webstation plus

work_01

 毎日忙しく仕事をしている。まわりもそれを認めていて、非難する人はいない。それなのに、成果がでない。なぜだろう。

 結論からいえば、いまの業績の8割以上は、働いているうちの2割程度であげることができ、残り8割の時間は、ほとんど意味のない仕事をしている=「仕事をしたつもり」だからだ。

 そもそも、昔に比べてパソコンやプリンター、インターネットやスマホといった多くの新しい機器が浸透している。それなのに労働時間はまったく減らなかった。なぜなら、画期的な仕事をする代わりに、「やらなくてもいい仕事が増えた」からだ。

 たとえば、プレゼンの資料。会議だろうとプレゼンだろうと、相手に伝えたいこと、相手が知りたいことというのは、「ほんとうは簡単なひと言」で済ますことができる。すなわち、キーポイントを簡潔に述べ、相手の興味関心を喚起し、相手から次々と疑問を引き出していく――そういうスタイルで十分なはずだ。

 ところが、現実はそれでは済まない。見出しをつけたり、文字のフォントを選んだり、大きさを変えたり、わかりやすいイラストを作成するような余計な編集作業ばかりが増えている。

 セミナーの最前列で速記者のようにメモを取る人たちもそうだ。「A社の売り上げが下がった原因は何か?」といった本質的な質問に対する答えは、講師の発言のなかにはなく、行間から読み取らなければならない。しかし、メモ魔はそのための時間をつくらず、単に速記行為という単純作業を繰り返している。これではセミナーに参加する意味などない。

 では、なぜこのような「仕事をしたつもり(=仕事ができない人)」になってしまうのだろうか。それは、質では勝負できないので量でごまかそうとしているからだ。

 本当に大切なことは、少量行うのも難しい。そもそも「本当に大切なことは何か?」を考えること、それ自体が難しい行為である。一方で、質の低いことをたくさんするのは簡単。時間さえあれば誰にだってできるからだ。しかも、周囲の人たちは「少量の良質」よりも「多量の低質」のほうを得てして評価してしまう。だから、私たちは「本当に大切なこと」よりも、「安易にたくさん」を選んでしまうのだ。しかし、これではいつまでたっても「仕事をしたつもり」から抜け出せない。

 では、どうすれば「仕事をしたつもり」ではなく、質で勝負できるようになるのだろうか。仕事ができる人になれるのだろうか。その方法は次の二つ。

  1. 疑う
  2. 調べる

 「考える」ための最初の手段は「疑う」こと。疑ったら、つぎは自分で調べる。たとえば、あるブログが売れているのなら、何も考えずに「右に倣え」をするのではなく、「なぜそれがうまくいったのか」という理由を考えてみる。そして、「それは他の場面でもうまくいくのか」と考えてみる。なぜなら、そうやって考えなければ、いつまでたっても他人の二番煎じから抜け出せないからだ。

 そうやって「なぜ?」を考え、仮説を立てたあとは、実際にそれでうまくいくのか調べてみる。たとえば、ほとんどのカメラ小僧は、何を伝えたいのか、何を伝えるべきか、どうやったら伝わるかを本気では考えておらず、単に惰性で「決定的瞬間」を撮っている。だったら、本当に伝えたいテーマをもち、うまく伝わる方法を研究して写真を撮ればどうなるのか――コンテストに応募したり、ブログに投稿したりして、実際にその仮説が正しいかどうかを「調べてみる」のだ。

 つまり、「仕事をしたつもり」から抜け出す方法とは、「考えて、行動する」を繰り返していくことである。

 とはいえ、多くの人たちが「仕事をしたつもり」状態でいるので、いきなり「量より質」を重視して行動するとさまざまな問題が出てくるだろう。「上司の命令に従えないのか」と怒られたり、評価が下がってしまうかもしれない。だから、まずは「仕事をしたつもり」を半分にしよう。そして、残り半分は「仕事をしたフリ」――自分のアタマで考えて行動する時間にしていこう。そうすれば、これまでとは違い、何らかの成果が得られるはずだ。

 関連記事

成功は「安定した仕事」や「つまらない仕事」からは生まれない

 世の中には、私たち凡人には想像もつかないような生き方をしている人たちがいる。『自分の小さな「鳥カゴ」から飛び立ちなさい』の著者である河合江理子さんもそのひとり。彼女の経歴をみれば、そのチャレンジ精神に驚くことになるだろ …

no image
2030年には50%の仕事がなくなる/スマートマシンと共存する方法

 「スマートマシン」という言葉をご存知でしょうか。スマートマシンとは、自己学習機能を備え、自立的に行動する電子機械のことを指しています。人口知能を実装したロボットやドローン、自動走行車などがそうです。  このスマートマシ …

「不労所得」という名の花見酒には毒がある

 落語にこんな話がある。酒屋の番頭からお酒を借りて商売をしようとした二人の幼馴染がいた。花見シーズンだったので、花見の場所に行きさえすれば必ずお酒が売れると二人は考えていたのである。酒飲みは、酒がなくなるとすぐに飲みたく …

仕事が原因で「もう死にたい…」と思わないために必要なもの

 日本における自殺の統計情報を見てみると、男女差がとても大きいことがわかります。下図がそれなのですが、パッと見ただけで大差があることがわかりますよね。実は、男性の自殺率は女性の2倍以上もあるのです。  では、なぜ女性より …

なぜ、優秀な社員が「追い出し部屋」に追い込まれるのか

 『切り捨てSONY』を読み終えるまでは、「リストラ部屋(追い出し部屋)に追いやられた人=仕事ができない人」だと思っていました。  しかし、そうではない人たちも大勢いるんですよね。すなわち、優秀な人たちも「リストラ部屋」 …

「時間がないからできない」という言い訳で損する理由

 自分で決めたことを確実に実行していますか。私はできていません。「毎日ブログを書こう」と決めても、3日以内には諦めてしまい、言い訳をしています。  「仕事が忙しくて」「子育てもしないといけないし」「突然の予定が入ったから …

「グーグルの働き方」が当たり前の時代がやってくる

 グーグルの社員は、実力がある人たちばかりだと言われていますよね。たとえば、35歳でグーグルに転職し、グーグルマップに写真を組み込むプロジェクトを牽引した徳生健太郎さんは、  「グーグルに入社したときは、本当に衝撃を受け …

ビジネス書を100冊読んでも99%の人が成功者になれない

 私たちは、なぜ読書をするのでしょうか。  「自己投資になるから」「想像力がつくから」「センスが磨かれるから」「本質を見抜く力が養えるから」「日本語力が上がるから」「教養が身につくから」「面白いから」「現実逃避になるから …

サラリーマンを極めることが独立・起業の成功につながる

 誰もが一度は夢見る独立・起業。「誰にも束縛されずに自由に生きていきたい」と思うのは自然な欲求だが、フリーランスとして働いても自由になれるとは限らない。むしろ、会社員として働いていたときよりも自由になれないケースさえある …

「何のために働くの?」――会社のため?自分のため?

(※『言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密』表紙より)  仕事に夢中になっているときは考えませんが、仕事がひと段落したときなどの「ふとした瞬間」に、「何のために働いているんだろう」と考えることがあります。 …