寺地はるな『ほたるいしマジカルランド』は人は違っているからこそ新しいものが生み出せるとわかる物語

おすすめ小説

自分とは違う考えの人を遠ざけていませんか?

私は出来るだけ違う考えの人たちとも付き合うように心がけていますが、

寺地はるなさんの小説『ほたるいしマジカルランド』を読んで、人は違っているからこそ、これまでにない新しいものが生み出せるのだとわかりました。

他人を羨む必要はないと思える物語だったんですよね。

おすすめ度:3.5

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こんな人におすすめ

  • テーマパークで働く主人公たちの物語に興味がある人
  • 他人の頑張りは見えにくいことがわかる物語を読んでみたい人
  • 人は違っているからこそ素晴らしいものが生み出せる理由を知りたい人
  • 寺地はるなさんの小説が好きな人
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あらすじ:テーマパークで働く主人公の物語

物語の主人公は、ほたるいしマジカルランドで働く萩原紗英。

彼女の職場は、迷子の預かりや落とし物の受付、その他諸々の業務を行うインフォメーションでしたが、

ここが自分の居場所だとはどうしても思えませんでした。

紗英は小学生の頃から演劇をやってきたので、役者として輝ける日がいつか来ると思っていましたが、現実はそうならなかったからです。

そのため、アジアやその他の国からの観光客が増えて、英語を勉強しなければいけない状況になっても、ずっと二の足を踏んでいました。

ところが、孫とはぐれてしまったという変な格好をしたおじいさんがきっかけとなって…。

という物語が楽しめる小説です。

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感想①:マジカルランドで働く人たちの身近な悩みに心が痛む

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて、7つの短編が楽しめます。

あらすじを除いて、それぞれ簡単に紹介していくと、

  • プライドの高い村瀬草が、マジカルランドのトイレに閉じ込められて出られなくなる物語
  • 清掃員として働く篠塚八重子が、離れて暮らす息子を見かけて思わず尾行する物語
  • 退職を間近に控えた庭師の山田勝頼が、子連れの女性と結婚して相手を幸せにできますか?と後輩から相談される物語
  • 社長の息子である国村佐門が、自分の母に本当の子供のように育てられた同級生に嫉妬する物語
  • 働かなくても生きていける三沢星哉が、メリットがない人と付き合う理由は何か?と同僚に問いかける物語
  • これまでの登場人物たちのその後が描かれる物語

どの物語も、ほたるいしマジカルランドで働く人たちの身近な悩みが描かれているんですよね。

畠中恵さんの小説『おまけのこ』では、悩みながらも前向きに行動する登場人物たちの物語が楽しめましたが、

畠中恵『おまけのこ』は悩みとの向き合い方を教えてくれる物語
悩みとどう向き合っていますか? 私は他人のせいにして終わらせることもありますが、畠中恵さんの小説『おまけのこ』を読んで、 悩みとの向き合い方を見直したくなりました。 悩みを抱えながらも前向きに行動する登場人物たちに、励まさ...

この小説では、身近な悩みを抱えている人たちの姿に心が痛くなりました。

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感想②:他人の頑張りは見えにくい

そんな彼らが悩みを抱えていたのは、他人の頑張りが見えていなかったからでした。

トイレに閉じ込められた村瀬は、自分の方が優秀なのに紗英が社員に抜擢されて、自分がアルバイトのままなのは、紗英が女性だからだと思い込んでいました。

女性の方が他人を威圧することのない小柄な体格で、感じのいい笑顔やきれいな声が出せるからだと思っていました。

しかし、実際は、紗英の真面目で、物覚えがよく、細かいところによく気がつくことが評価されていたのです。

働かなくても生きていける三沢星哉もそうです。

彼は祖父の財産を相続したので、何もしなくても生きていけましたが、何もしないのは体裁が悪いとマジカルランドでアルバイトを始めました。

そんな三沢は、金もない友達もいない村瀬みたいにはなりたくないと彼のことを馬鹿にしていましたが、

村瀬はメリーゴーランドに強い思い入れをもって仕事に励んでいたんですよね。

辻堂ゆめさんの小説『コーイチは、高く飛んだ』では、他人の頑張りがわからずに小さな悪意を行動に移す人たちの姿が描かれていましたが、

辻堂ゆめ『コーイチは、高く飛んだ』は小さな悪意が大きな事件を引き起こすミステリー小説
小さな悪意をもって生きていませんか? もちろん、誰もが小さな悪意をもつことはありますが、辻堂ゆめさんの小説『コーイチは、高く飛んだ』を読んで、 その悪意を実行すると、条件が重なれば、取り返しのつかない大きな事件につながることがわ...

この小説では、他人の頑張りは見えにくいからこそ、他人と比較する癖があると、悩みを抱えてしまうことがわかる物語が楽しめました。

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感想③:人は違っているからこそ素晴らしいものが生み出せる

さて、この小説では、「人はそれぞれ違っているからこそ素晴らしいものが生み出せる」をテーマに描かれているように思います。

社長の息子である佐門は、母が自分の子供のように育てきた同級生の佑に嫉妬していました。

学生の頃に佐門が好きだった木村幹も、佑に恋心を抱いており、

社長である母も、楽しむことに長けていて、人が好きな佑に跡を継がせたいと考えていると思っていたからです。

だからこそ、真面目で、立場や年齢に相応しい振る舞いをする自分にはテーマパークの仕事は向いてないと考えていた佐門ですが、

恋人のあおいから、私も保育士の仕事が向いていないと言われてきたと聞かされます。

左利きだから、子供らの手本にはならないと祖母や周りの人たちから言われてきたというのです。

しかし、今では左利きのはさみが選べるようになるなど、当たり前は変わっていくので、

「佐門くんも環境なり、手段なりを変えていけばええんちゃう?」と言うんですよね。

垣谷美雨さんの小説『子育てはもう卒業します』では、親子でさえ価値観が違うことがわかる物語が楽しめましたが、

垣谷美雨『子育てはもう卒業します』感想/子育ての秘訣は親が自分らしく生きること
自分らしく生きていますか? 子育てを始めると、どうしても自分よりも子供が優先になってしまい、それが続くと子供に執着してしまいがちですが、 垣谷美雨さんの小説『子育てはもう卒業します』を読んで、親である私たちが自分らしく生きること...

この小説では、人はそれぞれ違っているからこそ、新しいものが生み出せるのだとわかる物語が楽しめました。

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まとめ

今回は、寺地はるなさんの小説『ほたるいしマジカルランド』のあらすじと感想を紹介してきました。

人はそれぞれ違っているからこそ、新しいものが生み出せるのだと思える物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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