webstation plus

(※『ガリレオの苦悩』表紙より)


 東野圭吾さんの小説『ガリレオの苦悩』。

 今作から新たに加わった女性刑事・内海薫の登場により物語の幅が広がったミステリー小説です。読めば湯川准教授の言葉が心に響くこと間違いなし!?

 今回は、ガリレオシリーズ第4弾『ガリレオの苦悩』のあらすじとおすすめポイントを紹介します。

 『ガリレオの苦悩』のあらすじ

 前作『容疑者Xの献身』で大学時代の友人を追い詰めた湯川。

 それが原因で彼は警察に協力するのをやめましたが、今回も彼の協力なしでは解決できない事件が多発します。

 容疑者は地上にいるのにマンションの7階から転落した女性、身体の不自由な元大学准教授が離れにいる長男を遠隔で殺害、水晶占いで重要な証拠を見つけた女子中学生…などなど。

 新たに加わった女性刑事・内海薫と共に事件解決を目指す!?

 内海薫の女性視点が面白い

 今作から新たに内海薫という女性刑事が物語に参画します。これにより、物語の幅が広がったように思えるんですよね。

 たとえば、一人暮らしの女性は鍵をかける習慣があるとか、冷蔵庫の中身で訪問していた人物を推測するとか、オードブルを綺麗に盛り付けたのは男が来ていたからだとか。

 女性ならではの視点で事件解決に貢献します。今後の活躍にも期待!?

 薫が警察に協力するのをやめたガリレオを連れ戻す

 そんな薫が警察に協力するのをやめた湯川を事件現場に連れ戻します。

 しかし、簡単には協力してもらえませんでした。草薙に紹介状を書いてもらった薫は彼を訪ねますが、

「君はどれだけ科学について勉強した?理系が苦手だといったが、それを克服する努力をしたことがあるのか?早々に投げ出して、科学から目をそむけてきたくちじゃないのか。それならそれでいい。一生、科学とは関わらないことだ。困ったときだけ警察手帳を翳し、さあ謎を解けと学者に命令するようなことはしないでもらいたい」

 と厳しい返事が。

 それでも薫は事件解決に向けて自分なりに実験を積み重ねていきました。その行動が湯川の琴線に触れ、再び彼を事件現場へと向かわせます。

 苦悩を味わった湯川の活躍に期待!?

 湯川准教授の言葉が心に響く

 前作の影響なのか、人の心にも着目するようになった湯川。

 「君は変わったな。昔は科学にしか興味がなかったはずなのに、一体いつの間に、人の心がわかるようになった」と恩師に聞かれて次のように答えます。

「人の心も科学です。とてつもなく奥深い」

 そんな彼の言葉が心に響きます。たとえば、

まずはやってみる――その姿勢が大事なんだ。理系の学生でも、頭の中で理屈をこね回すばかりで行動の伴わない連中が多い。そんな奴らはまず大成しない。どんなにわかりきったことでも、まずやってみる。実際の現象からしか新発見は生まれない。

 などなど。これまでとはひと味違った湯川准教授にハマること間違いなし!?

 最後に

 東野圭吾さんの小説『ガリレオの苦悩』。湯川准教授の言葉が心に響く物語です。

 気になった方は、ぜひ読んでみてください。

 こちらのエントリでも紹介しています。

 関連記事

犯人は鉄壁!?東野圭吾『聖女の救済』は聖女が隠し持つ決意に驚愕する小説

(※『聖女の救済』表紙より)  東野圭吾さんの小説『聖女の救済』。  子どもができないという理由で離婚を告げられた女性が完全犯罪を成し遂げようとする物語です。読めば聖女の胸に秘められた決意に驚愕すること間違いなし!?   …

伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』は切なくて悲しくて爽やかな小説

(※『アヒルと鴨のコインロッカー』表紙より)  伊坂幸太郎さんの小説『アヒルと鴨のコインロッカー』。  本屋を襲撃しようと考える河崎と、その2年前にペット殺し事件に巻き込まれた琴美とドルジ――この二つの物語がシンクロする …

忍者は残酷!?『忍びの国』は家庭環境の影響力に驚かされる小説

(※『忍びの国』表紙より)  和田竜さんの小説『忍びの国』。  織田信長の次男・信雄(のぶかつ)が伊賀忍者たちに煽られ、信長の忠告を無視して伊賀に攻め込む物語です。読めば家庭環境や育った環境の影響力に驚くこと間違いなし! …

愛情が足りない!?西加奈子『i(アイ)』は人の気持ちに寄り添いたくなる小説

(※『i(アイ)』表紙より)  人の気持ちに寄り添っていますか。  私は歳をとるにつれて、自分のことばかり考えるようになりました。東日本大震災の報道を見ても、どこか他人事です。  そんな私に人の気持ちに寄り添うことの大切 …

普通って何?村田沙耶香『コンビニ人間』は自分らしく生きる女性を描いた小説

(※『コンビニ人間』表紙より)  2016年に芥川賞を受賞した小説『コンビニ人間』。  普通とは何か?自分らしく生きるとはどういうことか?など、いろいろ考えさせられる物語です。あまりの面白さに一気読みしてしまうこと間違い …

これで最後!?東野圭吾『禁断の魔術』は科学より大切なものがあることを教えてくれる小説

(※『禁断の魔術』表紙より)  科学を何よりも信じていませんか。  私は信じていました。科学的な根拠があることが、何よりも正しいことだと考えていました。  しかし、東野圭吾さんの小説『禁断の魔術』を読んで少し考えが変わり …

『子育てはもう卒業します』は自分らしく生きようと思える小説

(※『子育てはもう卒業します』表紙より)  垣谷美雨さんの小説『子育てはもう卒業します』。  3人の女性の青春時代から中年になるまでの人生を描いた小説です。読めば「子ども優先で生きるのはやめ、自分らしく生きよう」と思うこ …

『土佐堀川』は自分の悩みがちっぽけに思える小説

(※『土佐堀川』表紙より)  古川智映子さんの小説『土佐堀川』。  NHK連続テレビ小説「あさが来た」の原作で、広岡浅子さんの生涯を描いた物語です。読めば自分の悩みがちっぽけに思えること間違いなし!?  今回は、『土佐堀 …

犯人を追いつめるだけじゃない!?東野圭吾『虚像の道化師』は心に残る小説

(※『虚像の道化師』表紙より)  東野圭吾さんの小説『虚像の道化師』。  ガリレオシリーズ第7弾の本作は、犯人を追い詰めるだけじゃない短編ミステリーが多数用意されています。きっと心に残る短編に出会えるはず!?  今回は『 …

どんなことでも逆転できる!?阿部和重&伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』は一発逆転の物語

(※『キャプテンサンダーボルト 上』表紙より)  一発逆転したいと思ったことありませんか。  私は、仕事が予定通りに進まなかったときに思っています。特に最近は一発逆転したいことばかり…。  阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの …