で物語が進んでいきます。

 たとえば、毎週金曜日の短時間だけ貸し出される本、あるはずの文集を無いと言い張る先輩…そんな日常のちょっとした謎を解き明かしていくんですね。

 なかでも最大の謎は、幼い頃に伯父の言葉で泣いてしまったえるの記憶。なぜあれほど優しかった伯父の言葉でえるは泣いたのか――奉太郎がこの謎に迫ります。

 ヒントは本書のタイトルにもなっている『氷菓』。すべての謎が解き明かされたとき、軽い痛みと切なさを感じること間違いなし!?

 最後に

 米澤穂信さんの小説『氷菓』。読めば少し切ない気持ちになる物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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