西加奈子『おまじない』は自分の弱さに嫌気がさしたときに読んで欲しい物語

おすすめ小説

自分に自信を持っていますか?

私は自信を持ったり、失ったりと不安定な生き方をしているように思いますが、

西加奈子さんの小説『おまじない』を読んで、自信を持って大丈夫だよと励まされました。

「弱くても大丈夫だよ」と繰り返し励ましてくれる物語だったんですよね。

おすすめ度:3.0

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こんな人におすすめ

  • 弱い自分を励ましてくれる物語を読んでみたい人
  • 言葉の力を味わってみたい人
  • 優しい気持ちになれる物語が好きな人
  • 西加奈子さんの小説が好きな人
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あらすじ:女らしくなりたいと願う少女の物語

物語の主人公は、小学五年生のケイちゃん。

彼女は、「女らしい」という言葉が大嫌いだったお母さんに育てられたため、スカートではなくズボンを穿いていました。

男の子たちと遊び、その中でもガキ大将でしたが、小学五年生になった頃から、胸が膨らみ、次第に女性らしくなっていきます。

そこで、ケイちゃんはお母さんに良い顔をされなくても、スカートを穿くようになりましたが、

頭のおかしい男性から性的な暴力を受けました。

そのことを知ったお母さんは…。という物語が楽しめる小説です。

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感想①:つらい思いをしている人たちに手が差し伸べられる短編集

この小説では、あらすじで紹介した物語を含めて8つの短編が楽しめます。

あらすじで紹介した物語を除いて簡単に紹介していくと、

  • モデルになってどんどん世界が広がっていった私が、イチゴにしか興味のない親戚の浮ちゃんと久しぶりに再会して、生き方がカッコ良いと思う物語
  • 大学教授のおじいちゃまと一緒に暮らすことを息苦しく思っていたすみれが、「ひとりになりたいなぁ」と呟いたことでおじいちゃまとの関係が変わる物語
  • 仕事が上手くいかずキャバクラで働くようになった私が、モリさんというみすぼらしい芸人と出会い、父のことを思い出す物語
  • ダンサーのトーラと会社員の私がアラスカに行ってオーロラを見ようとねばる物語
  • バツイチの男性と付き合って妊娠した私が、彼は私のことが好きではないのでは?とネガティブ思考を重ねていく物語
  • 演劇にすべてを注ぎ込んだ私が、木梨という才能のある人物のおかげで成功したけれど、誰も私におめでとうと言ってくれない物語
  • おまじないが大好きなひいおばあちゃんと健康志向なおばあちゃん、好き勝手な暮らしをするママをもつ私の物語

どの短編も何らかの悩みを抱えている女性の姿が描かれています。

西條奈加さんの小説『心淋し川』では、どん詰っても懸命に生きる人たちの物語が描かれていましたが、

西條奈加『心淋し川』はどん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動する物語
どん詰まりでも懸命に生きていますか? 私は諦めが悪い性格なので、どん詰まりでも粘り強く行動して乗り越えてきましたが、 西條奈加さんの小説『心淋し川』を読んで、どん詰まりでも懸命に生きる人たちの姿に感動しました。 どれだけど...

この小説では、つらい思いをしている人たちに優しく手が差し伸べられる物語が楽しめました。

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感想②:つらい思いをするのは他人の考えに支配されているから

では、なぜ彼女たちはつらい思いをしていたのでしょうか。

それは、他人の考えに支配されていたからです。

あらすじで紹介した物語では、女性らしい格好をしたいと思っていたケイちゃんでしたが、母が良い顔をしませんでした。

それでも勇気を出してスカートを穿いたところ、頭のおかしい男性から性的な暴力を受け、母から、

「ほらね!」

と、自分の言うことを聞かないからだと追い詰められます。

バツイチの男性と付き合って妊娠した私が、彼は私のことが好きではないのでは?とネガティブ思考を重ねていく物語でもそうです。

ネットで「思いがけない妊娠」というキーワードで検索したところ、

「無責任」「最低」「理解不能」「人殺し」「子どもがかわいそう」という言葉が並んでいたので、ネガティブ思考が加速してしまいました。

伊坂幸太郎さんの小説『魔王』では、他人の考えに流される人たちの恐ろしさが描かれていましたが、

伊坂幸太郎『魔王』は考える力を失った人たちの恐ろしさがよくわかる物語
他人の意見に流されていませんか? 私は何でも「なぜ?」と考えるクセがあるので、あまり世間の風潮に流されていないと思いますが、 伊坂幸太郎さんの小説『魔王』を読んで、考える力を失った人たちの恐ろしさがよくわかりました。 彼ら...

この小説では、他人の考えに支配されてしまうと、つらい思いをすることがわかる物語が描かれていました。

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感想③:自分を信じて大丈夫と励まされる

さて、この小説では「自分を信じて大丈夫だよ」と励まされる物語が描かれています。

あらすじで紹介した物語では、母から男を変な気持ちにさせる格好をしたのが悪いと言われ、スカートを燃やされたケイちゃんでしたが、

それでも彼女はスカートを穿きたいと思っていました。

そんな気持ちで溢れそうになったとき、小学校の焼却炉で、次々とモノを燃やす用務員のおじさんに出会います。

そのおじさんがケイちゃんにかけた言葉で、彼女のモヤモヤした気持ちが解き放たれました。

自分を信じて大丈夫だよと思える言葉をかけてもらえたからです。

他の物語でもそうです。

つらい気持ちを抱えていた主人公の女性が、ちょっとした「おじさんの言葉」に励まされます。

用務員のおじさんだったり、おじいちゃまだったり、最低なコメンテーターだったりしますが、とにかく「おじさんのちょっとした言葉」がキッカケで自分を信じてみようと思う女性の姿が描かれています。

つまり、ちょっとした励ましで、誰もが弱くても自分を信じてみようと思えるんですよね。

原田マハさんの小説『本日は、お日柄もよく』では言葉の力を信じたくなる物語が描かれていましたが、

原田マハ『本日は、お日柄もよく』は言葉の力を信じたくなる物語
 言葉には世界を変える力があります。  たとえば、2008年のアメリカ合衆国大統領選挙で、バラク・オバマが民主党の候補者に選ばれたのは、言葉の力を使ったからでした。  当時、次の大統領候補として最も呼び声が高かったのは、...

この小説では、特別な言葉ではなく、ほんの少し背中を押すような優しい言葉で、前を向いて生きていけることがわかる物語が描かれていたので、励まされました。

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まとめ

今回は、西加奈子さんの小説『おまじない』のあらすじと感想を紹介してきました。

弱くても自分に自信を持って大丈夫だよと励まされる物語が楽しめるので、気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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