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 「どうすれば面白いエッセイが書けるようになるかな?」と知り合いのブロガーに尋ねたところ、「方法は二つしかないよ」という返事がかえってきた。その方法とは:

  1. 他人がしていないような体験を多く積む
  2. 他人とは違うところに目をつける

 確かに、「ホームレスから成功を勝ち取った経営者の話」や「北朝鮮に旅行にいった人の話」、あるいは「オリンピック出場選手の裏話」などは、私にはまったく縁のない話なのでとても興味がわく。しかし、平凡な人生を歩んできた私にはそんな面白い体験などない。

 つまり、私に残された道はただひとつ。「他人とは違うところに目をつける」しかないのだ。では、どうすれば「他人とは違う視点」が手に入るのだろうか。再び彼に尋ねてみた。

 彼の答えはこうだった。「まずは言いたいことを5行でまとめろ」。

 アメリカでは子どもの頃から「5行エッセイ」なるものを学んでおり、自分の意見を相手にわかりやすく伝える練習をしているという。これに「一ひねり」加えることで「他人とは違う視点」で文章を構成することができる、すなわち面白いエッセイが書けるというのだ。

 ここで、「5行エッセイ」について簡単に説明しておこう。5行エッセイとは、「はじめに」+「本文①~③」+「まとめ」の5行で構成された文章のこと。たとえば、私が最近まで夢中になっていた大河ドラマ『篤姫』をオススメする理由を5行エッセイで書いてみると、次のようになる。

  1. 大河ドラマ『篤姫』がオススメです。(はじめに)
  2. 篤姫の生き様から「天命」とは何かを考える機会になります。(本文①)
  3. 幕末から明治にかけての歴史を学ぶことができます。(本文②)
  4. そして、何よりも物語に惹きこまれます。(本文③)
  5. ぜひ、『篤姫』を観てはどうでしょうか?(まとめ)

 まず、導入部分の「はじめに」で伝えたいことを簡潔に述べる。テーマの告知だ。肉付けするときには、「なぜ、このテーマを取り上げるのか」という背景を加えると、文章に深みがでるだろう。

 「本文①から③」では、「はじめに」で告知したテーマを証明していく。篤姫の例だと「なぜ篤姫がオススメなのか」を証明することになる。

 この本文で最も大切なことは、3つの異なる視点を用いること。篤姫の例でいえば、「天命とは何かを考えるキッカケになる」「歴史が学べる」「ストーリーが面白い」という3つの異なる視点で『篤姫』の面白さを説得している。

 最後の「まとめ」では、テーマをダメ押しして締める。伝えたいことを繰り返すことでテーマを強調したいからだ。

 ◆◆◆

 さて、あえて説明を省略したが、なぜ本文には3つの異なる視点が必要なのだろうか。それは、エッセイの由来にある。

 俗にエッセイは「三題噺」と呼ばれており、互いに関係がありそうな三つの話題を組み合わせて、一つの内容にまとめることが特徴だ。そして、この組み合わせこそが「他人とは違う視点」につながる。

 先ほどの『篤姫』の例だと、本文がありきたりなので、面白さを感じられないかもしれない。そこで、次のように変えてみよう。

  1. 熊本旅行に行く前には『篤姫』を観ることをオススメします。(はじめに)
  2. 熊本の歴史を知ることができ、お城やお寺に愛着が持てるから。(本文①)
  3. 西郷隆盛など熊本に由来のある人物に詳しくなれるから。(本文②)
  4. そして、何よりもいつの間にか熊本弁がうつってしまうから。(本文③)
  5. ぜひ、熊本旅行に行く前には『篤姫』を観てはどうでしょうか?(まとめ)

 これなら先ほどの例よりも、面白いエッセイが書けそうだ。あとは肉付けするだけで面白いエッセイの出来上がり。

 ◆◆◆

 知り合いのブロガーが言うように、面白いエッセイを書く方法は二つしかない。それは:

  1. 他人がしていないような体験を多く積む
  2. 他人とは違うところに目をつける

 もし、他人がしていないような体験を積んでいるのなら、それを書くだけで面白いエッセイがつくれる。しかし、私のようにそんな体験がないのであれば、まずは文章全体を5行にまとめてみてはどうだろうか。そうすれば、今よりも伝わるエッセイ、面白いエッセイが書けるはずだ。

 ちなみに、エッセイには「論理性」よりも「直感」が求められる。ある意味「いい加減さ」が生命なのである。だからこそ、三つの話題の組み合わせを楽しもう。多少理由や説明が不足していても、その組み合わせによる発見は何ものにも代えがたいはずだ。

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